マンガ・アニメの実写化

世間はSTAP論文問題が話題のようですが、

    「何度も見たし、他にも見た人がいる」ではUFOや宇宙人や雪男やネッシーだって「何度も見たし、他にも見た人がいる」で同列になります。存在証明をいかに科学的に行うかが重要と言うことです。
純科学の問題としては終わった話で「たぶん」触れないつもりです。でもって今日の本題なんですが、これまでも何回も似たようなテーマで扱っていますが、面白いヒントがあったのでこれをモチーフ(本人の承諾をもらいました)にしてまたやります。でもって今日の用語として、
  • マンガ・・・原作マンガがある場合
  • ドラマ化・・・マンガから実写版でテレビドラマ化されたもの
  • アニメ化・・・マンガからアニメ化されたもの
  • 映画化・・・実写版
こういう使い方をします。とりあえずマンガ・アニメから作られた実写版映画の一覧がwikipediaに、いやぁ、いっぱいあるんですねぇ。そっちにまず感心しました。


「マンガ → ドラマ化」 and 「マンガ → 映画化」

これのヒットは少なくないと思います。つか普通のドラマと同じぐらいの確率でアタリ・ハズレがあるぐらいの感覚です。あくまでも印象ですがアタリの比率がやや高い気もします。ものによってはドラマ化がヒットしすぎて延長のためにスピンオフ状態になったり、スピンオフではなくて原作レイプ的になったりする事もありますが、視聴率を狙う手法としてアリの気がします。もちろん頻用されています。直の映画化もありますが、

    マンガ → ドラマ化 → 映画化
最近はパターンの方が多い気がしています。もちろんと言うかドラマ化がヒットしたから映画化しているとも言えますが、マンガからじかに実写版を作るのは結構アタル可能性があるぐらいです。


マンガ → アニメ化

さて問題はまず「マンガ → アニメ化」された時です。これはアニメがオリジナルの時でも同じぐらいと考えています。アニメ化自体のヒット率は良いとして。問題はその後の実写化です。

    マンガ → アニメ化 → ドラマ化
これの成功率もそれなりにあるのですが、「マンガ → ドラマ化」に較べると低い気がします。ただですが、
    マンガ → アニメ化 → ドラマ化 →映画化
こうであれば映画化はそれなりというか、「マンガ → ドラマ化 →映画化」これと変わらないぐらいのヒット率じゃないかと思っています。考えれば当然でドラマ化で転んだらそうそうは映画化されません。あくまでもドラマ化でヒットしたから映画化されているわけです。ところがですが、
    マンガ → アニメ化 → 映画化
これになると転ぶ率が高くなります。とくに昔ヒットしたもののアニメ化となると死屍累々てな印象があります。それこそ滅多に当たらないです。どうも間にアニメ化を挟むと実写版の成功率が非常に下がる印象があります。


カギはドラマ化みたい

マンガは静止画・無音声の世界です。アニメ化にしろ実写版にしろ、これを動かし音声が入るわけです。どちらがマンガに近いかと言えばアニメ化です。そりゃアニメは絵が動くのですからマンガと良く似ています。実写版も似せようとはしますがどうしたって限界があります。基本的に実写版の方が原作マンガを知っている人間には不利な条件があります。アニメ化を挟まない実写版のヒット率が比較的高いのは、

    原作マンガを知っている人間が案外少ない
このために最初からオリジナルと思って見る人の比率が高いのも原因の一つの気がしています。ここでアニメ化を挟んでしまうと動画と音声により登場人物の印象がより濃くなるだけでなく、見た人がマンガに較べると圧倒的に多くなります。ここも当たり前のお話ですが、アニメ化がヒットしないと実写版はまず作られないからです。それでも「アニメ化 → ドラマ化」がしばしば成功を収めるのは、やっぱり繰り返し効果でしょうか。ドラマは単発ではなく何週間か続きます。何度も見ているうちに慣れてきて「これでも、えっか」になる部分があると思っています。どう言えば良いか難しいのですが、アニメと実写を別物と思うぐらいの打ち消し効果です。

さて問題は

    マンガ → アニメ化 → 映画化
とくに昔に大ヒットしたアニメです。この昔と言うのが厄介で、歳月は思い出を美化します。そのためイメージも強固に濃くなっておりこれを単発の映画で払拭するのはまず容易でないと考えています。それとそういう映画を作ろうとする人間は過去のヒット・アニメにこれまた強い思い入れがあります。また過去に熱中していた世代も嫌でも意識しますから、しばしばアニメの忠実な再現を試みます。それが徹底していればまだしもなんですが、大概は予算の関係で中途半端な部分が出てきて「チャチ」の評価を下されたりします。

それと昔のヒットである問題もあると見ます。アニメもまた放送回数が多いのですが、多いだけに登場人物も、ストーリーも、時代背景も複雑なものになっている事がしばしばあります。まあ、この辺は途中で長期化されてエピソードが無闇に膨らまされたのも原因とは思っています。見るのは昔見た世代と初めて見る世代の両方があるわけですから、初めて見る世代に対しては説明が必要になり、これが結構時間がかかります。もちろんそうしないと見る方がわからないのですが、ここで結構な時間を食います。その一方で昔見た世代に対し「大人向き」の凝ったストーリーを盛り込もうとします。そのために妙に難解な映画になる傾向があります。昔ではなく最近のヒット・アニメの映画化の方が成功率がまだしも高いのは、説明がほとんど不要になり、またストーリーも妙に凝ったものにする必要性が薄い分だけ有利なのかもしれません。


ここでポイントはドラマ化のような気がします。ドラマは最近では短くなりましたが、それでも10回以上は放映回数があります。繰り返し効果による「慣れ」以外にも、説明にかけられる時間が十分にあります。また現在風のアレンジを加えるにしても、それを馴染ませる時間が映画に較べると段違いにあります。さらに言えば「ドラマ化 → 映画化」は近い時間差で通常行われますから、映画化時点の説明も簡略なもので済み、上映時間でストーリーを展開させる時間が長く取れます。だったら映画化の前にドラマ化をすれば良さそうなものですが、どうもテレビ界でも「アニメ化(過去のヒット)→ ドラマ化」はリスクが高いの意識があるように感じています。まあ、古いヒットほど著作権関係が複雑になっていたりして面倒なのかもしれません。そのためにリスクを承知で、

    マンガ → アニメ化 → 映画化
この路線が繰り返されるのかもしれません。でもってルパン3世だそうです。ルパン3世はアニメ化だけではなく、アニメ映画化までヒットしていますから、考えただけで手強そうな気がどうしてもします。登場人物の説明はそれでも容易と思っていますがイメージ部分は強力でしょうからね。それでもあえて作りたいようですから頑張ってください。