ツーリング日和26
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千草とコータローは幼馴染が同窓会で再会して結婚してしまった新婚夫婦。そんな二人がツーリング先で出会ったカグヤ。
自分がブサイクであり、コータローと釣り合っていない自覚の強い千草はひたすら動揺します。
カグヤとは何者、カグヤとコータローの関係に何がある、そして自分はどうなるかの不安がテンコモリのマスツーが始まってしまいます
千草とコータローの三部目にしてしまいした。この辺は新しい登場人物を捻くり出すのに手詰まり出たのは確実にあります。それと千草にはモデルがいるのですが、書けば書くほど興が乗ってしまったのはあります。 小説のスタイルとして、大きな出来事を放り込ん…
「神戸トラベルのCMや」 時期的にそうなるか。あの頃はカグヤをメインキャラクターに据えてやってたけど、コータローもあそこのイラストをずっと描いてたものね。「あの頃のカグヤやけど、だいぶ弱っとってん」 そう言えば神戸トラベルのCMの後のカグヤ…
カニに熱中し過ぎてカグヤの事を聞けなかったけど、まだ聞き出すチャンスはある。だってここは浜坂の七釜温泉。ここから折り返して帰るのはもったいないじゃない。ここまで来たら次に目指すは因幡の白兎だ。そしたらカグヤが、「昨日は楽しかったです。また…
ツーリングの途中から頭の中はカニが半分以上を占めてたぐらい。そしてついに待望のカニが出た。「ようまあ、こんだけ・・・」 どれだけ頼みこんだのだと思ってるんだ。究極のカニ尽くしコースだ。さあ食うぞ。「千草にカニやな」 なんだそれ。千草に本当に惚れ…
お風呂を上がって部屋に戻ったのだけど、お風呂でのカグヤとの会話を思い出してた。コータローはカグヤが趣味でないとして、恋人関係ではなかったとはしてた。そんなもの信じるわけがないだろうが。 カグヤは悔しいぐらいの美人だ。男ならゲイ以外は飛びつく…
たぶんだけど新温泉市街とやらのかなり手前のところで曲がったはずなんだ。それも左と言うか南に曲がったはずだから山の方に向かっているはずと言うか、どう見てもそうだ。民家が途切れて山陰道を潜って、おいおい、どこ行く気だ。 これって山の中の一軒家の…
さてここが竹野か、そう言えば竹野には有名な料理旅館があったはず。「竹涛やろ。砂浜にポツンとあったはずやけど廃業になったらしいで」 あんなところに建ってたから傷みやすいと思うけど、建て替えなかったのか。儲かってたはずだけど、そうでもなかったの…
この道だけど、「昔は犬道って呼ばれるぐらい険しい道やったらしい」 県道の酷いのを険道って言うけど、ここはそれさえ越えそうな犬道だったとはね。つうかさ、たとえ犬道でもよくこんなところに道があったものだ。「その頃は道幅が1メートルぐらいで、断崖…
ほぅ、ここが城崎温泉か。ここも魅力的だけど今日はパスだ。但馬も広いんだよ。あれこれ見たいところ、訪ねたいところ、泊まりたいところはあるけど、一度で回り切れるものか。「そりゃ、そうや。一遍に回ってもたらつまらんやん」 まあそうだ。今回だって出…
カグヤの生理現象の解消時間は長かったな。あれはウンコか化粧直し、いやその合わせ技だろう。カブの駅からのマスツーだけど、コータロー、千草、カグヤの順で出発だ。コータローは、「カグヤ、念押しとくけど、これはトコトコ派のツーリングや。抜きやがっ…
カグヤが生理現象の解消に行ったからじゃないけど、但馬国府への回り道問題の話になった。律令時代には丹後回りしか官道がなかったのはわかったけど、どうして和田山から北上しなかったんだよ。「わかるか! せめて但馬風土記が残っとったらヒントが見つかっ…
「カグヤはこれからどこ行くつもりや」 「風の向くまま、気の向くままです」 「エエ身分やな」 風の向くまま、気の向くままのツーリングはバイク乗りの理想だし夢ではある。だけど実際にしたことあるのはどれぐらいいるのかな。ツーリングで常に計算してるの…
コータローとカグヤはどこをどう見たって親しい関係だ。さらにカグヤは美人だ。それも女から見ても飛び切りクラスだ。コータローだってイケメンだから、まさに美男美女カップルしか考えようがないじゃないの。 コータローにそんな恋人がいたこと自体は妬くけ…
なんとか無事に遠坂峠を下りてきて、豊岡道の高架を潜ったぐらいで、「右見てみい」 出光のタンクみたいなのが三つ並んでるけど、「後ろが森になっとるけど、あの辺に粟賀駅はあったとなっとるわ」 峠を挟んで佐治駅がある関係みたいだな。どっちの駅も遠坂…
