麻吹アングルへの挑戦:聖ルチア教会

黒木の実家は結構な資産家。学生の時からクルマをもってたぐらいだからな。こっちは未だにリサイクル・ショップで買ってきた自転車だけど。その点でも及ばなかったけど、今日は黒木と林さんの結婚式。もちろん涼も招待されています。「立派な教会ね」 「神戸…

麻吹アングルへの挑戦:科技研

大学の研究員なんて薄給も良いところです。どこの世界でも同じで地位と給与は連動します。悲しいのは地位が上がっても人もうらやむ給料にならないのと、下っ端はこれで暮らしているのが不思議ぐらいでしょうか。 だから海外雄飛を狙っている研究員も多いので…

麻吹アングルへの挑戦:女神たちの夜話

天羽涼か。あれもある種の天才、いや鬼才だろう。あそこまで写真のすべてに迫った奴は初めてかもしれん。一緒にいたのは彼氏だろう。仕事に恋に充実していると侮れんな。「イイ子じゃない」 「ああ、ああいうタイプは嫌いでない」 嫌いなのはアホみたいなナ…

麻吹アングルへの挑戦:涼の執念

予言通り天羽君は元に戻っていました。あれだけ良く変われるものだと感心するぐらいです。やはり狸の仕業か、二重人格とか。相も変わらず調子がイマイチの黒木の特撮機で麻吹アングル探しです。 天羽君が言うまでもなく、光の変化による変数問題も、麻吹アン…

麻吹アングルへの挑戦:バーにて

どこに飲みに行こうか迷いましたが、天羽君はボクをぐいぐい引っ張って、裏通りにあるビルの二階に。重厚そうな木製の扉を開くと、『カランカラン』 ドアベル代わりにカウベルが鳴るようです。入ってみると長いカウンターとずらっと並ぶ酒瓶。噂に聞くバー、…

麻吹アングルへの挑戦:幻の写真小町

映画は高校写真部を舞台にした青春映画のようです。ちょっと興味を持ったのは映画評論家だけでなく写真評論家も絶賛している点です。青田教授も作中の写真に注目したらしいようです。 あれだけ勧められたのですから見て損はないと思います。映画一本見るだけ…

麻吹アングルへの挑戦:青田教授

理工学部がある狸ヶ原キャンパスから本部までは電車を使って三十分ほど。「天羽君、本部は久しぶりだね」 狸ヶ原キャンパスは良く言えば現代風で、悪く言えば味も素っ気も無い感じですが、本部はネオ・ルネッサンス様式を取り入れた重厚なものです。これは第…

麻吹アングルへの挑戦:狸ヶ原伝説

理系人間にも歴史好き、伝説好き、怪奇現象好きはかなりいます。怪奇現象と思われるものから新しい研究のヒントをつかむという、もっともらしい理由もありますが、普段が理詰めに物を考えますから、そうでないものに魅かれるのかもしれません。 理工学部にも…

麻吹アングルへの挑戦:浦崎史郎

AI研の大山教授から寄附講座の話を聞いた時に呼ばれたのが、当時講師であった浦崎史郎です。話を聞いた浦崎は頭の中で素早く可能性を検討しています。カメラもデジタル、写真もデジタル、これをAIに出来ないはずがありません。むしろ今まで手を付けてい…

麻吹アングルへの挑戦:研究の壁

天羽君と相変わらず光を変えながら麻吹アングルを捜索中です。パラパラと見つかりはするのですが、そこで足踏み状態。天羽君は紫外可視分光光度計まで持ち込んでデータを探っています。 それでも進展はあって、天羽君は一つずつ条件を変えながらの光による天…

麻吹アングルへの挑戦:オフィス加納のお昼休み

今日はスタジオ撮影だ。昼休みはロケ弁をやめて、マドカと最近評判の淡路島バーガーの店からテイク・アウトで食べることにした。マドカも食べたがっていたし、「なかなかだな」 「ええ、これは結構なものでございます」 しかしまあ、いつも事だが、ハンバー…

麻吹アングルへの挑戦:麻吹アングルを求めて

浦崎教授の写真の素人の科学者が写真のすべてを暴く計画は発想として悪くなかったと思います。下手に知識があると先入観となって、あれほどドライに研究を進められなかったはずです。 一方であまりに写真界について無知過ぎた面があります。言ったら悪いです…

麻吹アングルへの挑戦:反響

まずはフォトワールド誌の取材です。記者にデモを見せると、「こ、この写真はまさしく」 審査AIもその機能に舌を巻いています。それから理論的な事などの取材もあり出来上がった記事は、『写真もAIの時代が来た』 この反響は凄かった。マスコミからの取…

麻吹アングルへの挑戦:実証実験

チームSの特撮機が稼働する日が来ました。「プログラムの変更もOKです」 天羽関数はさらに研究が進み、当初の頃にあれだけもめた撮影距離の問題も解決してしまったのです。特撮機は予め一メートル四方の可動範囲を取っていますから、その範囲でのあらゆる…

