年度末

ついに今年度も終了で、桜も咲き始めて明日からいよいよ4月です。今日は軽い話題を軽く触れて話とします。

まずそんなに軽くないかもしれませんが、2007年03月30日付Asahi.comより、

麻酔科医師の急死「過労死」と認定 大阪地裁判決

 大阪府立急性期・総合医療センター(旧大阪府立病院、大阪市住吉区)の麻酔科医だった奥野恭嗣(きょうじ)さん(当時33)が急死したのは過重労働が原因だったとして、奥野さんの母親が府に約1億5400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁であった。古谷恭一郎裁判長は「時間外労働が月88時間を超えており、業務と死亡に因果関係が認められる」と述べ、約1億700万円の支払いを命じた。府側は控訴する方針。

 判決によると、奥野さんは94年7月から旧府立病院の麻酔科に勤務。平日の所定勤務以外に、時間外労働や休日勤務などがあった。96年3月5日、大阪市内の自宅で急性心機能不全で死亡した。

 判決は、奥野さんの時間外労働について、同僚医師の証言などに基づき、95年9月〜96年2月に月88時間を超えていたと判断。そのうえで「人の生命にかかわる業務に就いて精神的負担を抱えていたのに、病院側は十分な休憩を取らせるなどの配慮を怠った」と指摘した。

 賠償額については、一般の男性医師の平均給与をもとに、奥野さんが将来得るはずだった逸失利益などを算定した。

 笹井康典・府健康福祉部長の話 主張が認められず、誠に厳しいものと考えている。

中原先生の敗訴のニュースの後だけに清涼感はあります。ただ行政側はやる気満々の気配が窺えますので、控訴審も油断なく頑張ってください。それにしても前に研修医が過労で死亡した時に較べると、現役の医師の扱いは段違いに粗雑だとは感じますね。

次はやっぱり出てきたかというニュースで、2007年03月31日付Asahi.comより、

陸自ヘリ墜落、炎上 徳之島山中 患者輸送要請で出動中

 30日午後11時20分ごろ防衛省に入った連絡によると、陸上自衛隊第101飛行隊(沖縄・那覇駐屯地)所属のCH47ヘリが、鹿児島徳之島の北部、天城岳(標高533メートル)の山中に墜落、炎上した模様だと地元の消防から陸自に連絡が入った。

 陸自や鹿児島県によると、県から救急患者の輸送要請を受けて、ヘリは同日午後9時50分ごろ、那覇駐屯地を離陸。徳之島に向かう途中だった。ヘリには機長ら自衛官4人が乗っていたという。民間人は乗っておらず、4人の安否は確認できていない。

殉職された4人の自衛官の御冥福をお祈りします。救急患者に対してのヘリ運用論議が強くなっており、新医師確保対策にも7000万円の予算がついていましたが、ヘリにも限界がありますからね。やはり天候には弱いし、基本的に有視界飛行だそうですから、夜間の運用にも制限があると聞きます。どれほど墜落するかのデータがすぐには出てこないのですが、個人的には案外事故が多いの印象を持っています。遊覧用なら無理な運用はかなり控えられると思うのですが、救急医療となれば相当な無理を行う事は容易に想像されますから、運用が多くなればこういう事故が増えそうな懸念を持っています。

1回の美談のためならヘリに挑戦しても良いかもしれませんが、日常業務に組み込まれたら個人的には乗りたくないな〜。

この話題も軽く触れておきましょう、2007年03月31日付Asahi.comより

医師の処分、ネットで検索 厚労省が4月から新システム

 厚生労働省は4月1日から、医師と歯科医師の免許の有無や行政処分などについて、インターネット上で検索できるシステムを導入する。患者自らが医師の情報を手軽に調べることができるため、無資格診療の防止など医療安全の向上に役立つと期待されている。

 医師は、厚労省が管理する「医籍」に名前や登録番号、処分歴などが登録されているが、免許の有無については、これまで医師の名前と生年月日、登録番号を厚労省に提示して照会しないと確認できなかった。

 4月1日正午から開設される新システムは、厚労省のホームページから「医師等資格確認検索」にアクセスする。医師の名前と性別、一般医師か、歯科医師かを入力して検索すると、医籍の登録年や、医業停止中かなど行政処分に関する情報が表示される。

記事のタイトルが相当悪意に満ちているのですが、いきなり「医師の処分」ときましたか。弁護士会も似たような情報提供を行なっていたと思いますが、「弁護士の処分」を公表するためにあるものでは無かったかと思います。と言うか行政処分に関する情報に類似したものを公表しているかどうか詳細は知りません。何人分かしか読んだことはありませんのでそれ以上は言えないのです。

それにしても

    医業停止中かなど行政処分に関する情報が表示される。
とはどういう風に情報提供されるのでしょうか。現在医業停止中の医師の無資格診療の防止には役に立つとは思いますが、行政処分歴として刻み込まれる形態なら問題を含みそうな気がします。患者側からすれば行政処分歴の情報から「リピーター医師」の摘発につながり「医療安全の向上に役立つ」とするかもしれませんが、そうなると行政処分を受けた医師は死ぬまでその前科を全国に公表されることになります。そこまでの事は犯罪の前科者にも行なっていないと思うのですがどうでしょうか。そのうちアクセスして確認してみようと思います。

今日はノリが悪いので突っ込んだ話をする気力があまり無いのですが、最後に御協力をお願いしたいことがあります。4月人事の情報は今年に限って言えば、非常に出回りの悪い状態であると感じています。それだけ事態が深刻なんだろうと考えています。当ブログにコメント寄せてくれる方、またROMされている方の中には相当な人事情報を握られている医師もいるようですが、相当な機密情報扱いのようで皆様歯切れが悪かったように思います。

とはいえ今日で年度末、明日から4月ですから確定情報として公表されても差し支えない時期かと思います。当のぢぎく県も情報を知りたいですし、他府県なら首都情報もできれば詳報を頂ければと存じます。噂ほどの大波が来たのか、表面上は取り繕ってシロアリ侵食状態だけが深刻化したのか、ベトンに籠城中と宣言されたBugsy様も伝書鳩ぐらいは飛ばしてください、よろしくお願いします。