ツーリング日和9(第25話)女神の糸

全体の構図はこれで良いとしてどこまでやる気なの。「善人なおもって往生を遂ぐ。 いわんや悪人をや」 それ悪人正機だけど意味が違うでしょ。「そうでもないで・・・」 まさかコトリ相手に仏教論争するとは思わなかった。仏教用語の悪人とは苦しんでる人であり…

ツーリング日和9(第24話)カラクリの真相

妃殿下の協力が得られたので菊のカーテンの向こうの甘橿宮家の実情の情報はかなり入ってきた。肇さんの情報で大筋は合っているけど、肇さんでも知る事の出来ない話がかなりあったよ。喬子様と小杉慶太の出会いはありきたり。大学のテニスサークルだった。「…

ツーリング日和8(第23話)鴛鴦宮

この南朝秘史だけど、原本は西陣南帝の企画が挫折したあたりで終わっているで良さそう。「続きがあったかもしれんが、残っとらへん」 南里漂山の調査はその後の鴛鴦宮家にも及んでるのよ。だけど鴛鴦宮家が具体的にどこに住んでいたのかははっきりしないそう…

ツーリング日和9(第22話)南朝秘史

「でもこれは正史や。歴史には必ず裏がある。それを伝えているのがこれや」 なになに南朝秘史だって。聞いたことがないな。それしても古いと言うかボロい本よね。中身は旧カナ遣いになってるじゃない。出版されたのは明治ってなってるけど。「これはな・・・」 …

ツーリング日和9(第21話)後南朝

「コトリ、なに躍起になって調べてるの」 「大嫌いな太平記の時代や」 コトリは歴女だけど南北朝時代は嫌いなんだよね。学者じゃなく趣味の歴史好きだから構わないようなものだけど、「なに言うてるんや。学者なんか専門の時代以外に興味あらへんやろが」 た…

ツーリング日和9(第20話)絹子様事件・急

日本で暮らし始めた絹子様御夫妻に起こったのは、「不倫騒動やで、信じられへんかった」 旦那の不倫が発覚したのよ。絹子様御夫妻は大喧嘩の末、絹子様が夫妻のマンションを飛び出し、「実家に帰るんやのうて新たな超高級マンションに住みよった」 あれもア…

ツーリング日和9(第19話)絹子様事件・破

「それでもNYで静かにしとったら話は収まったはずやってん」 そうなのよね。ここまででも不祥事スレスレ、いやもう立派過ぎる不祥事だけどさすがにNYは日本から遠いじゃない。マスコミだってNYに記者を張り付けてまで追跡取材をやれるところは多くない…

ツーリング日和9(第18話)絹子様事件・序

コトリが持ち出した絹子様事件があったのは今から八十年ぐらい前のこと。これも菊のカーテンがあって、今でもよくわからない部分が多いのだけど、皇室にとって大きな痛手を受けた事件だし妃殿下が汚点とまでされるのは良くわかる。 宮家の内親王として生まれ…

ツーリング日和9(第17話)綾乃妃殿下

「悪いなユリ」 「これぐらいはお安い御用です」 綾乃妃殿下への謁見にはユリも付いて来てくれた。あは、さすがはユリだね。入る時から出迎え付きじゃない。控室で待っていると定刻キッチリに呼び出された。ユリから紹介してもらったのだけど妃殿下は、「田…

ツーリング日和9(第16話)情報検討

肇さん十一時ニ十分の東九フェリーに乗るからそれを見送って、「昼は徳島ラーメンだ!」 行くのは王王軒。徳島ラーメンもバラエティが広がってるけど、王道は濃厚こってりスープの茶系だと思うの。白系や黄系も美味しいけど、一杯だけなら茶系のこってり濃厚…

ツーリング日和9(第15話)徳島の夜

肇さんは聞きたそう。「あのぉ、月夜野社長、如月副社長とは、もしかしてあのエレギオンHDのですか」 「そうや。そやけどツーリングはプライベートやさかいコトリでエエで」 「わたしもユッキーでね」 そう言われても呼びにくいだろうな。だけどゆっくり話…

ツーリング日和9(第14話)ツーリング風景

樫野崎のケマル・アタチュルクの騎馬像とお別れして駐車場に戻って出発だけど、コトリと肇さんが今日のツーリング・ルートの確認してるな。肇さんのメットにインカム無いものね。えっと、えっと、とりあえず目指すのは、「和歌山市しかあらへんやん」 それは…

ツーリング日和9(第13話)エルトゥールル号

朝だ、良く寝た、夜這いはやめた。さすがに相手が喬子女王様なら譲ってあげるよ。わたしだって首座の女神だけど現世ではさすがにね。コトリも、「肇さんは喬子様の漢や。他人の漢に手を出すほど落ちぶれとらへん」 あれこれ昨夜はあったけど今日はツーリング…

ツーリング日和9(第12話)喬子様

喬子様は甘橿宮親王殿下の三番目の子どもなんだ。ちなみに上は兄二人の末娘。たしか大学を卒業した後にケンブリッジに留学したはず。ロマンスの影は大学の時からあったはずだけど、ケンブリッジ留学で一度は消えたはずだけど、「いえ、続いております」 ここ…

ツーリング日和9(第11話)皇室護衛官

ところで肇さんは赤坂護衛署でどんなお仕事なのかな。「主に甘橿宮家の警衛です」 警衛? 聞きなれない言葉だけど、皇宮警察では皇族の身辺を守るのを警衛とし、皇族以外の身辺を守るのを警護と呼んで区別してるんだって。「侍衛官を勤めさせて頂いておりま…

