アカネ奮戦記:なんか変な感じ

大会は近づいてくると言うのにタケシは迷走中。なんかマドカさんの時のことを思い出す。あの時は端正で上品すぎるマドカさんの写真に力強さを加える課題を出してみたんだ。 最初は順調だったんだ。質はともかく、男が力任せに撮ったような荒々しい写真が出て…

アカネ奮戦記:女神たちの心配

『コ~ン』 ここは鹿威しが鳴り響く、女神たちの棲家であるクレイエール・ビル三十階仮眠室。今日は女神の集まる日、アカネは逃げて来なかったが、今日に限って言えば、かえって都合が良い。 「・・・シオリも見えてたのね」 「あんなもの誰だってわかる。オフ…

アカネ奮戦記:アカネへの課題

タケシが完全に行き詰ってる。すんなり行くわけがないけど、苦しいだろうな。北六甲乗馬クラブで撮ってくる写真にも迷いが出まくっている。四股を踏むじゃなかった、試験監督じゃなかった、えっと、えっと、なんだっけ、そうだ! 思い出した。試行錯誤と言え…

アカネ奮戦記:また一人・・・

馬と馬術の勉強は進めています。初心者体験コースもやってみました。シノブさんをモデルにとにかく撮りまくってます。ただ撮っても、撮っても、アカネ先生からは、 『これじゃダメ。おもしろくない。タケシの世界を撮らなきゃダメ。タケシを縛ってるものから…

アカネ奮戦記:シノブさんのお友だち

シノブさんが北六甲乗馬クラブに来る時は、午後から来られて夕方まで練習されます。お一人のこともありますが、三人連れの時もあります。三人連れの時にはレストランで晩御飯も食べて帰られます。三人連れの時に紹介してもらったのですが、 「木村由紀恵です…

アカネ奮戦記:マドカ先生の話

ボクの師匠はアカネ先生ですが、オフィスでは他の三人の先生も時間があれば相談に乗ってくれますし、あれこれアドバイスしてくれます。師匠間の対立とか、それに巻き込まれる弟子同士の意地の張合いとも無縁の世界です。 これはどうも、ツバサ先生の力のよう…

アカネ奮戦記:大仕事

「タケシです。入ります」 ここはアカネ先生の部屋。プロとして専属契約を結ぶと専用の部屋が与えらます。何回もこの部屋には来てますが、それにしてもの物の山。 「どうもアカネは整理整頓が苦手でね」 アカネ先生にも欠点はあって、とにかく写真以外につい…

アカネ奮戦記:ツバサ先生

バーで飲んでる時に女神どもが来て、突然タケシに大仕事をさせる話が出ちゃったんだけど、 「ツバサ先生、甲陵の競馬大会の仕事ですが」 「競馬じゃない障害馬術だ」 似たようなものなのに、こういう細かいところにツバサ先生はこだわるな。 「タケシにさせ…

アカネ奮戦記:試練は突然舞い降りる

『カランカラン』 今日はツバサ先生とバーに。ここも付き合い長くなって、先代のマスターの時からになる。代替わりはしてるけど、しっかり昔からの雰囲気を守ってくれてるから、ツバサ先生もお気に入り。 「タケシはどうだ」 「それが、なかなか」 タケシが…

アカネ奮戦記:恋心

仕事場以外のアカネ先生は明るくて、楽しくて、お茶目で、優しくて。なにより驚かされるのは、あの若さ。 ボクより十歳上のはずですが、どこをどう見ても年下、それじゃ足りない、二十歳過ぎにしか見えません。化粧で誤魔化してるわけじゃなく、仕事の時はほ…

アカネ奮戦記:思い出話

今日のアカネはツバサ先生と一緒に商店街の串カツ屋さんに。オフィス加納というか、ツバサ先生の方針で弟子の数は師匠に付き一人か二人にしてる。師匠はサトル先生とマドカさんがいるから合計四人だから、弟子の数は最大で八人になる事になる。もっとも最大…

アカネ奮戦記:プロの凄味

アカネ先生から次に任されたのがオフィス加納の仕事。まだ弟子ですから、近所の商店街のスーパーのチラシの写真です。こんなものまで引き受けてるのに驚きましたが、 「これは近所づきあいもあるけど、弟子の育成用のものだよ。でもね、これも仕事だよ。オフ…

アカネ奮戦記:新弟子修業

先輩たちの話通りに最初の仕事は機材の手入れです。これはボクがどれぐらい出来ているかのテストも兼ねていると思いますが、求められる水準の高いこと、高いこと。レンズ磨きぐらいは楽勝と思っていましたが、 「やり直し」 これも意地悪でなく、アカネ先生…

アカネ奮戦記:タケシ

ボクは青島健。オフィスでは『タケシ』と呼ばれてます。関東芸術大学時代から幾つものコンクールに入賞して名も売れてましたし、フォト・ワールド誌に、 『これからの活躍が期待される若手十人』 こうやって取り上げられたこともあります。大学卒業後は独立…

アカネ奮戦記:天女伝説

二回目のマルチーズの刑の後だけど、一回目の経験のあるアカネさえ驚いた。首座の女神がやると、ここまで出来るんだと腰抜かした。ツバサ先生の一回目が人基準の美人なら、ユッキーさんがやると、まさに 『天女』 自分の体と顔なのに信じられないぐらいの変…

