女神伝説第4部

「天使のコトリ」の続編。第4部では永遠の記憶を保つ女神の宿主代わりがメイン・テーマです。奇怪な行動を取るコトリと、コトリのことを慕ってやまない人が織りなす人間ドラマになってると思ってます。

女神伝説第4部:あとがき

今回のテーマは女神の宿主代わり。コトリが人としての寿命を悟り、新たな宿主に移るお話です。これをどういう味付けにするかみたいな内容です。とりあえず小島知江の死をドラマチックかつミステリアスにするから入っています。ここは書きやすかったのですが…

女神伝説第4部:エレギオン

エレギオンは遠かった。飛行機を乗り継ぎ、乗り継ぎ、汽車とバスと、さらに支援拠点を置いているズオン村に到着した頃には日本を出て四十時間はラクに経っていました。そりゃもうヘロヘロでした。でもまだエレギオンではないのです。翌日は疲れも取れない体…

女神伝説第4部:追憶のコトリ

毎度の事やけど宿主代わりの時は情緒不安定になるのよね。今回に限って言えばクソエロ魔王が出てきたくれたお蔭でだいぶ気がまぎれたけど、まだアカンな。四百年ぶりは結構キツイわ。やっぱり記憶の封印はそのままにしといたら良かった。それだったら今頃コ…

女神伝説第4部:アラッタの残照

今日は土曜日。ユッキーさんが遊びに来てくれました。魔王の襲撃に備えてボディ・ガードとして住んでもらっていたのですが、子どもたちが懐いちゃって大変です。ミサキはどうしても首座の女神として気後れしてしまう部分があるのですが、子どもは関係なく優…

女神伝説第4部:エレギオン研究センター

ボクは港都大大学院考古学部エレギオン学科修士二年の柴川裕太です。このエレギオン学科ですが、もちろんエレギオンの歴史を研究する学科なのですが、 『エレギオン学そのものが謎である』 ここまで呼ばれます。これはエレギオン学を学べば学ぶほどボクもそ…

女神伝説第4部:クール・ド・キュヴェ

さて魔王が滅びる二年ぐらい前の話に遡ります。ある日の重役会議でコトリ専務が議題を提出されました。コトリ専務が問題視したのはクール・ド・キュヴェ事業です。この事業はクレイエール・ブランドから高級品部分を分離発展させたもので、もともとコトリ専…

女神伝説第4部:魔王の終焉

ランチに行こうとしたらシノブ常務と出くわして一緒になり、社員食堂でさらにコトリ専務とユッキーさんが合流してきました。ここのところ、しばしばあるのですが四女神そろい踏みです。ユッキーさんはずっと秘書をされてまして相変わらず、 『相性悪い』 も…

女神伝説第4部:第三段階

ユッキーさんが言っていた第二段階の魔王への災厄の呪いでの巻き添え大事故のニュースは今のところないようです。でも、気になりだしたら気になるもので、よくある交通事故のニュースでさえ、災厄の呪いに関連した巻き添え事故じゃないかと心を痛めています…

女神伝説第4部:第二段階遂行中

コトリ専務は嬉しそうです。あの上の空状態なんてどこへやらです。それとここのところ魔王の話題が出てきません。ユッキーさんも帰ってしまいました。帰られる時はさすがに心配で、 「襲われたら、ミサキでは抵抗し切れません」 「そうよねぇ、ミサキちゃん…

女神伝説第4部:第二段階

「コトリ専務、聞いてもいいですか」 「イイよ」 「魔王の組織がなくなったらどこが有利になるのですか」 「そりゃ、自分で手に汗して働かなアカンようになる。クソエロ魔王にとっては辛いんちゃうかな」 ずっこけそうになりましたが、魔王がコンビニとかで…

女神伝説第4部:女神の戦術

二日後に専務室に集まって作戦会議。シノブ常務が、 「・・・マスコミ記事がすべてを網羅していませんので、そこはご了解頂きたいのですが、五年前に福岡で連続怪死事件が起こっています。この事件の真相はマスコミにも伏せられていますが、犠牲者の一人が福岡…

女神伝説第4部:ユッキーの話

コトリ専務とシノブ常務が帰られ、ユッキーさんが残られました。今までも何度かお会いしたことはありますが、二人で話をするのは初めての気がします。 「ミサキちゃんって呼んでイイかなぁ」 「もちろんです」 「わたしもユッキーって呼んでくれる」 「そ、…

女神伝説第4部:魔王再び

ミサキは絶望にもだえながら北野坂を登り、さらに山手幹線の交差点を渡り、そこから、にしむら珈琲の方に進んでいきます。ここらあたりから路地に入って行けばホテルがあったはずです。ミサキの格好は魔王の腕にしがみつくようになっており、誰がどう見ても…

女神伝説第4部:ミサキ襲われる

今日は花金。秘書グループとの親睦会です。総務では全体の親睦会も行いますが、担当グループごとの親睦会も行われます。ミサキもそのすべてに顔を出していたらキリがなくなるので、全部出ている訳じゃありませんが、メグちゃんの様子が気になったので出席さ…

