恋せし乙女の物語
彼氏が欲しい高校生の明日菜にアプローチしてきたのは優等生の結城君。でも明日菜は気が乗りません。そんな関係の二人の間に現れたの学校随一の美女花屋敷さん。 呼び出された明日菜は結城君と恋人関係にあるかを聞かれます。違うと明日菜が答えると花屋敷さんは結城君に告白してゲット。 大学に進学した明日菜はついに彼氏が出来ます。それもイケメンのお金持ち。恋人関係のステップを積み上げ、社会人になった明日菜は結婚も視野に入れ始めます。 そこに起った大事件。運命の糸車は思わぬ巡り合わせを呼び寄せます。 |
久しぶりのオリジナルのラブロマンスです。これも手垢が着きすぎた分野ですが、ラブロマンスに求められるのは恋の行方がどうなるかです。言い換えればどれほどの紆余曲折があるかを求められます。それでもってヒロインの恋の行方を期待されます。 紆余曲折に…
遺言にも等しい花屋敷さんの話だった。そして四か月を過ぎようとしてるけど今日は告別式。それも生憎の雨。いや生憎じゃない。花屋敷さんの短すぎた人生を悲しむ雨だ。祭壇に飾られた花屋敷さんの笑顔を見るのが辛すぎる。絢美も、涼花も来てるけど、「結城…
お盆も過ぎてやっと猛暑も終わってくれそう。いやぁ、今年の夏も暑かった。若い時はこの夏の暑さがテンションを上げたりしたけど、この歳になると窓越しに見ていてもテンシュン下がるよ。 それでも帰りの夜道に秋を少しでも感じれるようになってきて嬉しいな…
合コンからの一連の騒動はなんとか終わったはず。結城君と花屋敷さんがどうなったかは気にはなるけど、連絡はないし、こっちから連絡もしにくいから不明だ。宜しくやってるんじゃないのかな。 渡米までに結婚式を挙げるのじゃないかと思ってるけど、明日菜は…
おかしい、どうにも話が思惑通りに進んでくれない。実はあれからも結城君には会ってしまっている。お互い独身の上にフリーだから会っても問題はないし、花屋敷さんへの計画のためには結城君とのつながりを切るのは良くないのはある。 気軽な男友だちに留める…
絢美も涼花も結婚してる。涼花はまだ子どもはいないけど絢美は、「実家に頼んどいた」 涼花だって旦那さんの了解をもらってるのもね。「久しぶりの独身気分だ」 だから、『カンパ~イ』 持つべきものは友だよ、ビールが美味い。こういう相談なら千秋の方が適…
いかん明日菜のことはイイんだ。結城君に確認しておきたいのは花屋敷さんとの関係だ。「・・・璃子の話は堪忍して欲しい」 当然だけど名前呼びか。つうか花屋敷さんの事を名前で呼ぶ人を初めて見た気がする。元カノの話は嫌だろうけど、今日はどうしても聞いて…
過去の亡霊が団体さんで出て来たような合コンだったよ。お盆には早すぎるじゃないかまったく。嫌でもあの合コンの事を思い出してしまうのだけど、どうにも違和感があり過ぎる。 違和感と言っても、あの日の異様な空気感の理由はわかった。嵌められたってやつ…
「ルミとは知り合いでして・・・」 ルミとは明日菜を合コンに強引に引っ張りだした取引先の女だ。「あんなところに風吹さんがいたのに驚きました」 だからって引っ張り出すなよな。「だから逢わせてみたくなりました」 おいおい、まさかあの合コン自体が茶番だ…
こうなってくると気になるのは、なぜに花屋敷さんがあれほど結城君に執着したかよね。もう時効だろうし、わざわざ誘ったのだから聞いても良いはず。というか花屋敷さんとの間で共通の話題はこれしかないから、花屋敷さんもこれを話に来ているはず。 やっぱり…
結局断れなかった。花屋敷さんに連れていかれたのは路地裏みたいなところにあるお店。雑居ビルの二階にあるのだけど階段を上がり、重々しそうな木製のドアを開くと、『カランカラン』 カウベルが鳴る仕組みか。店には長いカウンターがあって、カウンターの後…
妙な合コンに呼ばれた。誘われたと言うより引っ張り込みやがったのは取引先の担当の女。つうか、あそこまで強引だとパワハラだぞ。気乗りしないなんてものじゃなかったけど断れなかった。そりゃ、相手は取引先の担当者だからだ。 取引としてはこっちが買って…
恋愛はまだしも結婚に気が乗らなくっている理由は他にもある。恋愛の延長線上に必ず結婚があるは言い過ぎかもしれないけど、恋愛と結婚は同じじゃない、いやかなり違うものだ。そういう話は嫌でも明日菜の耳に入るからね。 恋愛は付き合う二人の意志がすべて…
さすがに落ち込んだ。だってだよ明日菜はロリータとして見られ、明日菜のロリータ性に発情したロリコン変態野郎の獣欲に奉仕し、あまつさえそれを明日菜は真実の愛と勘違いしていたんだよ。 さらに明日菜だって歳を取る。歳を取ればロリータじゃなくなってく…
