400億円のモニュメント

 万博にシンボルとかモニュメント的なものが必要なのは理解します。Expo '70なら太陽の塔で良いかと思います。今は覚えている人も減ったかと思いますがENJOY EXPO~万博記念公園エリアの地域情報サイトより、

 太陽の塔の前にお祭り広場があり、そこで数々のアトラクションが開かれていたのをリアルタイムで見た世代です。それとお祭り広場には大屋根があります。この画像からはわかりにくいと思いますが、大屋根は太陽の塔の前にあっただけでなく、太陽の塔が大屋根の中央部に突き出す位置にあります。

 エラそうに書いてますが、わたしの記憶には残ってなくて、大屋根の後ろ半分に何があったかなんて覚えていません。つうかそんなに大きかったのを初めて知ったお恥ずかしさです。Expo'70の目玉は月の石でしたが、モニュメントというかシンボルは太陽の塔とお祭り広場の大屋根だったと個人的に思っています。


 今度の万博では木製リングがそれにあたるようですが、あれこれ論議と言うか批判が出ているようです。木製リングの評価は出来上がったものを見ないとわかりませんが、誰でも気になるのが工事費の、

    400億円
 結構な金額です。400億円と言われても巨額過ぎてピンと来ないのですが、エスコンフィールドが600億円らしいですから、もうちょっと他の案がなかったのかと思ってしまうのは人情だと思います。木製リングはもう変更されないでしょうが、
    それだけあれば・・・
 そんなものを少し考えたいと思います。モニュメントですけど、とりあえず和風のものを考えたいと思います。わたしの趣味みたいなものなのに偏っているのはご容赦ください。まず思いついたのが出雲大社です。

 出雲大社は上古で32丈(96m)、古代で16丈(48m)、今では8丈(24m)の高さだったとされています。上古の32丈はさすがにどうかと思いますが、古代の16丈は実際に存在していた可能性が高くなっています。これは季刊大林の古代・出雲大社本殿の復元にある想像図からですが、

 これなら見に行きたいと思いますし、万博終了後に出雲大社は無理でも引き取り手も現れそうな気がします。ちなみに大林組の試算では、

総工事費は、現代の労働条件で試算して121億8600万円という膨大なものとなる。

 121億円も巨額ですが、これなら予算内で出来てしまいます。だったらと復元が考えられている東大寺七重塔はどうだでです。東大寺七重塔に関しては工事費の概算はまだみたいなので、これまた季刊大林の遠江国分寺の復元から七重塔の工事費部分だけ参考にすると、

    34億9600万円
どんなものかですが、
 出雲大社と合わせてもまだ157億円ほどです。ということはまだ作れることになります。でしたらここはドトーンと秀吉の大坂城天守閣も作ろうじゃないですか。これもまた季刊大林の豊臣期大坂城の復元と積算としてあるのですが天守閣だけなら、
    40億円
 これで約200億円で、この手の工事の常で工事が始まると予算が膨れ上がり2倍になっても400億円のうちに収まる可能性が出てきます。

 でもモニュメントを3つも作る必要はないわけで一つに絞るのなら秀吉の大坂城が良い気がします。大阪の万博ですし、大阪人なら歓迎する人も多い気がするからです。もちろんわたしも見たいです。

 大坂城の天守閣だけなら予算が3倍に膨らんでも120億円です。そうそうだ基礎の石垣費用は入っていませんから、これを10億円としても150億円ぐらいに収まる気がします。どれだけ膨らんでも200億円以内になるのじゃないでしょうか。

 大林組がどんな大坂城天守閣を想定していたかですが、おそらく大坂城屏風のものだと思われるので参考までに、

 こうやって調べてわかったのですが、400億円は途轍もない金額だということです。秀吉の大坂城だって、古代出雲大社だって、東大寺の七重塔だって余裕で再現できてしまう金額だってことです。

 言うまでもないですが、これぐらいの案は検討されたと思ってはいます。ですが却下になったのでしょうね。却下になった理由はわかるはずもありませんが、少なくとも予算不足でないのは確かそうです。やっぱり工期かな。