参議院選挙感想

他の話題を書いてもしょうがないので選挙の話題でお茶を濁します。

自民が勝つのは当然として、どれぐらい勝つかが一つの焦点だったと思っています。衆議院参議院は選挙システムが違いますから、そういう点でどういう差が生じるかです。昨年末の総選挙では自民は8割ぐらいの議席を獲得して圧勝していますが、その勢いを保ったまま臨んだ参議院選挙はどうなるのだろうです。結果は御存知の通り改選121議席中65議席です。議席獲得率は53.7%になります。

改選議席過半数を取ったのですから立派な勝利ですが、これぐらい自民が勝つ条件が集まってなんとか過半数と見れない事もありません。与党として参議院過半数を維持するには公明の協力が必要な状態を解消するに至りませんでした。これも見様ですが自民の目一杯の成績でこれぐらいの見方も出来そうな気がします。まずありえないとは思いますが、3年後の参議院選挙で同じ結果を残しても自民単独ではこの程度とも見れる気がします。


自民が伸びきれないのは比例区が原因なのは周知の事ですが、比例区は48議席で自民は18議席獲得しています。これが健闘かそうでないかですが、昨年末の総選挙比例区の投票数でドント式の獲得議席を手計算で試算した事があります。手計算なので誤りもあるかもしれませんが、その時の試算と今回の結果を較べてみます。

政党 総選挙からの試算 今回の参議院選
自民 14 18
民主 8 7
維新 10 6
公明 6 7
みんな 4 7
共産 3 5
生活 2 0
社民 1 1


もちろん単純比較は出来ませんが、自民は総選挙時より獲得投票率を伸ばし議席も伸ばしていると見えなくもありません。民主も総選挙時の悪さのままで踏み止まっていると見る事も可能そうです。一方で維新は失速しているの評価は可能に見えます。この辺も選挙通の分析があると思いますが、至極単純には、あまりの無風さに「盛り上がれば」投票する無党派層が棄権してしまったぐらいがありそうな気がします。無党派層のアクテビティの低下は組織型選挙に有利になり、風頼み新興政党に不利に働いたぐらいでしょうか。


後は東京の無所属当選と自民の比例区投票のお二人です。当選したのは選挙の結果ですから受け入れないといけないのでしょうが、懸念の声は選挙中からありました。公選法違反問題が投票後に出るんじゃないかの観測もありますが、それはとりあえず置いておいて、議員としての影響力を考えてみます。

影響力と言う意味では東京の無所属当選者はあんまり懸念していません。いかに参議院議員であっても無所属の1人ではなんにも出来ません。議会は数こそ力であり、何をするにも数で決まります。また数も与党と野党では影響力が桁違いです。どっかの政党にでも入るのかなぁ? 現状で議員なら誰でも欲しい一番手は民主ですが・・・入らんでしょう。自民にも入ると思えませんし。

問題は自民の比例投票者です。新人とは言え政権与党の議員ですし、なおかつ安倍首相に個人的に近い関係にあるのも有名です。だから自民の公認候補にもなれたと思っています。結構それなりのポストと影響力を持ちそうな気はします。議員自身もカネもってますし、あの労務管理は財界サイドにとっては「そうありたい」の支持勢力も大きそうな気がするからです。これも当選したからには仕方がないところでしょう。


これで順当に行けば3年間は国政選挙はありません。さらに言えば3年後は衆参同日選挙の公算も高そうな気がします。もちろんその時までに何があるかわからないのが政治ですが、3年後に夏に参議院選挙、年末なりに総選挙なんて日程をやらない気がするからです。これも仮に安倍政権が続いていたら長期政権の飽きは必ず出ていますから、政権延命のために衆参同日は常に選択枝として念頭にありそうな気がします。

そうそうもう一つの焦点である改憲ですが、これはどうでしょう。微妙な政界算数で、自民、公明、みん党、維新が賛成すれば2/3になりますが、公明は基本的に乗り気ではありません。公明が与党離脱すれば参議院過半数を失います。それと、みん党・維新の動向も微妙そうに思います。みん党・維新とも実質的には改憲議論ぐらいしか政策のキャスティング・ボードを握れません。唯一のカードをそうは安易に切らない気がします。切ったら用済みになるからです。

今日はこんなもので失礼します。