女神伝説第1部:あとがき

 読めばそのままですが、『天使のコトリ』の続編です。『天使のコトリ』の時にボカしたというか、あの時に構築しきれなかった謎解き編ぐらいの位置づけとすれば良いでしょうか。かなり伏線を『天使このコトリ』の時に残しておいたつもりでしたが、実際に書き始めてみると全然足らず、苦しい時のユッキー頼りで後半を構成しています。

 今回の作品で苦労させられたのはイタリア旅行部分です。とにかくイタリアなんて行った事もないので大変でした。イタリアを出したのは聖ルチアに関連してのものですが、少なくともヴェネツィアシラクーサを舞台にせざるを得なくて往生しました。

 白状しておくと、元々の構想はシラクサでのマンチーニ枢機卿との対決部分で終る予定でしたが、実際に書いてみると全然足りないのです。なんとか伸ばそうとしましたが、どうにもならずシュメールからのエレギオン王国を創作せざるを得なくなっています。年代を合わすのが大変で、何回か書き直しています。それでもですが、創作とはいえ歴史趣味を満足できる部分もあり、作品的には楽しみながら書けました。

 それと今回やっとミサキをナレーター役にすることにほぼ成功しました。これも途中で何度か危ないところもあったのですが、なんとかナレーター役に押しとどめました。その代りと言うか、キャラとして余り立たなかった点を遺憾としておきます。