天使と女神シリーズ22 ツーリング日和

 コトリとユッキーが突然始めたバイク・ツーリング。そのために買ったバイクがなんと125CCの原付二種。非力ですし、高速を走れないデメリットをミサキは心配します。

 それとあの二人ならいきなりのロング・ツーリングをやりかねないとミサキは見ていましたが、慎重にステップ・アップするのに逆に感心します。

 あれこれとツーリングを重ねてた末に二人が目指したのが、しまなみ海道。楽しいツーリングを続ける二入の前にタチの悪い走り屋集団が現れます。

 その場にたまたま居合わせたモトブロガーの杉田は、その走りを見て驚きを越えて呆れてしまいます。あまりにも常識外れの走りの謎をモトブロガー仲間の加藤と共に追いかけます。

 ついにたどり着いたバイクの秘密は・・・

ツーリング日和 あとがき

今回は旅もの。旅ものを書くのもラクになりました。前に旅ものを書いた時には、ブログとか宿のHPを読み漁り、そこの画像からひたすらイメージを膨らませていました。行ったことないところにしてましたからね。 今回は書くずっと前から、ユーチューブのツー…

ツーリング日和(第35話)エピローグ

「なんか思い出さない」 「大神殿が出来た頃やな」 大神殿建設計画はアングマール戦の前からあってんけど、ユッキーは大城壁を作る方を選んだんよな。山ほど反対はあったけど、あれが無かったら、エレギオンは滅んどったし、コトリもユッキーも魔王のエロ処…

ツーリング日和(第34話)ツーリング日和

今日もユッキーとツーリングや。まずは港島トンネルを抜けて国道二号線を走り、「次の交差点やな」 「らじゃ」 六甲山トンネルを目指すで。ホンマこの坂上がるためにナンボかかったことか。まあ、ラクに上がれるから文句もあらへんが、六甲山トンネル抜けた…

ツーリング日和(第33話)飼いならされた時代

あの二人だがコトリさんが月夜野社長、ユッキーさんが如月副社長だった。如月副社長はまだしも月夜野社長の若さは驚愕ものだ。加藤も、『そういう話は聞いてたけど、見惚れてもた』 二人とも息を呑むような美人ではあるが、月夜野社長は五十歳を超えているん…

ツーリング日和(第32話)バイクの秘密

帰りは九州縦貫道から山陽道に。しまなみ海道と走って松山に帰宅。帰宅してからもビデオの編集に没頭。加藤もそうで、一週間ぐらいはPCと格闘していた。これをやらなきゃ、食べられないからな。 ビデオ編集が一段落し番組を上げれる段階になったので、無理…

ツーリング日和(第31話)女神たちの夜話

一時間後にホントに来た。「お邪魔します」 「こっちもエエ部屋やんか」 瓶ごと焼酎を抱え、「あては漬物で我慢してな。もうてきた」 皿に盛られた漬物。こっちはかなり酔ってるのだが、二人組はおかまいなし。「明日もあるから二本ぐらいにしとこか」 やや…

ツーリング日和(第30話)出会い

朝食を番組録画してから、「仕事は終わりにしようや」 「悪いがケニーロードをもう一回付き合ってくれ」 昨日のビデオを見ていたが、ちょっとアイデアが浮かんで、「荷物下ろしてまうんか」 「ここのコーナーを本気で攻めてみる」 ハングオンとドリフトだ。…

ツーリング日和(第29話)思わぬ関り

男のキャンプの集大成として作り上げたのは、 ・スペアリブの甘辛煮込み ・小エビのシーザーサラダ ・アヒージョ ・トマトクリームペンネ あとはお肉を炭火でガッツリだ。我ながらこれだけ良く作れたものだ。「これ、目先を変えてライダーズ飯に出来ないかな…

