シオリの冒険:フェレンツェ騒動

フェレンツェでの撮影は妙なことばかり起ったのよ。フェレンツェではイタリア人女優の写真を撮る予定だったんけど、これが変な奴。ことごとくツバサ先生の仕事にケチ付けるのよ。撮影場所だって、 「ここじゃ、私の魅力が発揮できない」 最初の予定ではドゥ…

シオリの冒険:ローマの夜(2)

「コトリ、だったらイナンナの冥界下りの真相は・・・」 「七つに砕いたアンを冥界に送り込むためやったかもしれん」 「じゃあ、ミサキちゃんが見た七つの門は、アンの残骸を封じた場所」 ミサキちゃんの話によると、冥界の最奥部でナルメルを倒し帰る時には七…

シオリの冒険:ローマの夜(1)

ああ、くたびれた。なんでローマくんだりまで来てユダと二回もデートもどきをやらないといけないのよ。ホント、あれこそ世界一危険なデートだわ。あれに較べたら、素っ裸で夜のNYのハーレムを歩く方がよほど安全よ。 ガチガチの緊張が解けてお腹が空いてき…

シオリの冒険:ラテラノ宮殿

サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂はローマの四大バジリカの一つとされ、ラテラノ宮殿が隣接している。ヴァチカンの外にはあるけど、まあヴァチカンの飛び地みたいなところでイイと思う。 ラテラノ宮殿は四世紀初めから千年に渡って教皇の宮殿として使…

シオリの冒険:ミュンヘン・バトル

当日は審査会場にサキ先輩と見に行った。公開審査と言っても各国語が入り混じるので同時通訳の都合上で人数制限があり、審査員の推薦者のみの入場。ツバサ先生はサキ先輩とアカネをなぜか選んでくれてた。 今回は平穏無事で済んで欲しい半面、暴れるならどこ…

シオリの冒険:撮影旅行

ツバサ先生に呼ばれて、 「アカネ、一緒にヨーロッパに行くよ。準備しといて」 ツバサ先生には海外からのオファーもあるんだけど、国内での仕事がどうしても優先になってて、だいぶ溜め込んでたみたい。この辺はアカネが足を引っ張りまくったコントの影響も…

シオリの冒険:アカネの疑惑(2)

そんな頃にスタッフに密かに呼び寄せられて、 「アカネちゃんに特別任務をやってもらう」 「任務ですか」 「そうだ・・・」 オフォスの忘年会は盛大に行われるのだけど、その時にツバサ先生の過去を暴く企画をやりたいって。 「そんなことをしたら」 「だいじょ…

シオリの冒険:アカネの疑惑(1)

これは入門した頃の話だけどサキ先輩に。 「ツバサ先生をシオリ先生って呼ぶ人もいるのは知ってるよね」 そうなのよね。シオリといえば故加納志織先生が思い浮かぶんだけど、 「アカネもシオリ先生って呼んでもたぶん怒られないけど、部外者の前で呼ぶのはタ…

シオリの冒険:ヴァチカンのユッキー

ローマは初めだわ。シチリア時代だって対岸のタラントさえ行ってないものね。ユッキーになってからも、コトリとユダの協定があってイタリアは出入り禁止状態だもの。写真や動画で知ってるけど、やっぱり本物の迫力は凄いわ。 「お客さん、着きましたぜ」 タ…

シオリの冒険:渋茶のアカネ

普段ののツバサ先生って、あっけらかんと言うとフランクというか、あまり細かい事にこだわらないというか、なんでも笑いにしちゃう感じ。弟子になった頃にお茶を出したことがあるんだけど、 「おっ、ありがとう」 実はこの後が大変で、 「ぐぇ、渋い」 濃い…

シオリの冒険:オフィス加納

私は泉茜。子どもの時から写真好き、カメラ好きで、高校も写真部。賞も取った事があるのよ。どうしてもプロになりたいんだけど、写真のプロのなり方がよくわからないのよねぇ。ウジウジ考えてるうちに普通の大学に入っちゃったけど、やっぱりプロの道が諦め…

シオリの冒険:二人の女神

今夜は三十階仮眠室に女神が集まる日なのですが、コトリ副社長は宿主代わりの大学院生で不在。シノブ専務は夫の佐竹専務の具合が相当悪いようで、 「ミツルがついに私の事を忘れちゃったわ」 シノブ専務の夫の佐竹氏は八十七歳。クレイエール社長からクレイ…

シオリの冒険:エレギオンへ

エレギオンHDの全面支援を受けて第三次発掘調査の準備は急ピッチに整えられて行きました。雪乃は、 「香坂さんに任せておけば心配ないわ」 香坂さんは第一次調査の時の準備も担当していたそうですが、雪乃の言う通り、まさに水も漏らさぬ万全の準備が見る…

シオリの冒険:ユウタ教授

港都大学院の教授の定年は六十五歳。それでもってボクは六十歳。五十三歳の時に妻の雪乃から教授職を受け継いでます。天城名誉教授、妻の雪乃に次いでエレギオン学科の三代目教授です。 ボクの教授になった時の目標はエレギオン第三次発掘調査を行うこと。雪…