遠坂峠だけどモンキーでも登れるはず。こっちは六甲山トンネルだって、戸倉峠だって、坂の辻峠だって越えてるんからな。「坂の辻峠はマイナー過ぎて誰もわからんて」 そういうけどあれも越えるのは大変だったんだから。「頭文字Dの世界やったもんな」 それ…
バイク乗りの挨拶してYAEHがある。なにをやってるかと言えば、すれ違ったバイクに左手を挙げて、『YAEH』 こう叫ぶのだけど、ヘルメットの中で叫んだって聞こえないから実際は手を挙げるだけ。「グンとヒデヨシがウサギとカメやった時のカメみたいな…
豊岡道の氷上ICを越えて目指すは遠坂峠だ。氷上の市街地を抜けたらバイク乗りが大好きな快走ルートになってきたぞ。今走ってるのは丹波の森街道で、県道七号なんだけど、並行して国道四八三号が走ってる。 それが豊岡道なんだけど、舞鶴道の春日ICから但…
鐘ヶ坂峠は篠山から柏原に向かう昔からのメインルートだ。名前に鐘が入っているのがオシャレな感じがするけど、「昔にこの辺に鬼が暴れとったそうで、その鬼が嫌う音がする梵鐘を置いて鳴らしとったそうや」 鐘ヶ坂峠には鬼の架け橋と呼ばれるところもあって…
いつものように脱線話を楽しんだのだけど、丹波三街道は丹波を走る時には便利だから使ってやろう。現実にも丹波の幹線道路みたいな道だものね。「千草がそうしたいならそうするわ」 古代山陰道はデカンショ街道を西に進んで丹波の森街道にぶち当たって北上す…
コメダの前から国道一七六号に乗る。国道一七六号も時間帯によっては混むけど、さすがにこの時間帯なら空いてるぞ。北に北に走って行く。三田市街を抜ける頃にはちょっとした快走路気分だ。でさぁ、でさぁ、この道には丹波の森街道の表示が出て来るけど、あ…
今日は梅雨の頃から計画してた、待ちに待った但馬へのツーリングだ。おいおい、六甲山トンネルを越えるって言うの。コータローがそうしたいと言うのなら従うしかないけど、何回越えてもシンドイ道だ。徳井の交差点を曲がって行くのだけど、ここからひたすら…
やっと秋を感じ始めていたんだけど、「裸エプロンじゃ拙いやろ」 あのね、どこの世界に結婚式に裸エプロンで出席する人間がいるもんか。それとだぞ、こんなもの他人に聞かれたら、千草が家で裸エプロンしてると誤解されてしまうじゃないか。あんなもの誰がや…
月光園は鴻臚館ともなってるけど、さすが有馬のデラックス旅館って感じ。温泉に入ったら夕食だ。なんか洋室に泊まったらお食事処みたいなんだけど、和室だから部屋食だ。「カンパ~イ」 ツーリングで走り回った後の温泉旅館も良いけど、こんなのも良いよね。…
神鉄って婆さんとかはシンユー電車って言ったりするけど、あれはどうしてなの?「それか。始まりが神戸有馬電気鉄道やったからそうや」 へぇ、始まりは神戸から有馬を結ぶ観光鉄道みたいなものだったのか。そう言えば三田線って乗ったことあるの。「あらへん…
但馬へのツーリングをあれこれ考えたのはツーリングシーズンも終わりに近づいていたのもあったんだ。ツーリングの天敵は天気だ。具体的には雨が一番だけど、気温も手強過ぎる。冬の寒さも凍死しそうになるけど、「夏はオーブンで照り焼きにされ熱中症になる…
田中さんの旦那だって良い人に見えたのよ。たぶんぐらいだけどエリート社員だと思うし、見た目だって好みはあるにしろ優しそうな人だったもの。あのクラスの旦那でも他の男を求めちゃうんだよね。「その点で千草は安心しとる」 ちょっと待て。それはトゲが確…
田中さんところは大騒動になったみたいだ。後から聞いた話だけど、警察は奥さんにまず連絡を取ろうとしたみたいなんだ。その前に家を確認したはずだけど留守だものね。でも連絡が取れないから、旦那さんに連絡を取ったみたい。 旦那さんはコータローの推測通…
仕事から帰り、お風呂と夕食を済ませてコータローとリビングでまったりしてる時だった。突然ドアフォンが鳴ったのよね。こんな時刻に来客の予定はないし、宅急便が来るにも遅すぎる。何事かと思って玄関に行って見ると、そこにいたのは田中さんの奥さんと娘…
田中さんも子育て家庭だから、フロアのママ友グループに入ったみたい。それは良いのだけど、ここの隣人関係ってある意味ドライじゃない。ご近所さんとしては親しくするけど、他人の家には干渉しないのがルールみたいなもの。 ママ友グループだって子育てとい…
千草がコータローと同棲し、結婚してからもそのまま新居にしているマンションだけど、あれはコータローが買ったものじゃないんだよね。「ああ、親父の遺産や」 コータローの親父さんが癌になる何年か前に別荘として買ったとか。これを聞いて、なるほどって千…