ツーリング日和(第28話)番組収録

加藤と晩御飯を食べ、オレの家で荷造りの最終チェックを済ませ松山観光港に、「出航が九時五十五分って、なんでこんな半端やねん」 オレも妙だった。松山・小倉フェリーは一日一便だけだ。どうして十時にしないだろう。なにか事情があるだろうが、乗船手続き…

ツーリング日和(第27話)ケニーロード

バリ伝で巨摩郡がフレディ・スペンサーになぞられ、ライバルのラルフ・アンダーソンがケニー・ロバーツになぞられたのは有名だ。「ラルフのラッキーストライク・ヤマハの監督なんか、モロのケニー・ロバーツやからな」 「HRCの梅田も福井威夫だろう。こっ…

ツーリング日和(第26話)バリ伝

オレのユーチューブの番組はバイクがメインだが、バイクに関連していれば幅は広い。これは言い方が悪いな。狭い分野に特化していたのでは、いずれネタにつまり、飽きられるのがユーチューバーの側面でもある。 そんな一環で過去の名ライダーや、名勝負の懐古…

ツーリング日和(第25話)やりやがったな

エレギオンHDの肩書上の序列は、 社長 → 副社長 → 専務 → 常務 こうなっています。コトリ社長とユッキー副社長が代表取締役で、シノブ専務とミサキが取締役です。実は取締役もこの四人しかおらず、常務もミサキだけです。かつては取締役常務も複数おり、社…

ツーリング日和(第24話)旅行の計画

「奥琵琶湖おもしろかったね」 「帰りに変なんがおったけど」 キャンプ場から出てしばらくしたら、荷物をテンコモリ積んだ大型バイクが追い付いて来たんよ。そしたら後ろに付いたまま抜きよらへんねん。海津大崎回ってるうちはともかく高島のバイパスに入っ…

ツーリング日和(第23話)加速力の謎

今日はオレの家で加藤とキャンプ番組のビデオ編集。だが話題は謎のバイクに。「杉田、あのバイクやけどタダのバイクやない」 当たり前だ。オレのバイクを振り切る化物だぞ、「そうやねんけど、不思議過ぎると思わんか」 加藤の疑問は素朴だが、あれだけの加…

ツーリング日和(第22話)男のキャンプ

ユーチューバーで成功するカギは人気を集めること。当たり前だが、これが食べれるレベルとなると甘くない。番組の出来が悪くなればPVは伸びず、チャンネル登録者数も減り収入が落ちる。 だから常に新しい企画を考えておく必要がある。もちろん人気を集めて…

ツーリング日和(第21話)幻のエンジン

脱線してしまったが今の関心は謎のバイクで、その解明のカギになるロータリー・エンジンだ。ロータリー・エンジンで感心したのはメカニズムがシンプルな点だ。これはレシプロとは大違いだ。 レシプロはピストンによる往復運動だから、クランク・シャフトがが…

ツーリング日和(第20話)ロータリー哀歌

松山に帰ってしばらくしてから加藤のところで話を聞いた。ガソリン・エンジンと言えばピストンが往復運動するレシプロ・エンジンが常識だが、かつてロータリー・エンジンなるものが存在していたそうだ。小型高出力の夢のエンジンとされたそうで、エンジンの…

ツーリング日和(第19話)謎のエンジン音

超が付くほどの軽量化と、この世に存在するとは思えない超小型の高出力エンジンだが、エンジンだけはかすかだが手がかりがある。加藤も言っていたが、「なんかちゃうのやろな」 そうだ、あれは普通のエンジン音ではない。エンジン音が違えば、普通のエンジン…

ツーリング日和(第18話)ありえない能力

オレはレーサーもやっているモト・ブロガーだから、ライディング・テクニックの番組も作っている。よくある質問として公道とサーキットでは走りの何が違うかはある。走りの基本は広い意味では同じだが、レベルが違うぐらいが説明になる。 それと意外に思われ…