それでもロリコンは犯罪よね。「ロリコン趣味は犯罪じゃないし、ロリコン嗜好を持ちながら明日菜を抱いても犯罪にならない」 ロリコン趣味があるだけで犯罪じゃないのはわかるけど、ロリコン嗜好で明日菜を抱くのは問題があるじゃない。「心情的にわかるけど…
ロリコンとか、ましてやペドフィルなんて堪忍して欲しいよね。そもそもだよ、そんな歪んだ性癖があること自体が許せない。ああいう歪んだ性異常者はなんとかならないものかな。そしたら千秋は少し複雑な表情になって、「なにをもって正常とか異常も時代によ…
アキラにはロリコンさえ越えるペドフィルまであり、それを明日菜が呼び覚まして中学生相手に熱中するようになったって言うけど、「アキラ君のファッションセンスだよ。あんなものが似合う女は明日菜ぐらいしかいないじゃない」 あんなものが似合っているもの…
なんとか週末までたどりついで死んでたら千秋から、「会いたい」 との連絡があった。千秋とは大学を卒業してから会ってないから唐突とも感じたけど、「久しぶりに部屋に遊びに行きたい」 大学から下宿は変わってないけど、千秋にも会いたいからOKした。千…
悶々と悩む日々が続いた。さすがに未練はあるものね。今だってアキラはイケメンだし、ファッションを除くと優しい彼氏だ。そうだそうだ結婚問題も除くのもある。大学の時からそうだけど一緒にいても自慢の彼氏だったもの。それで随分と妬まれもしたはずだけ…
社会人も四年目、今年で明日菜も二十六歳になる。相変わらず忙しい日々を過ごしていたのだけど、絢美から久しぶりに連絡があった。「明日菜、実は・・・」 へぇ、ついにカメ君と結婚するんだ。絢美とカメ君が付き合いだしたのは明日菜とアキラより少し前。まだ…
アキラはリッチ。正確にはアキラの実家がリッチなんだけど、あれこれプレゼントしてくれるんだ。これは誕生日とかの記念日はもちろんだけど、サプライズもよくあるし、それこそデートでウィンドウ・ショッピングしながらもある。 それ自体は嬉しいのだけど、…
千秋の話を聞いてイキたいと思うようになった。そりゃ、セルフのイクをアレでも味わえるなら嬉しいもの。だってだよセルフで慰めるのは、本来はアレの代用品のはずじゃない。だから男とやるからには男でイクべきだ。それにセルフの場合はクリでイクもの。こ…
結ばれるというステージを越えて、ますますアキラとの距離は縮まった。縮まるも何もあれ以上の密着はないものね。なんとなく思ったのだけど、女と男が魅かれ合えばその距離を縮めようとするし、究極まで縮めたものがアレじゃないかって。千秋が言ってた、『…
木島君からのデートのお誘いはあった。舞い上がりながらも千秋のアドバイスを思い出しながら観察はしてみた。明日菜の目じゃ限界はあるけど、木島君に要注意ポイントはまったく見られなかった。 それどころか、逢えば逢うほど、話せば話すほどイケメンだ。デ…
千秋と家飲み会をやってる目的は恋の相談もあるんだ。「アキラ君とはね・・・」 千秋に引っ張られて行ったコンパで出会ったんだ。明日菜のキャラだからどうしても壁の花になってしまうのだけど、そんな明日菜に声をかけてくれたのがキッカケになるかな。千秋は…
千秋の欠点は、そういう彼氏観もあるけど、正直と言うか表現が生でモロのところもあると思ってる。とにかくあけすけというか、女同士の猥談であってももうちょっと言い様があると思う時は多々あるもの。明日菜ってまだじゃない。まだどころか彼氏さえ出来た…
しばらく絢美は告るかどうか悩みまくってたけど、ついに告って、今は幸せそうなラブラブカップルになってる。とにかく口を開けば、「シンがね・・・」 シンというのはカメ君の名前が信一だから。惚気まくられて大変だもの。カメ君にはスマートさはないとは思う…
二年にあがってしばらくしてから絢美から相談。思いつめてたから何があったのだと思ってたら、「好きな人が出来た」 出来たも何も絢美はサークル一番のイケメン東堂先輩狙いだったはずだけど、「亀野君」 えっ、カメ君なの。亀野君は同い年で小柄で大人しそ…
ハズレ男の話題で盛り上がって思い出した。高校の時は絢美と涼花の三人でよく遊んでたのだけど、実はもう一人いた。馨って子だったのだけど、「あの子にはウンザリさせられた」 学校はあんまり遅刻しないのに、「あれって毎朝お母さんに叩き起こされて、家か…
そこからハズレ最低男の話題で盛り上がってしまった。口火を切ったのは倉田先輩で、「ゲロが出そうな男」 倉田先輩が一年の時に友だちの紹介で出会ったそうだけど、ルックスは良かったそう。ルックスだけじゃなく、話題も豊富だし、これで彼女がいないのが信…