シオリの冒険:月夜野うさぎ

『カランカラン』 このバーも久しぶりやねん。なんかエライ注目浴びてるけどなんでやろ。こんな若い娘がバーに独りで入って来たから場違い感ってなところかな。 「いらしゃいませ」 おっ、マスター生きてるやん。 「お久しぶりです」 「あれ、ここは初めてや…

シオリの冒険:新型イメージセンサー(2)

「うちが委託研究されたものに、画像技術もあったのよ。正直なところエレギオン・グループの総力を挙げても解明できた部分は少しだけど、その中に受光素子技術に近いのもあるのよね」 「あったの?」 「そうよ。カメラとは違うけど、エランではサイボーグ技…

シオリの冒険:新型イメージセンサー(1)

旅行から帰るとユッキーの計画は着々と進行していった。及川電機はエレギオン・グループに入り、社長以下の現経営陣は責任を負って退陣。代わりにエレギオンHDから新たな経営陣が送り込まれてる。 わたしのところにも新しいイメージセンサー開発の協力依頼…

シオリの冒険:ユッキーのお仕事

「及川会長、部屋までご案内します」 ユッキーがサプライズにしようっていうから、及川会長の部屋まで出かけて案内した。 「麻吹先生、この部屋は・・・」 「うん、昔の友だちの部屋よ。今回の旅行は事情でちょっとリッチにしたって」 「ちょっとって、ここは貴…

シオリの冒険:審査員

当日は神戸空港からプライベート・ジェットで白浜空港へ。リッチだ。そこからはユッキーとしばらく別行動になり、 「ユッキーの予定は」 「白浜商工会議所で会議があって、お昼は町長主催の昼食会。午後は商工会議所の案内による視察。午後三時には白浜空港…

シオリの冒険:予感

サトルがたんまり作ってくれた借金も、三年かかって返す目途が付いてホッとしてる。それだけ仕事やりまくったんだけど、名前も売れてくれた。これはサトルに秘密だけど、サトルの技をだいぶ盗んでるんだ。 サトルの持ち味はしっとり感。どういうのかな、シッ…

シオリの冒険:女神たちの再会

今のわたしはツバサかな、それともシオリかな。どっちも自分だけど今日は間違いなくシオリの日。オフィスの経営も立ち直りつつあるから、今日は久しぶりにクレイエール・ビルに。受付に行ったら、 「麻吹先生、ようこそいらっしゃいました」 「香坂さんも変…

シオリの冒険:シオリの体験

次の宿主を誰にするかだけど、ユッキーに任せた。宿主は孤児ないし孤児に近い者から選ぶそうなのよね。まあ、そうしないと中身がそっくり入れ替わるようなものだから、後がややこしくなるのはわかる。 最後に意識があったのはマンションの自分の部屋のベッド…

シオリの冒険:麻吹つばさ(2)

ただ経営の苦しさは相変わらずで、スタッフとも協議を重ねていますが、有効な打開策などあるはずもありません。とうに内部留保は食いつぶし、オフィスのビルも担保に入っています。資金繰りは自転車操業も良いところで、時間の問題で不渡り手形が出そうです…

シオリの冒険:麻吹つばさ(1)

シオリ先生の死は気持ちの問題だけでなく、オフィス加納の経営にも大きな影響を及ぼします。とにもかくにも直面したのは収入の落ち込みです。依頼件数が三分の一になっただけではなく、依頼料が四分の一になってしまいました。 これは弁解になりますが、よう…

シオリの冒険:シオリ先生の死

ボクがオフィス加納を継ぎ、シオリ先生が顧問になって三ヶ月後に先生は倒れられました。シオリ先生は入院するより自宅での療養を望まれました。今どきの医療はそうなってるようですし、それよりなにより思い出深いマンションで最後の時を過ごしたいのでしょ…

シオリの冒険:女神の相談

今日はユッキーのところに呼ばれてるんだ。あそこの四人は二週間に一度、例の三十階仮眠室に集まることになってるんだよ。エレギオンHDの最高首脳会議ってところだけど、わたしも呼ばれるようになってるんだ。 それとユッキーに頼まれてエレギオンHDの非…

シオリの冒険:サトル

シオリ先生は丁寧に指導をしてくれますが、とにかく甘くありません。この三年の間にどれだけの、 「こんなものプロの仕事じゃない、顔洗ってやり直せ!」 これを喰らったかわかりません。でも言葉とは裏腹にボクに期待を寄せているのはヒシヒシと感じます。…

シオリの冒険:コトリ副社長の寿命

五女神そろっての温泉旅行から、加納さんが写真への意欲を取り戻されたのが三年前のことです。熊野古道で知り合った星野君の才能に惚れこみ、その年にオフィス加納を復活させ、星野君を弟子にしています。 あの時には女神の仕事となった浦島騒ぎもありました…

次回作の紹介

新作の位置づけは前作の続編になります。シリーズの流れとしてはこんな感じです。 作品の紹介としては、 シリーズ第一作からの唯一の生存者シオリにもついに寿命が訪れます。サトルとの出会いで活力が甦ったシオリは重大な決断をします。一方でシオリに宿る…

鉄オタじゃないもので・・・

普段は鉄道利用と言ってもせいぜい三ノ宮とか元町に行くぐらいですが、春秋のハイキングの時はそれなりの遠征をします。鉄道利用のハイキングですから、どうしても登れる山が限られてしまうのですが、今春は可能な限り西に足を伸ばしてみました。 西に行って…