バイクも恋も若葉マーク(第27話)小理屈君

 小理屈君はとにかく小理屈を捏ねるのだけど、あれって小理屈を捏ねてマウント取ろうとしてるのかな?

「それもあるとは思うけど、なんか違う気がする」

 ウザ男みたいに、なんでもかんでもダボハゼみたいにウザ絡みするのじゃないのよね。どう言えば良いのかな。その話題が出るのを待ちか待ち構えてる気がする。印象だけど政治がらみが多い感じ。

「けどさぁ、どっかの政治思想の信者でもないと思う」

 そんな感じ、そんな感じ。政治って単純化したら右と左があるじゃない。中道ってのもあるけど、

「あれって中道の位置付けがムチャクチャだよ」

 どう見たって左の代表みたいな政党が中道だって自称してたものね。あそこが中道ならどこから左だって話になるし、右なんて極右しかいないことになってしまいそうだもの。だから現実的にいるのは中道じゃなくて中間派だと思ってる。

「無党派層ってやつよね」

 オールドメディアが好んで使うけど感じの悪い用語だよ。だって文字だけ見たら定見なくフラフラしているエエ加減な連中ってイメージも出ちゃうじゃない。

「無党派って政治思想が基準じゃなくて、生活重視の中間派だよね」

 左とか右の政治の大義なんて関心が無くて、それこそ目の前の生活が良くなるかどうかかが判断基準の人々だと思うもの。まあ思想の大義のためならテロだって容認するどころか賛美する狂信者とは肌が合わないだろうけどね。

 もっとも学生で政治に本当の意味で熱中してるのは少ないかな。政治の話題より、昨日の阪神の勝敗とか、学食の日替わりメニューがなんであるかの方が関心の優先度が高いぐらい。それでも政治の話題も出て来る事はあるし、出たらそれなりに右と左に意見が分かれる感じになる。

「小理屈君は左が多い感じだけど、右だって行ってたよね」

 かと言って中間派の是々非々の感じでもない。参加するとそれこそ、そっちの意見の代表者みたいな感じで頑張りまくるのよね。あれってさ、思想による信念とか関係ないんじゃないと思ってる。

「そうなのよね。必ず少数派に入るもの。それも少数派になるのを予想して事前に準備してるはず」

 準備してるから小理屈を捏ねられるんだろうけど、どうにも事前の準備が杜撰な気がする。あれは国旗損壊罪が出た時だけど、

「日本国旗を嫌いな人の意志を尊重すべきって頑張ったものね」

 そういう人がいるのは知ってるけど、まず器物損壊罪で対応できるから不要って頑張ったのよ。でも誰かが器物損壊罪は他人の持っているものを傷つけたら適応されるけど、自分で買ったり、自作した国旗なら適応されないはずだって指摘されたんだよね。

「そしたらさ、国旗なんて布に印刷したものだって言い出したのにあきれた」

 物理的にはそうかもしれないけど、そんな事を言い出したら紙幣だって紙に印刷したものになってしまう。

「おカネを傷つけたら罪になるもの」

 突っ込まれた小理屈君は国旗と紙幣は別だって頑張り出したのだけど、

「布に印刷した外国の国旗を傷つけるのは法律で禁止されてるって突っ込まれた」

 外国国旗はダメで、日本の国旗だけはOKはおかしいだろうだ。国旗って国の象徴だから、いかなる国の国旗でも敬意をもって扱うべきぐらいの話だ。そしたら、

「思想信条の自由を持ち出しやがった」

 あの時はまさに十字砲火状態だったよ。日の丸が嫌いである思想信条の自由はあるとは思うよ。けどさぁ、思想信条の自由って言い換えれば、

「内心では何を思っても良いだけの話だもの」

 そうなのよ。内心でどう思い、どう考えようが自由ではあるけど、それと実行動は別の次元の話になる。口に出すだけでも、

「内容によってはヘイトになるし、セクハラ、パワハラにも普通に問われる」

 名誉棄損に問われたり、下手したら逆上した相手にぶん殴られる事だってありえる。

「ぶん殴った方だって、その発言を許せないの思想信条の自由に基づく行動だから問題にならないよなって言われても、鳩が豆鉄砲喰らったような顔してた」

 それとこれとは別問題だと頑張ったものね。そしたら、

『ほな聞くで。お前を嫌いの思想と信条があったら、お前の家をユンボで壊しても、火を着けて燃やしてもエエってことか』

 そこまで言わないとわかんないのが小理屈君だ。

「それでも小理屈捏ねやがる」

 だったよね。日の丸を実際に傷つけられても困ってる人はいないとまで言いやがった。なんか立法理由のなんたらとか小理屈をひたすら捏ねまわしてたっけ。

「日の丸にバッテンつけて選挙演説の邪魔しようとしてたのは、全国ニュースで流れてたじゃない」

 動画で小理屈君に見せて、

『オレは傷ついたで』
『私も嫌な気分になった』
『僕も憤慨したぞ』

 カノンもあんな下品な事をして何が嬉しいんだろうとしか感じなかったもの。つうかさ、小理屈君の主張程度は既に了解済みで話していたのよね。話題の焦点は、国民なら国旗に対して自然に敬意を払うべきで、わざわざ法で規制する必要まであるかないかぐらい。

「そこまで不要って意見もあったけど、現実に引き裂いたり、踏みつけたり、下品な落書きするのがいるから必要ぐらいがあの場の大勢だったよ」

 というか、具体的にどこまで罰するべきかぐらい。たとえばさ、

「外国国旗も損壊したら罰せられるけど、規制しすぎると運動会の万国旗とか、お子様ランチの国旗もどうするかも出て来るものね」

 全部やめてしまうのもありだけど、

「ユニオンジャックデザインとか、星条旗デザインの服だってあるじゃない」

 その辺の線引きがどうなるかを話してたんだものね。けどさぁ、思ったんだけど、小理屈君って国旗損壊罪に本当の意味で興味が無いとしか思えなかったよ。あれってさ、

「少数派を擁護する、格好の良いボクちゃんをしたいだけにしか見えないよ」

 同意だ。つうか、あえて逆張りして目立ちたいだけの気がする。それが全部悪いとは言わないけど、その割には杜撰な情報集めをするから、

「厨二病の小理屈コネ夫君だ」

 もう大学生なんだから少しは成長して欲しいよ。