恵梨香の幸せ

 康太と結ばれ結婚した恵梨香は幸せ一杯の新婚生活をスタートさせます。それは恵梨香にとって夢のような生活です。経済的にも余裕がありますし、旦那の康太も理解があるどころか積極的に新婚家庭を築き上げるのに協力してくれます。

 なにより恵梨香が嬉しいのは間違いなく愛してくれている事。これは言葉にもしてくれますし、態度でも行動でも示してくれます。これ以上はない幸せを恵梨香は手に入れたと毎日感謝するぐらいです。

 そんな恵梨香の唯一の不安は、あまりにも愛されていること。愛されることに不満などないはずですが、なぜか不安を感じてしまいます。そうなると恵梨香が気になるのが、どうして恵梨香が再婚相手に選ばれたかです。

 そんな時に康太の学生時代を知る者と巡り合っていくようになります。そこには康太が恵梨香にさえ伏せていた物語があったのです。

恵梨香の幸せ:あとがき

黄昏交差点の続編で、康太と恵梨香の新婚生活をメインにしています。今回は珍しく医療とか医学部の話も織り込んでいるのですが、前作のツケで年代設定に無理が出ています。 とくに医学部から研修医時代の話は、私の経験をベースにしていますが、そのために二…

恵梨香の幸せ:これが幸せだ!

恵梨香が最後に選ばれた理由がついにわかった気がする。もう確信として良いと思う。康太の本当の好みはスリム狐。だから理恵先生を選んで結ばれたんだよ。でも、理恵先生はセレブの娘過ぎたで良いと思う。 康太も口を濁していた部分があるけど、理恵先生との…

恵梨香の幸せ:キーコと恵梨香

「やはりキーコさんより落ちる」 「比較なんて出来ないよ。でもね・・・」 あの時にキーコさんが死なずに長生きして、康太と結婚できたとしても上手く行っていたかは未知数としていた。もしそうなっていれば、子どもを作って、それを育てての家庭になるじゃない…

恵梨香の幸せ:能力者

小百合さんの病気だけど、「康太、その特発なんちゃらって助からへんのか」 面会は出来たけど絶対安静みたいな状態だったらしい。そりゃ、重症だよね。康太は、「特発性血小板減少性紫斑病は血小板だけ減少する病気だけど・・・・・・」 さすが康太は良く知ってる…

恵梨香の幸せ:別れの秘話

康太が五年生になった時にキーコさんも高校卒業してる。どうも大学には進学せず、完全に康太の下宿で同棲状態だったらしい。たまに家に帰るぐらいかな。理恵先生の時代は五年の後期からポリクリって呼ばれる臨床実習が始まり、六年の前期まで続いたんだって…

恵梨香の幸せ:キーコさん

「でもね、実はそれほどよく知らないのよね」 まずキーコさんの名前は中野貴美子で、キミコだからキーコと呼ばれてたらしい。歳は康太の五歳下だって。ん、ん、ん、理恵先生と康太が別れたのは大学三年の時だから康太が二十一歳になる歳だよね。そこから五つ…

恵梨香の幸せ:お見舞い

加島さんがクルマで迎えに来てくれたんだけど、「修、ベンツやないか」 「経費や」 恵梨香は初めて乗ったからワクワクした。康太のアルトも嫌いじゃないけど、やっぱベンツは広い。阪神高速の湾岸線から環状線に合流して、南大阪線に。阪神高速から降りてし…

恵梨香の幸せ:来客

康太から相談があったんだ。お客さんを一人招いても良いかって。そうそう、恵梨香と結婚してから家に来たお客さんも少ないのよね。康太の叔母さん夫婦が一度来たのと、弟の隆行夫婦・隆明夫婦、後は恵梨香の両親ぐらい。この辺は親戚だから、結婚したら一度…

