上小阿仁村・現場取材終了のようで

私もブログとは言え物も書いている人間ですから、本来は現場取材が必要です。プロじゃないから必要と言うより望ましいです。とは言うものの本業もあるわけで、近場なら行かないのはモノグサですが、遠方なら時間とヒマとカネが無いから到底行く事は出来ないになります。たかがブログ(されどブログではありますが)のためにそこまではやる余裕がないです。そのうえ最近かなり出不精になっています。それでもチャンスがあれば現場取材には行きたいとは思っています。滅多にないですが、実際に行ったところもあります。

行く時には折角の取材が無駄ならないように出来る範囲で下調べをしておきます。見所と言うのはしばしば事前に知らないと見逃すことが多く、また目立たなかったり、主要なコースから外れて存在していたりします。どうせ取材に行くなら、そういうところもカバーしたいと思うのが人情です。他人にはただの切り株とか、しょぼくれた建物であっても、時に大きな意味があったりするからです。

事前調査の上での現場取材の目的はおおよそ3つです。

  1. 事前調査にあった現物の確認
  2. 事前調査では判然としなかった事の現場での調査
  3. 事前調査にはないものの発見
事前情報が豊富なほど2.や3.の頻度は下がり、現場取材と言っても事前情報の現場確認が中心になり短時間で取材が終ります。逆の場合は、それこそ新たな謎や事前情報にない新発見が相次ぎ、取材時間も長くなりますし、場合によっては何度も訪れる必要が生じる事があります。ここも事前情報が豊富なだけではなく、ある程度プアであっても、現場に行ってもさしたる新知見がない時も短期間で取材が終ります。

さてなんですが、11/7付さきがけ on tha Webより、

またも常勤医が辞意、上小阿仁村 着任1カ月足らず

 先月12日に上小阿仁村国保診療所長として着任したばかりの西村勇医師(71)が、「体調が思わしくないので、後任を探してほしい」と村に辞意を伝えていたことが6日分かった。

 村内唯一の医療機関である同診療所はただ1人の常勤医の所長が定着せず、前任を含む3人は連続していずれも1年ほどで辞意を示し、今回は1カ月足らずでの辞意となった。

 中田吉穂村長は秋田魁新報社の取材に「健康面を心配したが、本人が健康に自信があると言っていたし自己管理できていると思っていた。突然で驚いた」と話した。西村医師は取材を拒否し、病名などを明らかにしていない。

西村勇医師については前に少し調べたことがあります。医師である一方で哲学者でもあるそうで、人間観察に非常にユニークな視点をもって取り組んでおられます。またそれに関する著書もあります。

著書の内容のユニークさから、当初あの村への赴任は「情弱」とされていたのが評価が変わり、「あえて」赴任されたのではないかの評価も行われています。もちろん真意は知る由もありませんが、仮に新たな人間観察のフィールドワークの地に上小阿仁村を選んでいたと考えると、1ヶ月足らずで辞意を表明したと言うのは非常に興味深いものに感じます。

実際に赴任してまで研究観察を行おうとされたのであれば、そこまでして確認しないと不明な個所が多々あると判断されたと見るのが妥当です。赴任後も精力的に研究観察に励まれたと推察しますが、1ヶ月足らずでこれが終了してしまった事を意味します。公式には医師としての赴任ですから、西村氏とて短くとも1年程度は必要と考えていた調査期間がその程度で満たされてしまったです。

短くなった具体的な理由として思い浮かぶのは、事前調査で想定していた村のイメージに対し、

  1. 実際に居住しても事前イメージとの相違点が非常に少なかった
  2. 新たな知見の発見の可能性が非常に低いと早期に判断された
それだけ西村氏の事前調査が精密であったのか、それとも西村氏の予想が正しかったのは不明ですが、とにかくこれ以上の研究観察は不要の判断がなされた気がします。それでもって西村氏が興味と言うか創作意欲が掻き立てられたかですが、私は掻き立てられたと見たいところです。新たな著書を書くにしても、勤務しながらの選択枝はあったはずなのにトットと辞意を表明しているからです。構想がまとまったからには一刻も早く執筆に専念したいです。

いつ出版されるかは不明ですが、もし1年以内に出版されたら前作とは桁違いの販売数が期待できそうな気が「なぜか」します。つうのも私も読みたいからです。私のような医療ウォッチャーだけではなく、かなり幅広い層に上小阿仁村は強い関心を持たれていますから、案外のスマッシュヒットになる可能性はかなり高そうだと言うところです。

ひょっとしたら出版社が担当者が西村氏を追いかけているかもしれません。いや、もう仮契約は終ったのもあって西村氏は辞意を表明されたのかもしれません。つう事で、次はいつどんな医師が応募することやらです。やっぱり、いるんでしょうね。。。。赴任するだけで全国に名が売れるのは案外な魅力的なメリットなのかなぁ?