昭和の待ち合わせ

 趣味のハイキングは今秋もやっていますが、山行きには旧友と一緒です。電車利用で待ち合わせをして登るのですが、私の不手際で電車の時刻を大間違いして伝えてしまったのです。

 これは待ち合わせの場所に旧友が現れない時点で気が付いたのですが、それこそ真っ青状態。やらかしたと冷や汗が出た次第です。さて、それからどうするかです。とにもかくにも連絡をとらないといけないのですが、今は便利でLINEでさっそくメッセージを送りました。

 ところが待てど暮らせど反応がない。さて困ったです。私がメッセージを送った時点で、予定通りならまだ電車にも乗っていない時刻のはずです。なのに反応が無いのはどう解釈するかです。

 待ち合わせ場所でいつまでも待つのも辛いところだったので、喫茶店に移動。そこでひたすら連絡待ちですが、待てど暮らせど返事がない。そんな時に気が付いたのが既読の確認です。メッセージを読んでいれば既読になっているはずです。そうしたら既読になっています。

 つまり旧友は私のメッセージを読んだことになりますが、返事が無いのはどういう事かの解釈に頭を悩ます事になりました。それこそ、怒って帰ってしまったとかです。


 そんな事をしているうちに昭和の待ち合わせを思い出していました。当時の彼女は時間にルーズなのが欠点でした。だからなかなか約束の時刻に姿を現さなかったのです。当時の事で連絡と言えば電話、それも公衆電話から家電になります。

 かけにくい家電に勇気を振り絞ってかけても誰も出ない。そうなると彼女はこちらに向かってるぐらいの判断になりますが、いくらなんでも1時間は遅すぎるぐらいで頭を悩ませました。その時のオチは、完璧に寝坊して電話すら取らなかったで3時間ぐらい待ってました。

 そんな事が令和の時代に起こらないと思ってましたが、まさにそれに近い状態です。帰るに帰られず、時間だけが経っていくみたいな状態になってしまいました。


 今回はどうなったかですが、旧友もメッセージの電車の指定時刻が遅いのは気になっていたそうです。そりゃ、その時刻に電車が存在しないからです。その時点で確認すれば良かったと謝っていましたが、田舎のことで指定時刻に近い電車、と言っても30分早いのに乗っていました。

 車中ではマナーモードにしてリュックにスマホを入れていたのですが、途中でふと気になって開いたそうです。これで既読になったのですが、そこからトンネル、地下部分が多くてメッセージが届かなかったようです。最後は地下鉄ですからね。

 ようやく連絡がついたのが駅を降りて地上に上がったときです。そこからは令和の威力でなんとか合流できて、出発時刻は大幅に遅れましたが、気合で予定通り目的の摩耶山を登ってきました。旧友のフォローに感謝しかありませんでした。