恵梨香の幸せ:康太のスマホ

康太もスマホを持ってるけど、なんのために持ってるかと思う時があるのよね。誰でも使いそうなカメラ機能も、ミュージック機能も使わないし、電子書籍も読まないんだ。メイルも使わないし、LINEだって恵梨香との連絡に使うぐらい。 康太は見せてくれたけ…

恵梨香の幸せ:恵梨香の煩悩

帰りの飛行機でも話は続いた。康太は六道の上にさらに世界があるとしてた。六道は欲界に属していて、その上に色界、さらにその上に無色界があるそう。六道は欲界に属しているんだけど、このうちで天上道からのみ色界さらには無色界に行けるそう。 人は六道と…

恵梨香の幸せ:札幌の夜

そう言えば、プロポーズの時に不倫の過去はさすがの康太も考えこんだけど、恵梨香がビッチにされてることへの反応は薄かったのよね。恵梨香にしたら大きな負い目だったんだよ。 やっぱり男は処女が好きじゃない。まだ誰も手を付けてない女を自分の物にしたい…

恵梨香の幸せ:旅行

康太の主義として遊びに出かけるのは、とにかく気軽にがあるのよね。思い立ったらさっと出かける感じかな。前に出石に出かけた時の感じがそうと思ってもらえれば良いと思う。 でも旅行となるとさすがにそうは行かないのよね。これも康太はやった事があるそう…

恵梨香の幸せ:マッハ婚の謎

恵梨香は康太の妻。もちろん戸籍でも正式の妻だし、妻として文句の付けようのないぐらい愛してもらってる。これ以上は望むものはないはずだけど、夫である康太のすべてを知りたいと思ってしまう。 そうそう恵梨香が再婚相手として選ばれる時に最後の障壁にな…

恵梨香の幸せ:理恵先生への疑惑

康太とのベッドは素晴らしいし、恵梨香以上の経験を持ってるとして良さそう。それはそれで良いのだけど、気になるのは別の点なんだよ。そう、康太は誰を相手にそこまで極めたかなんだ。 これの答えもほぼ出てる。由佳でも智子でもないし、ましてやリサリサで…

恵梨香の幸せ:雄々しい康太

康太が結婚するにあたって夜の生活も重視してるのは知ってた。恵梨香もこれだけはライバルよりベッド・テクだけは自信があった。不安なのは恵梨香のビヤ樽ボディだけ。ついでに狸顔。 入籍前夜に結ばれた時もこれだけは最後まで不安だった。恵梨香のすべてを…

恵梨香の幸せ:勤務医の不思議な就職

出石への行き帰りは五時間ぐらいかかるから、その途中で康太に初婚前の最後の恋人について聞いてみたんだ。でも、あれだけ何でも話してくれる康太が、「何人かいた恋人の一人だよ。恵梨香だっているだろう」 いないのが悔しいけど、一般的にそうなのはわかる…

恵梨香の幸せ:出石の皿そば

さて今日の目的地は出石だけど、まずは六甲山トンネルを越えて六甲北有料道路に。これを終点まで走ると神戸三田ICで中国道に入るのよ。そこから吉川JCTを経て舞鶴道に入る。 春日ICで降りて北近畿豊岡自動車道に乗り遠阪トンネル抜けて山東ICを下り…

恵梨香の幸せ:お出かけのルール

康太とのお出かけにも注意点があるんだ。それは、『さっさと出発する』 康太が起きる時刻は休日でも殆ど変わらないのよね。そこからシャワーを浴びて、朝食を摂って平日なら出勤なんだけど、休日にお出かけとなると同じペースで出発するのが理想みたい。 も…

恵梨香の幸せ:康太の最後の恋人

理恵先生が帰ってから、「康太、あれでサヨナラしてイイの?」 康太はカクテル・グラスを傾けて、「ボクには恵梨香がいるからね」 そりゃ、奥さんの目の前で二人で消えるわけにはいかないだろうけど、なんか、どう言えば良いか、これで良いけど、良くない気…

