小説家になろう計画の今

 二年前の盆休みに取りかかった「小説家になろう」計画です。小説家になるには、とにもかくにも小説を書かないと始まりませんから、処女作に取りかかりました。書くにはネタが必要なのですが、これだけはアテがあって、歴史ムックにしてみようでした。

 とにかく処女作ですから、ネタはあってもどうやって歴史ムックを小説の物語にするかは難題でした。今から思えば、猛烈な手間をかけていまして、まず歴史ネタの部分を私のブログ・スタイルでまとめるところから入っています。

 これだけでも大変ですが、これでは小説でなく論文に近い代物です。問題はこれをどうやって人が読んでもらえる物語にするかでした。導き出した方向性は謎解き形式です。作中で主人公にムックさせる形式です。そういうスタイルはこれまでも良く使われています。

 何人も登場人物を増やすのは厄介ですから、ムックに参加させるのは二人にしています。二人ならやはり男と女が良いはずですし、男と女が主要登場人物なら作中の伏線として、二人が魅かれあうラブ・ロマンス的な要素が入れば待望の小説になると踏んでスタートです。

 処女作はそれでもあれこれ盛り込んでいまして、バーでムックする形式にして、そのたびに飲むカクテルに何か暗喩的な意味を含ませてなんてのもチャレンジしています。


 で、どうだったかですが、正直なところ失敗作です。ですから作品ナンバーには入れていますが、誰にも読ませたく代物になっています。ただ、この時に教訓を得ています。

    中途半端な歴史ネタは受けない
 世に歴史小説、時代小説はゴマンとあり、あれはあれで読者の数も多いのですが、そういう読者はガチの歴史物が好きということです。処女作は歴史物とラブ・ロマンスの融合を目指したようなものですが、これでは歴史好きには嫌われ、ラブ・ロマンス好きには歴史部分で拒否されるぐらいです。

 どうも読者層は相反している部分がありそうで、両方を取り込もうとするのは無理があったぐらいです。もちろん歴史・時代小説にもロマンスは出てきますが、それは歴史の中の作中人物のロマンスであって、現代のロマンスが被っても拒否されるだけぐらいでしょうか。

 そこで第二作は処女作のラブ・ロマンス部分だけ膨らませたものにしています。一人の男を巡って美女が群がる妄想のラブ・ロマンスとでもすれば良いでしょうか。これもストーリーに盛り込みすぎの部分はありましたが、事実上の第一作として辛うじて合格点を与えています。

 大きな転換点は第四作で、当世流行の超能力的な要素を持ちこんでいます。以後はその能力を持つ女神の冒険譚で書き進んでいます。これは書き安くなりました。女神のルーツ、過去の因縁、さらには女神のルーツの母星からの宇宙船の到来・・・


 えらく長くなりましたが、とりあえず作品群は書きあがりました。ネットでもこうやって公開しています。これだけでも小説家になったようなものですが、次のステップとして紙の本が欲しくなりました。ネット小説へ大きく流れ出しているのは知っていますが、その辺は世代です。でもって作ってみました。

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 一冊当たりの費用はおおよそ千円ぐらいでしたが、送料が入るのでページ数にもよりますが1300円ぐらいになります。大量発注すれば1000円ぐらいになりますが、そんなに不要ですからね。


 作品は出来た、紙の本も作ったとなると次の段階は正式の出版です。ここのハードルは目が眩むほど高いものになります。自費出版について調べたこともありますが、おおよそでいうと単行本2000冊で350万円、文庫本3000冊で300万円ぐらいです。

 もっと安いところもありますが、百万単位の費用が必要と見て良いと思います。自費出版でも印税は入るのですが、元を取ろうと思えばだいたい二万部ぐらい必要で良さそうですう。自費出版の最大の問題はそこで、出した本が売れることはまずないということです。


 話は回りまわって、出版で売れるためには出版社に認めてもらうことになります。オーソドックスには出版社への原稿持ち込みとかでしょうか。まあ、そんなヒマも熱意もさすがにないので、お手軽に狙えるのは賞への応募です。

 これも調べてみるとお手軽に参加できるのがわりとあります。小説投稿サイトも複数出来ていて競争しているみたいで、より人気を集めるためのエサみたいなものでしょうか。この辺はサイトの性格にもよるみたいです。

 それでも商品として書籍化があるのが多いですし、賞金が出るのもあります。これだって激烈すぎる競争がありますから、賞の獲得なんて宝くじ並みですが、自費出版より優れている点があります。

 自費出版には百万円単位の元手が必要ですが、懸賞ならタダみたいなものです。それと選ばれれば本が売れる必要条件の出版社による広告やプロモートもそれなりに期待できます。何回でも応募できるのも大きなメリットです。

 
 後は夢と妄想で楽しんでいます。賞が取れて売れれば次回作はすぐに出せます。数だけなら一生分ぐらい書いてますから、十冊でも二十冊でもシリーズは続けられます。夢の印税生活が待ってるってところです。心境は宝くじを買って、当たった時の夢をあれこれ見てるぐらいでしょうか。

 わかったのは小説で食べるのは容易じゃない事で、選ばれし者の棲む世界だということです。