麻吹アングルへの挑戦:特殊撮影機

チームSの黒木が作った特殊撮影機の原理は少しづつカメラを動かして被写体のすべてのアングルを撮ろうとするものです。これも設計段階では機能をあれこれ盛り込み過ぎたようで浦崎教授がひっくり返っていました。「黒木、ここの予算がいくらかわかっとるの…

麻吹アングルへの挑戦:天羽関数

三大メソドのマニュアルの研究をしながら気が付いたことがあります。マニュアルは写真上達のためのテクニックとか、構図の考え方を上達段階に応じて教えているのですが天羽君は、「一つ一つのパートは単純作業だ」 それだけでなく被写体は様々とは言え、「テ…

麻吹アングルへの挑戦:AIの脅威

「マドカ、あれ読んだか」 「はい、読ませて頂きました」 AIは、はっきり言うと脅威だ。とにかく決められた事は絶対にミスをしないからな。将棋や囲碁がAIの軍門に下ったのは加納志織時代だが、ついに写真に手をかけて来たか、「絵画より手を付けやすい…

麻吹アングルへの挑戦:感性の数値化

検討会議ではチームSの黒木が、ここのところせっついているのは、「そろそろ特殊撮影機の製作に入るべきです」 これは撮影目的がはっきりすれば設計しやすいところがあり、やや待ちぼうけ状態になっているところがあります。ここも当初の予定が撮影しながら…

麻吹アングルへの挑戦:研究開始

翌日から研究開始ですが、まずは二つのチームに分かれて研究を進めることになりました。一つはすべてのアングルから被写体を撮影する特殊撮影機の開発。もう一つは写真の評価システムの開発です。「とりあえず審査AIと呼ぶ担当は・・・」 浦崎班の編成は、特…

麻吹アングルへの挑戦:AI研

ここは西宮学院大学理工学部データサイエンス学科人工知能研究室。長ったらしいから通称AI研と呼ばれています。理工学部も昔は本部にあったそうですが、手狭になったので移転しています。同じ西宮市内なのですが、『狸ヶ原キャンパス』 こう呼ばれています…

次回作の紹介

紹介文としては、 港都大AI研は写真のすべてをAIで解き明かすプロジェクトを寄附講座で開始します。リーダーに任じられた浦崎特任教授は、写真と言ってもデジタル技術の産物であると見ました。 撮影のための条件は数あれど、これがいかに多くとも有限の組み…

昭和の待ち合わせ

趣味のハイキングは今秋もやっていますが、山行きには旧友と一緒です。電車利用で待ち合わせをして登るのですが、私の不手際で電車の時刻を大間違いして伝えてしまったのです。 これは待ち合わせの場所に旧友が現れない時点で気が付いたのですが、それこそ真…

アメリカ大統領選挙制度

おもろいシステムだと思いました。まずは大統領選挙人制度。大統領選挙人は合衆国憲法が制定された時に始まっています。当時の事で通信や交通はプアで、識字率も低かったので、各州ごとに大統領候補を支持する知識人や名士を選挙で選んでいたそうです。 そう…

ネットが怖くなってきた

ネットの進化はリアルタイムで見ていますが目覚ましいものがあります。かつてリアル社会とネットのバーチャル社会は、まったくの別物であるなんて主張が滔々と論じられていた時代を知っている者として隔世の感があります。 ネット社会とリアル社会なんて言い…

コロナへのボヤキ

これでも本職の医者ですが、コロナについてはお手上げです。本業的には症状じゃ見分けはつかず、検査をするにも1人ずつ使い捨てのフル装備が必要です。そんな負担を町医者が用意できるはずもなくロシアン・ルーレットのような毎日を続けています。 そりゃ、…

アドバイスのありがたさ

ずっと趣味で小説書いていますが、公表するまで誰のアドバイスも今まで、もらった事はありません。この辺は、もらうにも長すぎるのがあります。短編ぐらいなら我慢して読んでくれても、長編となると辛すぎるのがあります。 小説の出来不出来は書いていてもあ…

藤川球児引退

藤川は1998年に阪神にドラフト1位で入団しています。この年のドラフトの目玉は松坂大輔。他にも上原浩治、福留孝介、岩瀬仁紀、小林雅英・・・豊作であったことがわかります。阪神であれば藤川の他に3位に福原忍がいます。 それでもって最初の5年間で74試合に登…

タイガースをふり返る

タイトルは大層ですが雑談です。 正直なところ巨人は強かった。それは認めざるを得ませんが、よくよく見てみるとビックリするほどの差も無い気もしています。このエントリーを書いているのは10/30ですが、 球団名 勝 負 分 直接対決 その他 巨人 63 41 6 15-…

ツバル戦記:あとがき

久しぶりにユッキーとコトリを軸にした作品にしてみました。シリーズの中でユッキーとコトリは成長しすぎて、どうにも扱いにくいジョーカーになってしまっています。これは遺憾とするところですが、なってしまったものは仕方がないので、開き直ってジョーカ…

ツバル戦記:急転直下で一件落着

有志連合艦隊のエスコート作戦は派手に行われています。現場の映像は世界中に中継され、強襲揚陸用潜水艦がシュノーケルによる充電に入ると夜でもサーチライトで煌々と照らし出します。 それだけなく強襲揚陸用潜水艦の位置もリアルタイムでプロットされ、ス…