アメリカ大統領選挙制度

 おもろいシステムだと思いました。まずは大統領選挙人制度。大統領選挙人は合衆国憲法が制定された時に始まっています。当時の事で通信や交通はプアで、識字率も低かったので、各州ごとに大統領候補を支持する知識人や名士を選挙で選んでいたそうです。

 そうやって選ばれた大統領選挙人が集まって大統領を選出する間接選挙制度が今も残っています。先ほど選挙で大統領選挙人を選ぶとしましたが、各州ごとに選出法は異なり、これが今も投票システムの違いで続いています。

 それと投票権も独特で、これを有するのは18歳以上のアメリカ国籍を有する者(その他モロモロは省略)なのは当然ですが、投票権を得るために選挙人登録をするのが必要だそうです。そうなっているのは日本のように住民基本台帳が存在しないためだとか。

 選挙人登録ですが引っ越し時にとかすれば良いようですが、アメリカ的と思ったのは選挙人登録をしていなくとも、投票時に登録も可能だそうです。この辺も過去にゴタゴタは色々あったようです。

 大統領候補と言えば共和、民主の二大政党から出馬してくるのですか、それ以外の立候補希望者はどうなるかです。泡沫候補の締め出しの意味もあるのでしょうが、多くの州で一定の署名を集める必要があるそうです。署名がそろわないとその州での立候補は出来ないそうです。日本の参議院の旧全国区とはだいぶ違います。

 投票システムも、集計の手間を省くために、日本のように紙に名前を書くのはないそうです。その代わりか様々な投票方式があるようで、レバー方式ってのもあるそうです。投票する相手のレバーを引くぐらいです。パンチカード式もあるのですが、タッチパネル方式もあるそうです。

 今回話題になった郵便投票ですが、これは最近になって普及したそうです。不在者投票対策の一環だそうで、もともとは選挙当日に投票所に行くのが困難な人に出来た制度です。投票用紙を家庭に郵送し、これを郵送で送る制度です。

 これも初期は限定されていたそうですが、適用範囲が拡大され、結果として膨大な数の期日前投票が産まれているぐらいで良さそうです。

 選挙と言うのは僅差の接戦になるほど揉めるのは万国共通で良いかと思います。日本でも一票差の落選とかあれば、最後の一票まで有効性が法廷闘争になったりしたケースがあったと記憶しています。

 今回も揉めそうな兆候がありますが、揉めに揉めたらどうなるかです。これも決まっているそうで、1月に新大統領就任式があるそうですが、そこでも新大統領が決まっていない場合は、なんと下院で大統領を選ぶそうです。

 そんなところまでもつれこんだ前例なんてあるのかと思ったのですが、wikipediaより1800年の大統領選挙を抜粋していきます。

各州が選挙日を選択できたので、投票は4月から10月まで続いた。4月、バーがニューヨーク州議会で連邦党の多数をひっくり返し、民主共和党の多数を得ることに成功した。選挙人団投票では連邦党と民主共和党が65対65の同数となり、最後の州サウスカロライナ州が8人の民主共和党票を選んで、ジェファーソンとバーを選出することになった。

 ここも当時の選挙の様子がわからないのですが、当時の大統領選挙人は2票持っています。それと当時の選挙制度は1位が大統領、次点が副大統領です。

 そのために大統領選挙人は1票を大統領候補に、もう一票を副大統領候補に投じるようです。この投票の前提は当時でも民主共和党の大統領候補はジェファーソンであり、副大統領候補はバーだからです。

 大統領候補と副大統領候補の票数は近いほどよくと言うか、1票差に調整するはずはずだったのですが、なにかの手違いでジェファーソンとバーが同点になってしまい、

    ジェファーソンとバーを選出することになった
 二人の大統領候補の決着は下院にもつれこむのですが、この年の大統領選挙が迷走したのは下院が連邦党多数であり、政敵ジェファーソンの大統領就任に反対したからです。そのために、

2月11日から2月17日まで下院では35回の投票が延々と繰り返され、毎回、ジェファーソンの獲得州は8と絶対多数に1つ足りないままであった。

 今回はそこまでいかないと思っていますが、どうなることやら。