学会を作ろう8

シリーズも長くなるにつれてサマリーも長くなるのですが、、

  1. では、医療事故に対する専門家による公平な第3者機関として医療事故防止学会を作ろうでした。
  2. では、学会を作るのは簡単ではないので既製の学会で近い路線のものは無いのかと言うものです。現在のところまだ見つかっていません。
  3. では、どうも既製の学会に相応しいものは無さそうなので、実際に作るならどこから手をつけるかを考えました。学会自体は自由に作れそうですが、問題は学会の信用性で、信用性を得るためには、有力な発起人を集める必要がある事がわかりました。
  4. では、学会を作る原動力の機関として、「周産期医療の崩壊をくい止める会」を活用したらどうかの提案を実行した事です。
  5. では、学会の目的は、臨床の最前線の医者が納得する医学常識としての「正しい医療」を確立する事です。
  6. では、学会の活動として日常活動を重視し、そのためにWEBで議論を重ねるシステムを作ろうです。
  7. では、WEBでの活動は議論過程も含めて透明性、公開性の高いものにしようです。
発足時の会の会員資格ですが、当初は医師及びせいぜい医療関係者まででスタートするのが良いのではないかと考えます。患者サイドの意見も必要になるときが来るとは思いますが、ある程度基礎が固まり、それなりの目安になる基準やガイドラインが出来上がってから参加してもらうほうが、会の運用がスムーズになると考えます。

と言うのも医師だけで集まって検討しても、会議の意見の集約は相当大変だろうと予想されるからです。医師と言う人種はこの手の事を討議させると、譲るとか、妥協すると言う言葉が本当に嫌いな人種で、トコトンまで自分が正しいと信じる主張を貫くところがあります。たとえ最終的に多数決で否決されても、学会を脱退しても自分の主張を守る事も容易に推測できます。最終的には本当に細かい見解の相違をトコトンまで争われるでしょうし、そこでの論議は一般の方々の理解を超えるからです。一般の方々のご協力をお願いするのは、出来上がったガイドラインや基準に対しての疑問や見解についてからの方が良いと考えています。

ただし日常活動をWEBで行い、それを原則公開性にするのなら、意見募集の門は開いておく必要はあると考えています。医師が集まって決めるのが原則ですが、その決定は医師の独善のみであってはならず、決定過程も含めて、できるだけ一般の方々の共鳴理解を得る必要があると考えるからです。この一般の方々の共鳴理解を求め、医師と患者の距離を縮めるのもまた本学会のもう一つの目的と考えるからです。この活動を疎かにすると学会がいかに正しいと信じる活動を行なおうとも、世論への影響力を発揮できないと考えます。

つまり原案作成段階は専門性が非常に高いので専門家たる医師が行ない、出来上がった時点で原案の趣旨の説明として、一般の方々の質問を受け入れ、それに分かりやすい説明を行い、時に医師の独善性が高すぎる部分は改めるという方針です。医師と患者の双方がある程度認めあえるガイドラインや基準が出来上がれば、今後設立が計画されている第3者審査機関の審査にも大きな影響力を及ぼすものになるのではないかと考えます。

これまでこういうもののガイドラインや基準はあってないようなものでした。はっきりしたものが無いが故に、司法の場において医療常識とはかけ離れた判断がしばしば下され、その判断の上に制約される医療が歪み、萎縮医療、防衛医療に進まざるを得ない現状があります。これを遅いと言われようが今からでも是正するためには、まず医者側も集約された意見としてのガイドラインや基準を自らの手で作らなければ話が始まりません。

作るのは当然現場を熟知した最前線の医師であり、作成過程で少しでも一般の方々の理解を求め、声と力を出来るだけ集めて活動することが、医療現場からの真の医療改革ではないかと考えます。