ツーリング日和(第17話)取材

オレは松山市、加藤は東温市だから松山駅で落ち合った。広島大だが広島市にあるわけではない、元は七つの学校が統合されて新制広島大になっているが、散らばっていたキャンパスが東広島市に集められている。 松山からなら御薗宇バイパスで今治に出てしまなみ…

ツーリング日和(第16話)手がかり

オレだって仕事があるから、謎のバイクばかりを追いかけていられない。それでもヒマがあったらあの日の前後のSNSやブログを読んで回っていた。加藤だけじゃなく、モト・ブロガー仲間にも協力してもらっている。 だが雲をつかむような話で、探しても、探し…

ツーリング日和(第15話)幻を追って

謎のバイクの特定だが手がかりが少ない。ビデオを何度も見直したがナンバープレートの文字や数字は読み取れなかった。情けない話だが追い抜かれた後も距離を詰めるなんて無理だったからだ。原付のナンバー・プレートは小さいしな。今日も加藤と一緒だが、「…

ツーリング日和(第14話)謎のバイク

オレは小さな頃からバイクが好きで、好きが昂じてレースにも出ている。まあプライベーターだが、それなりの成績ぐらいと思ってもらえば良い。あれは石鎚スカイラインに行った日のことだ。クルマがいない時を狙って早朝に出かけたのだが、「杉田さん、おはよ…

ツーリング日和(第13話)旅の終わり

コトリたちは執念深く温泉に入ってから宿を出たんよ。まず口の宮本社にお参りして、今度は石鎚山ロープーウェイがある下谷駅に走って行ったんや。そこから十分ぐらいで成就駅に到着。ここには中宮の成就社がある。「役の行者が苦労したとこやな」 「やっと山…

ツーリング日和(第12話)石鎚スカイライン

朝にガラの悪い走り屋の話を持ち出して、行くのをやめるか、行くとしても走り屋がおらんようなる、もっと遅い時間にしようと説得したんじゃが、「朝飯に間に合わへんやん」 「仕事もあるから、余裕が無いのよ」 そがいなレベルの問題じゃないと食い下がった…

ツーリング日和(第11話)不思議な二人

ワシは広島大三年の近藤進一じゃ。親友の土方彰としまなみ海道のツーリングに来たんじゃ。因島の水軍城で先にあの二人連れを見つけたなぁ土方で、「声かけてみよ」 バイクはワシらと同じやから、正直に言う、ナンパのチャンスじゃ思うたんじゃ。ナンパまで行…

ツーリング日和(第10話)斉明天皇の温泉

道後温泉も三千年の歴史があるけど、湯之谷温泉も斉明天皇が入浴した伝説あるらしいんや、「あれって白村江の時でしょ」 斉明天皇の晩年に百済派遣軍を送るんやけど、斉明天皇は九州の朝倉宮まで行くんよね。その途中に伊予にも寄って、『御船泊于伊豫熟田津…

ツーリング日和(第9話)大三島から温泉へ

まずは、道の駅多々羅しまなみ公園で腹ごしらえ。コトリは平目丸ごと唐揚げ御膳、ユッキーはマハタお造里定食にした。近藤君と土方君は値段見てビビってたな。学生の昼飯にしたらリッチやもんな。「ガイド代として奢ったるで」 「その代わりは怖いわよ」 で…

ツーリング日和(第8話)因島から生口島へ

「まず因島大橋ね」 「行ったらわかるはずや」 向島の宿は尾道海峡大橋に近いとこやねん。そやから島の南まで走らんとアカン。アカンて言うほど気合もいらんやろけど、まずは西側に走って行ったんよ。海に突き当たったら海岸に沿って南に走っていくねん。「…

ツーリング日和(第7話)いざ西へ

「行くでユッキー」 「あいよコトリ」 今回はお泊り付きのロング・ツーリング。ドカンと西に進むで。出発は六時や。これだけ早く出るのは距離もあるけんど、神戸から西に一二五CC走るのは大変なんよ。クルマやったら山陽自動車道で終わりやけど一二五CC…