女神伝説第4部:秘書

秘書という仕事はベールに囲まれているイメージがありますが、実態は会社により、さらに仕える上司によりかなり差があるようです。コトリ専務時代からクレイエールで一貫した方針として、付いた上司の仕事の効率化・最適化を主要業務として育成しています。…

女神伝説第4部:コトリの懊悩

『カランカラン』 天城教授、相本准教授と別れた後にコトリ専務のお気に入りのバーに連れて行かれました。料亭の時から気になっていたのですが、どうにもコトリ専務が寂しそうというか、虚しそうな雰囲気があります。バーに入ってからも、ひたすら静かにグラ…

女神伝説第4部:天城教授の訪問

エレギオン・ブームは一時の熱狂は醒めましたが、消え去ったのではなく一定の規模で定着した印象があります。もっともこれは世間での人気であって、考古学会ではホットな話題としてもてはやされています。港都大でも寄付講座だったエレギオン学が大学院の学…

女神伝説第4部:続春の閑話

ユッキーさんとコトリ専務が織る布が歳入のすべてみたいな状況はかなり続いたようですが、やがて転機が訪れます。 「あるときゴッツイ嵐が来たんよ。まあ、主女神がヒス起してたんも原因やけど、とにかく大雨が降って神殿の丘が崖崩れ起こしたんよ。そこに出…

女神伝説第4部:春の閑話

ミサキも今年で三十八歳になります。娘のサラも十歳になり今は私立中学受験を目指しています。どうも学校のお友達に刺激されたみたいで、そのうちあきらめるかと思ったのですが、思いのほかに頑張ってくれています。そんな娘に刺激されたのか息子のケイも受…

女神伝説第4部:立花小鳥

「カランカラン」 コトリ専務がお気に入りだったバーです。立花小鳥として初めて訪れたのですがマスターは、 「これは、これは、お久しぶりです。前に来られた時は顔色も悪くて心配しておりましたが、すっかり元気になられて安心しました」 「やだ、マスター…

女神伝説第4部:コトリ復活

大司教歓迎式典の後に常務室で起った騒ぎの噂は、瞬く間にその日のうちに社内を走りました。それこそ寄ると触るとそればっかり。ジュエリー事業部に行っても、総務部に顔を出しても聞かれるのは、 「小島専務が帰って来られたんですね」 全然仕事になりませ…

女神伝説第4部:大司教の表敬訪問

大司教がユダであるかないかの確認は、ミサキとシノブ常務にはどうしようもない問題です。さらにシノブ常務は最後は及ばずながらでも戦うと仰ってましたが、過去はともかく神との実戦経験は皆無です。もう俎板の上の鯉状態です。 大司教を乗せたタクシーが玄…

女神伝説第4部:難題が次々と

新入社員を連れて上司が飲みにいくこと自体はさほど不自然な行為ではありません。いわゆる飲ミュニケーションですが、人間関係の円滑化のためにポピュラーな手法です。最近では、上司と飲む酒は気づまりと避けられる傾向も出てるみたいですし、酒席でのセク…

女神伝説第4部:休日

シノブ常務ところとは家族ぐるみでお付き合いさせて頂いています。ですから子ども同士もとっても仲良しですし、お互いの家で遊ぶのを楽しみにしています。お互いの家に招きあっているのですが、ここのところはミサキの家が多くなっています。これは家が庭付…

女神伝説第4部:ジュエリー事業部にて

ジュエリー事業部に配属された立花さんですが、さすがにいきなりマルコの工房の担当にさせる訳にはいかないので、まずはジュエリー事業部の仕事の基本部分を教えて行きます。ミサキはジュエリー事業部だけではなく総務部も兼任してますから、直接指導がなか…

女神伝説第4部:入社面接

クレイエールの入社試験は一次試験と二次試験があります。一次試験は一般教養試験と小論文です。一般教養試験で見るのはズバリ基礎学力。これは有名大学卒業生で内申がソコソコでも『ちょっとこれは』レベルの者がおり、これを足切するためのものです。小論…

女神伝説第4部:コトリを待つ日々

コトリ専務がクレイエールに入ってくれるなら、やはり新入社員として入られる可能性が高いと考えています。誰か若手社員に乗り移られる可能性もありますが、今のところそれらしき人物はいません。ですからミサキの十三年目の新卒採用試験は注目されました。 …

女神伝説第4部:高野副社長との密談

クレイエールにポッカリと大きな穴が空いています。これは大きすぎてすぐには埋めようがないものです。とはいうものの会社は動いて行かないといけません。コトリ専務が担当されていたクール・ド・キュヴェ事業は高野副社長の担当になりました。空席となった…

女神伝説第4部:コトリの死

あれからコトリ専務に連絡を取ろうと何度も試みましたが無駄でした。マンションも訪ねてみましたが応答はありません。近所の人に聞いてみたのですが、人の気配がここのところずっと無いとの事でした。せめてもの期待を込めてスマホにかけてみたら、呼び出し…

女神伝説第4部:コトリ退職

病院に搬送されたコトリ専務は入院となりましたが、面会に訪れても、 『面会謝絶』 御家族との面会すら出来ない状況です。ひたすら心が暗くなるミサキでしたが、三日目にコトリ専務は病室から忽然と消えうせました。看護師さんに聞いてみると、医師の制止を…