怖いよ、怖いよ

 7連勝が途絶えて反動を覚悟していたら、信じられない事にまた7連勝。5月の成績はここまで驚異の、

    17勝4敗
 DeNAとは6ゲーム、昨日勝った巨人とは8ゲーム差です。そりゃ、これだけ勝てばゲーム差が開くのはわかりますが、どうなってるんだ状態です。阪神だってあれこれ目論見違いは出ています。伊藤将の出遅れ、青柳、西純の不調、湯浅・石井の離脱とかです。西勇だって好調とは言い難いのですが、穴になるはずが次々に新戦力が台頭して埋め尽くしています。

 打線だって佐藤輝の4月の不調はエグかった。岡田監督がいつ見切るのだろうかと思ってたぐらいですが、いつのまにか復活しています。さらに新外国人のノイジーは攻撃だけでなく守備でも存在感を現わしています。

 だからこその成績とは言えますが、本当の阪神ファンなら恐怖に震えていると思っています。この辺は2021年の矢野阪神、2010年の真弓阪神、2008年の岡田阪神を思い浮かべる人も多いでしょうが、オールドファンになると1992年、さらにわたしクラスのオールドファンになると1973年まで脳裏に過ります。

 とにかくセリーグを最後に制したのは2005年で、あの時はロッテに4-33でフルボッコにされています。その前が2003年の星野阪神で、その前になると唯一日本シリーズに勝った1985年の吉田阪神になってしまいます。さすがに1964年や1962年になると記憶の欠片もありません。

 2005年からだって18年、2014年に唯一度CSを勝ち抜きシリーズに出場した2014年の和田阪神からでも9年です。つまりって程ではありませんが、

    このまま首位を突っ走るなんてあり得ない
 どこかで泥沼にはまり込み、首位から転落するはずだと。その泥沼がいつ訪れるかかハラハラしながら試合を追いかけています。阪神ファンは阪神を愛する事で誰にも負ける気はありませんが、一方で世界で一番阪神を信用していません。


 それでも今シーズンは異様です。4月にDeNAが首位に立った時には盤石の評価さえありました。あの時点ではWBC組の今永も不在で、バウアーもまだ準備中でした。これが加わってくれば、さらに加速するのではないかとさえ見られていました。ですが結果は御存じの通り。

 連覇中のヤクルトも打線は不調でしたが、投手陣が好調で、ここに打線が復活すれば爆発的に勝ち進む可能性を感じさせました。ところが現実は4月を支えた投手陣が息切れして下位に沈んでいます。

 巨人は完全に新旧交代期に入っている感じがします。そうなった時の巨人の常套手段はFAによる大型補強です。ところがこれがうまく機能していません。それと巨人の監督は他球団より優勝の十字架は重いと見ています。

 原監督は実績も経験も球界随一ではありますが、巨人監督の十字架として目先の勝利を追い過ぎている印象があります。あくまでも個人的な感想ですが、去年で潮時だった気もしています。続投になった理由はあれこれあるのでしょうが、後継者とされる阿部氏に禅譲できない理由でもあったのでしょうか。

 どうもなんですが、今シーズンの大きな影響としてWBCショックと言うか、WBC疲れはあるような気がしています。昨年の三冠王の村上の不調だとか、WBC組の投手の不調です。阪神だって湯浅の故障の原因の一つぐらいに見ています。それでも比較的影響が少なかったのが阪神だったぐらいの見方です。

 ですがまだシーズンは百試合近く残っています。百試合ですよ。セリーグ球団にとって鬼門の交流戦もありますし、夏には恒例の死のロードもあります。このままで絶対に突っ走らないのが阪神です。勝ち星を重ねれば重ねるほど、その後に訪れる泥沼にひたすら恐怖しています。