次回作の紹介

 紹介文としては、

 港都大AI研は写真のすべてをAIで解き明かすプロジェクトを寄附講座で開始します。リーダーに任じられた浦崎特任教授は、写真と言ってもデジタル技術の産物であると見ました。


 撮影のための条件は数あれど、これがいかに多くとも有限の組み合わせであり、そこから究極の写真を見つけ出すのはAIの得意分野と考えたのです。つまり理により写真のすべては説明できるとしたのです。


 究極の写真を見つけるために、被写体に対してすべてのアングルを撮影できる装置の作成と、究極の写真を見つけだすAIの開発の二本立てで研究は開始されます。


 審査AIと名付けられた究極の写真を見つけ出すAIの開発には篠田真と天羽涼が担当となります。二人は写真の評価の課題に苦しみますが、浦崎の写真は大衆芸術であるとの言葉から画期的な感性AIを組み込んだ審査AIの開発に成功します。


 さらに天羽たちは写真上達メソドを研究したところ、写真技術は上達すれば目指すポイントは一つに絞られる事に気づき、これを数式化するのに成功します。これにより究極の写真は撮影しなくとも計算で生み出されることになります。

 天羽関数の正しさは特殊撮影機でも実証されます。浦崎はフォトグラファーをAIで代替できる突破口を見つけ出したと判断し、これを発表、大きな反響を呼びます。


 ところが麻吹アングルの存在を知ります。天羽と篠田は研究の結果とし麻吹アングルが実在することはわかりましたが、その正体は天羽関数では説明できない事を知ります。


 麻吹アングルの正体に挑む天羽。これを探求するうちに大きな壁に直面するのでした。これを乗り越えようとする天羽。そのたどりついた先に見たものは何か。

 今回はAIを取り上げてみました。そしてAIが挑むのが写真であり、写真技術のラスボスに麻吹アングルがいる構図です。ただですが、いつものように知らないものが立ち塞がります。AIも難物でしたが、理科系研究室なんて見た事すらないのです。

 ですからテレビとか映画の研究室のイメージで適当に作り上げています。まあ、理科系研究室と言っても実態は千差万別ぐらいあるはずですから、こんな研修室もきっとあるぐらいで目を瞑らせて頂いています。

 今回のヒロインは天羽涼です。天羽の人物設定はこの作品のキモと言うか、すべてを握るパンドラの箱のようなもので楽しませて頂きました。こういうタイプの研究者は現実世界にもいる・・・はずないですが、天才の奇矯さの一面も盛り込んでいます。

 一番難しかったのは麻吹アングルとはなんぞやの屁理屈です。そりゃ、これまで説明不要の必殺技にしてましたから、これにどういう屁理屈を付けるかは難関でした。

 外伝なのでユッキーやコトリたちはゲスト出演です。舞台を西宮学院大にしたのでミサトも出演してもらっています。もちろん研究のターゲットにされるツバサにはしっかり脇を締めてもらいました。

 表紙は天羽涼のイメージです。ではお楽しみください。

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