記憶の中の体力

 雑談五日目です。

 たいした話ではないのですが、歳を取れば体力は落ちます。もちろん歳を取っても若い人を凌ぐ体力を見せる方もいますが、平均的には落ちていきます。

 落ちる理由は年齢のためもありますが、社会人になると運動する習慣が乏しくなるのもあると考えています。職種にもよるでしょうが、デスクワークが中心の仕事ならそうなりやすいと思っています。

 平日はdutyに追いまくられますから、仕事帰りに一汗かくより帰って休みたいが人情でしょうし、休日だってノンビリ休みたい人の方が多数派だと思います。とくに若い頃に運動があまり得意でなかった人ならなおさらでしょう。

 それでも記憶の中の体力はかなり残る気がします。そんな捻った話ではなくて、

    これぐらいは今でも出来るはず・・・
 やってみたら体が付いて行かなかったぐらいですが、このギャップも歳とともに大きくなる気がしています。それなりに若いうちは、ヒーヒー言いながらもなんとかこなせても、ある年代からまったくついて行けなくなってしまうぐらいでしょうか。


 歳の事は書きたくないですが、四捨五入の線さえ越えて還暦に近づきつつあります。今どきのことですから、還暦と言っても老け込む歳じゃないともされますが、もう相当な差は付いている気がします。

 これは旧友に聞いたお話ですが、友だちと熊野古道に行かれました。熊野古道となるとある程度は歩く前提が必要なのですが、旧友の友だちはそれを承知で参加しています。ちなみにすべて私と同い年です。

 熊野古道と言ってもその日に選んだのは青岸渡寺。通常の観光なら奥の駐車場を利用するのですが、目的が熊野古道ですから大門坂を歩いたようです。お手軽すぎると言えなくもありませんが、気分だけ味わうならそういう選択もあると思います。

 登り坂や石段も含みますが、青岸渡寺・那智大社まで1.5kmほどです。旅行プランとして無理はなかったと思いますが、那智大社に着くころには旧友のお友だちは動けなくってしまったそうです。そこから那智の滝までは1km弱ほどですが、

    ここで待ってるから・・・
 熊野古道を楽しむどころか、熊野古道に苦しまれていたでよさそうです。記憶の中の体力なら余裕であったのでしょうが、現実にうちのめされたぐらいです。あれほど歩けないとはビックリしたと旧友は言ってました。

 そこからの話になりますが、旧友が住むのは私の故郷ですが、中途半端な寂れた地方都市です。そういうところは完全なクルマ社会です。公共交通機関は都会から見たら信じられないほどプアですし、そんなものを積極的に利用する発想が乏しいところです。

 買い物にしてもクルマ社会の発想に変容してまして、徒歩園内で間に合わせるのも難しくなっています。とにかく気軽にクルマを使いますから、かなりの近距離でもクルマで済ませてしまいますし、そう出来るような交通体系になってるぐらいの理解で良いかと思います。

 だからどうしたの話になりますが、下手すると都会人より足腰の衰えが早くなるんじゃないかとしていました。言われてみればそうで、場所柄にもよりますが、都会の方が歩いて買い物に行く頻度も多そうですし、公共交通機関を利用するだけでも運動量は少しは増えますものね。


 ちょっと寄り道しましたが、記憶の中の体力も衰えてきたら、次の老いのステップの気がしています。そりゃ、ますます動かなくなるからです。せめて、そんな日が来るのが一日でも遅くなるように抵抗中です。