夢の秘湯の旅

 ツーリング日和シリーズは、一応ツーリング小説のつもりです。で、初期設定として購入予定だったモンキーでツーリングをさせています。納車が20ヵ月もかかったのが予定外でしたが、モンキーですから基本は御近所ツーリングにしようと考えていました。

 出発地も神戸にしていますから、県内ツーリングをさせる予定で、県内なら一泊二日でほぼどこでも行けるはずだぐらいの目論見でした。

 小説ですからお泊りツーリングもさせる気が最初からありましたが、ここで最大の誤算が生じます。お泊りさせるなら秘湯の旅にしようです。あくまでもイメージですが、山の中を走って行ってたどり着く秘湯にツーリングさせてやろうです。

 兵庫県ですが温泉の数は決して少なくないはずです。有名どころなら有馬、城崎、湯村ぐらいは全国的にもメジャーな方のはずです。数だけなら結構な数はあります。ですが秘湯となると・・・困り果ててしまったのです。秘湯の定義はあるようで、ないようなものですが、個人的には、

  1. 開湯伝説があるぐらい由緒がある
  2. 一軒宿とまでいかなくて鄙びている
  3. 行くのが少々ディープである
 行くのがディープと言っても、歩いて一日がかりみたいなところはツーリング小説では使えません。使えないと言うかジャンルが違います。せいぜい道が狭いとか、険しい程度で、あくまでもバイクで行ける前提です。

 そうですね、クルマで行くのは少々大変ぐらいです。クルマよりバイクの方が基本的にそういう道に強いはずですから、そういうところぐらい・・・と思ったら本当に無いのです。

 そりゃ、秘湯って言うぐらいですから、そう簡単に見つからないと言われそうですが、情報社会の物凄さは県内どころか、日本中の温泉の情報を網羅していますし、ユーチューバーブームで、こんなところまでってぐらい体験動画が溢れています。

 それでも県内には殆どどころか、まったくに近いほど見つからず、シリーズの早いうちから県外への長距離ツーリングを目指さざるを得なくなっています。県外への長距離ツーリングはシリーズが長期化すれば必至ではあったのですが、もうちょっと県内ツーリングを重ねてからが本来の目論見でした。

 やっとこさモンキーが手に入ってリアルツーリングになっても基本的に変わりません。私が見つけた範囲で言えば、

  • 播磨・・・武田尾
  • 丹波・・・籠坊
  • 但馬・・・浜坂
 これぐらいでしょうか。ですがどれも秘湯とするには少々無理があります。他にはないかと冬の間にあれこれ探していたのですが、丹波に国領温泉を見つけました。

 国領温泉も由緒がありそうな温泉で、戦前には湯治場として栄え10軒以上も温泉宿があったとか。その最後の生き残りが一軒宿として健在のようです。秘湯の条件はそこまでは満たしているのですがロケーションが・・・

 日帰りで見に行ける範囲なので春のツーリング予定に入れています。今どきはかなりの情報を集められますが、やはり現地に行かないと最後のところはわからないものです。小説ネタに繋がってくれるのを期待しています。