下司で恥しいお願いですが・・・

私は医師としては表彰顕彰をうける活動業績はありません。せいぜいこのまま潰れずに開業医生活を20年、30年続けられれば、医師会から年功序列で「地域功労賞」みたいなもの受ければ関の山です。きっとその頃になれば、それなりに喜んで、ささやかながら医療活動を地道に続けた成果として受け取るでしょう。大喜びすほどのものではありませんが、依怙地に拒否するものでないぐらいの感覚でしょうか。私の医師人生のそれが一つの到達点であり、決して目標ではありませんが、その程度の貢献度しか無いという事です。

他にも趣味で好きな事は幾つかありますが、どれも趣味の領域に過ぎません。歴史好きでそれなりに知識はありますが、新しい学説を作り出して世に問うほどのものではありません。せいぜい酒場でスノブな知識を開陳して喜ぶレベルです。人生のエッセンスとしては有用ですが、それだけのものです。ましてや歴史小説を書いてベストセラーになるなんて痴人の夢と同レベルのお話です。

さして取り柄の無い凡人ではあるのですが、このブログは少しだけ高い評価を頂いています。自分で書いていてもそう思うのですから、読む人はもっとそうだと思うのですが、相当硬めの内容です。読んで痛快スッキリするというレベルでは決してありません。むしろウダウダと長いだけの文字の羅列にウンザリするような内容です。

これでももっと手際よくスッキリまとめようと努力しているのですが、才能の限界で、最終的には毎度毎度「これでもか」の論理の積み上げになってしまっています。以前にふと感じた事があるのですが、ブログというより、毎日短めのペーパーを書いているような感覚に陥った事があります。これだけの労力をペーパー書きに費やしていたら、医師人生はまた違ったかもしれないと思ったものです。

このブログも別に「何かをもらう」ために書いているのではありません。純粋に趣味で書いているだけで、ネット時代の到来で、書いたものを広く読んでもらえる事が大変ありがたいと思っています。ただ悔しい事に聖人君子ではありませんから、書き続けていると評価が欲しいと思うようになっています。

ブロガーは自由に情報発信していますが、書いたからにはどう評価されているのだろうと内心は常に考えています。もちろん全員ではなく、まったく無頓着な人間も少なくないと思いますが、多数派のブロガーは自己満足のためでも評価が欲しいと考えています。ブログの評価は簡単なようで難しく、単純にはアクセス数、ブックマーク数、コメント数なんかが一番目に見える指標です。恥ずかしながら私も気にはしています。

また私は参加していませんが、ブログランキングに参加されているブロガーも数多くいられます。気持ちはわかります。ランキングが上下したからといって、ブログの価値が変わる物ではありませんが、至極素直にランキングが上れば嬉しいでしょうし、下がれば出来が悪かったかなと考える次第です。他愛も無いと言われればそれまでですが、その気持ちはよくわかります。エントリーを書くのには時間も手間もかかりますから、精魂込めて書き上げたものに、何らかの評価が欲しいと思う気持ちは痛いほどわかります。

そんなブログの評価ですが、このブログがあるコンテストにノミネートされました。正直聞いた事がないコンテストでしたから、有象無象のブログランキングの類であろうと考えていました。ただわざわざノミネートしましたの報告をコメント欄に書いてきたのが異様で、厚かましいと取るか、真面目と取るかをしばし考えていました。通常、勝手にリンクして、勝手にランキングをつけるだけが普通ですからね。

放置しようと思っていたのですが、このコンテストの事を知っている方がおられまして、その方のほうがノミネートされた事を驚きをもって受け取っておられるのです。生煮えの私に対して、いかにこのコンテストのノミネートされるのが凄い事だと力説されます。私が最も驚いた表現は、

じゃ、New England JournalかNatureに載った。くらいで感じていただければ。

ノーベル賞じゃないので、これくらいなら良いでしょう。

正直卒倒しそうなぐらいに驚き、きっと名誉あるコンテストなんだろうと認識を改めた次第です。さっそく情報を集めてみたのですが、かなりの賛否両論がこのコンテストにはあるようです。賛同意見は素直にこのコンテストの価値を認めるもので、否定意見はこんなコンテストでブログの価値など評価できないです。どちらも言い分はよくわかりますが、賛否両論が渦巻くという事はこのコンテストがそれだけ注目されている傍証とも受け取れます。

私がグズグズとどうしようか悩んでいるうちに、僻地の産科医様Dr.I様までが取り上げてくださったので、この際だから受賞運動のためのエントリーを書く事に決断しました。滅多に無いチャンスだから、できたら欲しいという下司な願いです。

下司すぎて恥しくて仕方が無く「投票協力お願いします」を書くだけを長々と弁解文を書いてしまいましたが、せめて建前の言い分を書いておきます。私の欲望だけの協力要請では話にならないからです。

医療危機について医師は憂慮しています。この危機についての意見表明がこれまでとやや様相が違うのはネットというツールが広く使われているところです。ネット世論、ネット言説はここ数年で目覚しいほど発展しています。旧来のマスコミの情報発信力にはまだまだ及びませんが、旧来のマスコミがネットという情報発信力に大きな脅威を抱いているのは間違いありません。そのためにネット世論に対するネガティブ・キャンペインを行うことが目に付くようになっています。

ネット情報で大きな情報発信源となっているのがブログです。ブログの情報発信力は個々の力は弱くとも、まとまれば大きな影響力を発揮します。ツボにはまれば大マスコミの情報発信を覆すほどの事も可能なぐらいの力が出てきています。一方でブログの弱点として、私も含めて匿名での情報発信が多いので、情報の価値、信用が玉石混交である事です。そこの点をネガティブ・キャンペインでしばしば叩かれます。

ブログの信用力を上げるには、信用に値する情報発信を日々積み重ねる事が一番です。匿名での情報発信は「信用」という金看板がないところから始めますので、この不断の努力だけが信用力を高めるすべてと言えます。信用出来うる情報を常に発信しているという信頼感がブログの信用のすべてです。

日本のブログの中で医師ブログは弱小勢力です。内容的にも医療関係者以外への広がりに大きな弱点を持ちます。そういう医師ブログをより広い情報発信源にするために、こういうコンテストに出ることは価値があると考えます。賛否両論があるとは言え、それなりに権威のある賞を取れば信用力は高まりますし、読者の層も広がりが出るかと思います。

よろしくご協力お願いします。

ちなみにですが、コンテストに選ばれても賞金も賞状も出ないようで、得られるのは主催している会社のHPにリンクされるだけのようです。賞の実質はそんなもので、私に個人的に実入りがあるわけではありませんので、義侠心で協力していただければ嬉しく思います。

投票リンク先はサイドバーの一番下に期間限定リンクで貼ってありますから宜しくお願いします。