恵梨香の幸せ:理恵先生

今日は土曜日。晩御飯を食べに行ってから、いつものバーに。このバーはカウンターの他にテーブル席もあるのだけど今日はそこも入ってた。まったり二人で飲んでたのだけど、テーブル席の方から女が一人歩いてきた。御手洗と思ったら、いきなり康太の肩を叩き…

恵梨香の幸せ:披露宴

隆行と言うか浜崎の家がやろうとしているのが披露宴。正式の披露宴じゃないけど、親族に婿である康太を紹介する宴会って感じかな。結婚前に両家の親族が顔合わせでお食事会の拡大豪華版としても良いかもしれない。 これをお稲荷さんの祭りの日にぶつけるプラ…

恵梨香の幸せ:祭りの準備

恵梨香の故郷にもお祭りがあるのだけど、秋は鎮守の八幡さんで、だんじりも繰り出す賑やかなもので恵梨香も子どもの時は楽しみにしてた。それ以外に春にもある。この春祭りが少々どころでなく問題。 お稲荷さんなんだけど、〆平家の先祖が勧進したらしくて、…

恵梨香の幸せ:元婚家

そうそう元婚家の名字は、『〆平』 これを『しめひら』と読む。珍しい名字だと思う。江戸時代には苗字帯刀を許されていたってのを自慢してたよな。恵梨香にしたら、それがどうしたぐらいにしか思わなかったけど、とにかくイヤミの材料に使われまくったから、…

恵梨香の幸せ:恵梨香の実家

恵梨香も聞いただけの話だけど江戸時代の百姓も身分差があったんだって。まず上に来るのが本百姓。自分の土地を持っていて家屋敷があるタイプだけど、年貢を納めてるぐらいかな。 これに対して水呑百姓は自分の土地を持たない小作人で良いと思う。年貢は免除…

恵梨香の幸せ:誘拐事件

アナフィラキシー事件の後だけど旦那さんの怒りは、あれぐらいで収まらなかったんだ。だからだと思うけど、旦那さんは自分の実家と完全に縁切りしちゃったんだ。そんなもの出来るかと思ったのだけど、入婿になって姓を奥さん側に変え、さらに養子縁組もした…

恵梨香の幸せ:アナフィラキシー騒動

その日は日曜日だったのだけど、康太と一緒に買い物に出かけて、地下駐車場からエレベーターで二階の廊下に出た時だった。物凄い悲鳴みたいな声がお隣さんから上がったんだ。『人殺し!』 恵梨香も康太も驚いたけど、声が聞こえたお隣さんに。そこには口の周…

恵梨香の幸せ:アレルギーのお話

お隣さんの息子さんが強度の卵アレルギーなんだ。それこそ少しでも入ると全身が真っ赤になるだけでなく、呼吸困難まで起こすと言うから重症と思う。だから食事には気を付けてるし、なんだっけ緊急用の注射まで持ってるんだって。 お隣さんは姑さんと別居なん…

恵梨香の幸せ:不倫問答

さてだけどイヤミ攻撃が静かになった派遣の女だけど、康太から妙な手紙を見せられた。とりあえず封筒から妙で郵送じゃないんだよ。「これで百万円寄越せって」 なんちゅう女だよ。こんな件で康太に迷惑かけるのは許せないと思ったよ。どう落とし前を付けてや…

恵梨香の幸せ:派遣の女

恵梨香のやってる業務は窓口業務。ATMになってから預金や引き出し、振り込み業務は減ったけど、金融自由化になってるから保険や投資信託、公共債などの提案や販売もやってるぐらいのイメージで良いと思う。 恵梨香はこれでも主任だから、事務チーフとして…

恵梨香の幸せ:すき焼きグルメ便

ボスママの被害は恵梨香はまだ少ないのよね。平日の昼間はいないし、子どももいないから。でもお隣の奥様はゲッソリしてた。ボスママだって一人でいてくれたらまだしもなんだけど、なんだかんだとママ友の集まりに入り込んで来るんだって。 ああいう人種って…