ツーリング日和9(第10話)雲の上のお話

本州最南端潮岬の征服が終わったから今日の宿に出発。潮岬周遊線を進んで行く。目指すのは潮岬の東隣の紀の大島。串本節に、『ここは串本、向かいは大島、仲を取り持つ巡航船』 と謡われた島なんだ。串本から近くて目の前にある感じだけど、今は巡航船ではな…

ツーリング日和(第9話)南の果てに

公衆便所の決闘の後はひたすら国道一六九号から南下して熊野に。一時間ちょっとで鬼が城に着き熊野灘の眺望を休憩がてらに堪能して、今度は国道四二号で潮岬に向かってひた走り。七里御浜を左手に見ながら、「ユッキー、肇さんって京都署勤務やろか」 コトリ…

ツーリング日和9(第8話)再会

今日はついに潮岬だ。この日のためにどれだけ準備を重ねた事か。「電車やったらすぐやのに」 バイクで行くのに値打ちがあるのでしょうが!「プラン立てたんはコトリやで」 まあそうだけど。「朝一で元気なうちに難所を突破するで」 洞川温泉から国道三〇九号…

ツーリング日和9(第7話)洞川温泉

天河大弁財天社の傍を流れる川は天の川と呼ぶからこの辺を天川村って呼ぶで良さそう。その天の川沿いの道を戻って、そこから登り直したところにあるのが今日の宿の洞川温泉なんだ。 洞川温泉自体は歴史も由緒もない最近ボーリングで掘り当てた温泉だ。だから…

ツーリング日和9(第6話)弁天さん

コトリがナビとニラメッコ。「ここは急がば回れやな」 吉野から今日の宿へのナビ上の近道はあるみたいだけど、「この辺の県道は険道やろ」 だろうね。奈良盆地の中ならまだしも、吉野川から南側は近畿の屋根みたいな険しい山岳地帯だから、国道でも酷道にな…

ツーリング日和9(第5話)吉野

千早城から下りてきて金剛山登山口のお茶屋さんで一服してから出発。まず国道三一〇号に戻って五条を目指す。一車線半の峠越えだけど快調に走り抜け三十分ほどで五条に到着。混んでるな、「もう昼や」 十一時だものね。五条と言えば、「智弁学園やろ」 こん…

ツーリング日和9(第4話)千早城

道路からいきなりあるのが石段。それもかなり急勾配。「最後までこんな感じらしいで」 これぐらいなんてことはないけど、目指すは千早城。二十分ぐらいひたすら石段を登ったら千早城ならぬ千早神社。そう石段は神社の参道だったのよね。でも千早神社のあたり…

ツーリング日和9(第3話)行くぞ

草木も眠る丑三つ時、「南港ルートで行くで」 「らじゃ」 結局早立ち渋滞回避作戦にしたのだけど、三時は早すぎ。遅くとも七時までには渋滞発生市街地ゾーンを通り抜けたいからそうなったけど、さすがに眠いよ。でも少しでも遅くなると朝のラッシュだから仕…

ツーリング日和9(第2話)活路はどこに

やはりショートカットを狙うならフェリーしかない。フェリーを使うツーリングは楽しいけど、フェリー特有の問題はやはりある。フェリーの主要顧客は長距離トラックだってこと。だから長距離トラックに便利なようにダイヤが組まれてるのよね。「そやから出航…

ツーリング日和9(第1話)最後の難関

わたしは旅人、無限の時間を旅する女。今日もまた相棒のバイクに身を委ね、当てもなく走り続ける。「夏は暑い、冬は寒い言うて行かへんやんか」 あったり前でしょ。真夏に走ったら照り焼きになりそうだし、真冬なら冷凍食品になっちゃうじゃない。そんな季節…

次回作の紹介

紹介文としては、 本州四隅征服の最後の難関は潮岬。電車でもクルマでも、中型以上のバイクなら、神戸からでも一泊二日で余裕の観光地ですが、これが小型バイクでとなると話が変ります。 渋るコトリを説き伏せて潮岬に向かう途中で出会ったのが皇宮警察官の…

バイク待ち11ヵ月

幕間の雑談の度に書いてますが、まだ待ってます。オーダーしたバイク屋の選択を間違ったかもの後悔はかすかにありますが、それだけ待たされる人気バイクのはずなのに、実際に走っているのを見たのは1回しかありませんから、たぶん大差はなかったぐらいで自分…

元寇みたいな話 その3

元寇はこれまで映画にも大河ドラマにも取り上げられていますが、記憶にある限りヒットしたものは無かったはずです。ですが素材は良さそうな気がするのです。迫りくる世界帝国の脅威、これを迎え撃つ日本軍であり、なおかつ日本が勝っています。なのに元寇物…

元寇みたいな話 その2

文永の役、弘安の役と二度に渡った元寇ですが、本格決戦があったのは文永の役だけだったと考えています。この合戦の様相は私が遠い昔に覚えたものなら、 百道原に上陸した元軍に対し、日本軍は麁原山に本陣を置いて迎え撃った。一騎打ち戦法の日本軍に対して…

元寇みたいなお話

作品の都合で調べていたのですが、元寇の時に対馬と壱岐も攻められています。その対馬での戦いです。通説では、対馬守護代の宗助国が迎え撃ったものの、多勢に無勢で助国も戦死しています。この話自体は間違っていないと思っています。ここから疑うと話が一…