アカネ奮戦記:初詣

『パンパン』 えっと、神社にお参りする時って二泊二日弾丸ツアーだっけ、なんか違う気がするけど、とにかく頭を下げて、 「今年こそ運命の男に出会えますように」 泉茜三十五歳、これは初詣だから今年で三十六歳。職業はフォトグラファー、オフィス加納所属…

次回作の紹介

紹介文は、 一流プロを目指しオフィス加納の門を潜ったタケシ。師匠と仰ぐアカネへの秘めたる恋。この恋を実らすにはオフィス加納でプロになる事と精進を重ねる日々。タケシの恋を応援するツバサ、ユッキー、コトリ。しかしタケシはツバサに与えられた課題に…

五十年のタイムトラベル

ハインライン、アシモフと来たらアーサー・C・クラークになり、クラークとなると2001年宇宙の旅になります。ハインラインの時にも書きましたが、2001年宇宙の旅どころか、続編である2010年宇宙の旅の時代も通過してしまっている自分に苦笑しています。 ちな…

銀河帝国の興亡

アシモフの大作です。この作品にはかなり影響を受けています。骨格であるギボンのローマ帝国衰亡史については、日本人にはイマイチ馴染がないので置いといて、アシモフの話の作り方、展開のさせ方です。 これは私がそう受け取っていると予めお断りしておきま…

夏への扉

この作品は世界三大SF作家の一人とされるロバート・A・ハインラインの名作です。日本でハインラインと言えば夏への扉が代表作としてすぐ思い浮かぶほどですが、wikipediaより、 『夏への扉』は特に日本において人気の高い作品であり、SFファンのオールタイム…

とらえられたスクールバス

日本のSF作家の草分けは押川春浪や海野十三ですが、さすがに読んだことが・・・一冊ぐらいあるかもしれないぐらいです。やはり戦後に現れたSF第一世代と呼ばれる、星新一、小松左京、筒井康隆以降になります。この世代の作家には他に、半村良、光瀬龍、平井和正…

百億の昼と千億の夜

かつてSFジュブナイル(これも昭和の死語になっているようですが・・・)にはまった時期がありまして、その時の勢いで読んだのが「百億の昼と千億の夜」です。たしか中学ぐらいだったはずですが、読んだ感想は、 なんじゃこりゃ! SFジュブナイルの期待を大きく…

続カメラのお話

カメラを買って楽しんでいます。カメラは子どもの時から親のカメラも含めて使ってますが、当時で言うバカチョン・カメラばかりで、カメラの勉強などロクロクやったことがありません。白状しておくと絞りとシャッター速度の関係の理解も怪しかったぐらいです…

マスターピースの夢

小説を書いている者の野望として、いつか世間をあっと言わせる傑作を書いてやろうがあります。もちろん、傑作が売れることによって夢の印税生活を期待しているのがセットですけど、 でもまあ、世の中そんなに甘くはありません。文章を書くのにもトレーニング…

やりたい事がやれる期間

春秋のハイキングも私の趣味ですが、いくつもあるコースの中で一、二を争うほどシビアなのが、魚屋道。六甲山横断コースで、阪神の深江駅から、六甲山最高峰を経て、神鉄有馬温泉駅に到るルートです。 もちろん、この程度は軽いハイキングにしか感じられない…

恩師の訃報

別に知人の訃報サイトではないのですが、シノブの恋の連載やっている間に新たな訃報が飛び込んで来ました。中三の時の恩師のものです。五月にクラス会を開いときにも、かなり衰えてる感じがありましたので、次回は翌年に開こうかと話していた矢先でした。 中…

シノブの恋:あとがき

今回の主人公は久しぶりにシノブ。いっつも留守番役させてたので、そろそろ出してやらないと忘れられそうですし。 この作品の当初構想は処女作のリベンジ。処女作は一番苦労した作品ですが、処女作だけあって不備がテンコモリで、シリーズからはあえて外して…

シノブの恋:ホワイト・レディの魔力

いまだに残念な気持ちは残ってるけど、今回のシノブの恋は失恋で終わっちゃった。逆転の可能性は最後まであると期待してたけど、高慢なお姫様と思い込んでいた愛梨が、あんな純情なツンデレ女とは参った、参った。コトリ先輩がユッキー社長のツンデレ愛と競…

シノブの恋:新婚の愛梨

愛梨と伊集院さんは結婚式を挙げたよ。シノブも呼ばれたけど、愛梨は綺麗だったな。それにホントに嬉しそうだった。新婚旅行から帰って来て、しばらくしてから愛梨に会ったんだ。せいぜい冷やかしてやるつもり。 愛梨で気になってたのは、本当に恋人すら作っ…

シノブの恋:馬の女神の神髄

「メンドイやんか」 「だから競技じゃなく模範演技だけ」 「馬はどうするんや。甲陵にはクラブのレンタル馬なんておらへんやん」 「メイウインドを使います」 予想通りコトリ先輩は渋る渋る。愛梨の希望は会長杯と同じコースを走って欲しいだもんね。 「あん…