宇宙をかけた恋:あとがき

 言うまでもなく流星セレナーデの後日談的な作品です。流星セレナーデでは、二回目の宇宙船着陸で終っていますが、今回の作品はその後にエランで何が起り、それが地球と再び関わる話としました。

 宇宙物の難点は、とにかく時間経過が長くなることです。エランと地球の航海時間は片道二年間程度としていますが、このために往復に五年ぐらいかかってしまいます。そう、作中人物の年齢が五つ上がることになります。

 流星セレナーデでは三回も宇宙船を地球に来させたために、一挙に登場人物の高齢化が進んでしまい往生しました。ですから、今回で終結させるために書いています。

 少しでも時間の経過を有効利用するために、ミサキとシノブの宿主代わりに利用させて頂きました。これもまた宿主代わりの度に大学生をやる設定をクリアさせるためです。小細工を盛り込んだ結果、久しぶりにエレギオンの女神のそろい踏みが出来ました。

 話の中心は絶滅に瀕したエランになりますが、こちらの方はシリアス・タッチにせざるを得なくなります。エラン再生に命を懸けるジュシュルの運命や如何にです。ジュシュルとユッキーの対決、その二人の間に生まれる信頼関係です。

 最初は純愛にしていましたが、それでは話に厚みが出ないので、関係として踏み込ませてみました、ただジュシュルとユッキーは悲恋にしないと締まらず、コトリが結ばれても締まらないというか、この後のシリーズに困ります。

 その辺の味付け方法を模索しましたが、こういう時は定番良いと判断しています。やはり日本人は浪華節が合ってる気がします。気づく人は気づくと思いますが、ディスカルのエラン脱出シーンの下敷きはさよなら銀河鉄道999です。

 全体の構成も揺らいだ部分があって、その辺が前半部分のアカネのシーンです。当初はアカネでナレーター役を押すつもりでしたが、さすがに無理があり、途中でミサキに代わってもらっています。

 そろそろシノブに恋をしてもらわないといけないのですが、それが出来るかどうかは乞ご期待です。