不思議の国のマドカ:あとがき

 書いた後の感想は『苦労した』これに尽きます。構想が二転三転みたいなレベルじゃなく、空中分解しそうになる話を強引にまとめあげた感じです。思い返せば当初構想が拙かった。

 前作に引き続いてアカネを主人公にする構想だったのですが、どうにも話が続かなかったのです。漫才させるには格好のキャラなんですが、アカネの漫才の点描だけでは話がちっとも広がらなかったのです。

 そこで前作に適当にアカネの対極キャラとして出しておいたマドカの活用を考えた訳です。これもボツにした作品では、政略結婚を強制されたマドカが家を逃げ出したことにして、それを連れ戻しに来た父親と一騒動があり、その背景に神の暗躍があり・・・

 書くには書いたのですが、猛烈に不満というか、おもしろくない。ストーリーの意外性が乏し過ぎるってところです。そこでマドカは二人いて入れ替わってるプランを捻くり出したのですが、これはこれで最後は話の収拾がつかなくなって一旦はボツです。

 もうイヤになって新構想で書き始めたのは神算のコトリ編です。これをある程度書いた時に、ボツ作品との融合を考えたのです。ユッキーとコトリが調べ始めた円城寺家の謎と、二人マドカの話が絡みあいながら進み、一つの話になるプランです。

 もともと違う話であったのに融合させるために修正がテンコモリでウンザリです。本線というか、天使と女神から連綿と続いてるシリーズは、すべてミサキ紀元で年代を統一していましたが、これに明治からの話を連結させるとなると大作業になってしまったぐらいです。

 それと今回のテーマ的な性嗜好の話ですが、捻りにひねり過ぎて、これをまとめるのは途方に暮れそうになる作業になりました。最近では記録的に時間がかかり、この作品には二か月近い時間を要しています。

 しばらくシオリを中心に据えてきたので、そろそろユッキーとコトリにも活躍してもらおうぐらいを考えています。さて、次はちょっと休んでリフレッシュしてから書きたいと思っています。