日大光が丘病院騒動・後日談の底の浅さ

ソースはうろうろドクター様の、

区長の話自体は新味がなくて、騒動が始まってから今に至るまでの経過を見ていると「そうだろう」ぐらいの感想しか出ません。興味があるのはこういう発言を行う真意です。騒動の渦中にこの発言を行えば火に油状態になるので控えていたは政治的配慮としてまだ理解できるとして、なぜに今ならOKの判断をしたかです。これが良くわからないところです。

そりゃ、当時より今の方が発言してもインパクトはマイルドでしょうが、別に今でも黙っていても構わないです。外形的には、日大並水準のために時間がない中で懸命に努力したが、結果としてスタート時点ではそうならなかったです。これについて不満を持っている方は少なくないでしょうが、ある意味「あきらめ」が生じてきているわけです。

当面の方針としては、スタート時点では日大並みにはならなかったが、可能な限り早い時期に満足してもらえる体制に充実させるの話を続ける事だと思います。普通に考えればそうで、流れとしてはそうなって来ているです。別に裏の本音をこの時点で暴露してもさしたるメリットはありそうに思えません。


そうなると見方は浅いか深いかになります。浅い方は単純で、公式に日大から地域医療振興協会(協会)への移行手続きが終了したので、これで「すべてが終わった」と判断し、この程度の裏話の暴露は何の問題も引き起こさないだろうです。ひょっとすると、それだけの腹芸をやっていた事への称賛の期待もあったかもしれません。

そんなアホなと言われそうですが、渦中の当事者と言うのは周囲がかえって見にくいと言うのがあります。問題が大きいほど自分の信頼する限定された人間の言葉しか聞かなくなり、それが情報のすべてになり、そこからの価値判断を行なっていれば、外野から見ると「なんであんな考え方になるんだ」みたいな状態に陥る事はしばしばあります。区長もそういう状況に陥っているは単純ですがありえます。


深い方はキリがないのですが、なにか大きな重圧が区長にはあり、それが現時点になって解放されたのでこの程度の発言を気にする必要がなくなったです。ではどんな重圧かと言われると情報が不足しています。ただ物凄い重圧であったのだけは確かで、日大とゼロ交渉を強硬に行い、日大が縁切り宣言を行えば脇目も振らず協会継承路線に驀進しています。この辺については日大に対して慰留姿勢が皆無に近かった点は種々の情報が示しています。

ここは重圧からの解放と受け取るよりも、何か大きなメリットを手にしたと考えた方が良いかもしれません。そのメリットの大きさが区長を強気にさせ、裏話暴露ぐらいは平気の平左であると判断させたです。

ではメリットは何になりますが、辛うじて表面化しているのは例の50億円です。この50億円が日大との交渉で争点の一つになったのは間違いないようですが、これだけが天王山であったかどうかは不明です。ただ日大から協会への移行に伴って50億円の支払いが発生すれば、政治的にはあんまり宜しくなかろうぐらいは言えそうに思います。どうせ払うんだったら日大に払って残ってもらえば良かったの不満は出ます。

協会に移行して病院戦力が縮小した上に、50億円の支払いが生じるのであれば区民としてはメリットが乏しいどころか、デメリットばかりが生じる事になるからです。これを懸念の重点に置いていたと仮定すれば、これが回避できる何らかの手立てを確保したぐらいは想像の内です。その他のメリットになれば、それこそ贈賄も絡む汚職クラスになりますから、安易に推測を広げるのは自重したいと思います。


ありゃ! 浅い方を考えても深い方を考えても、今回はやはり「沈黙は金」です。これが○○特別委員会の証人みたいな状況であればまだしも、新聞記者相手にペラペラ話すのは政治的配慮を欠き過ぎているしか評しようがありません。区政の混乱は今話したって起こりかねません。そうなると今まで話さなかったのが「偉大な我慢」ぐらいレベルの口の軽い人だったぐらいに評価は落ち着きます。

この発言は練馬区政的には面白いんでしょうが、この病院問題自体は既に一応の片がついたものです。日大と言う覆水は盆に返らず、新たに注がれた協会の水の量を何とかするのが建設的と思っています。区長が仮に「その他のメリット」を手にしているのが暴露され、責任を取って辞任しても病院がどうなるわけでもありません。

ましてや「その他のメリット」に協会なりがもし絡んでいて、大騒ぎの末に撤退なんてなれば、次の光が丘病院はさらに規模縮小にならざるを得なくなります。まあ、協会が日大並みにならなかった問題を、この区長発言で関心をそらそうとしている見方はゼロで無い程度にはありますが、それでも政治的にはかなり愚策に見えます。

そういう点で私的には底が浅くて「つまらん」です。