福島大野病院事件で産科医が逮捕されたのが2006年2月で、奈良大淀病院事件で衝撃の報道があったのが2006年10月ですから、あれから18年の歳月が流れたことになります。私事ですが、あれからまだブログが延々と続いているのも・・・我ながらしつこいかなってところです。
当時はとくに奈良大淀病院事件は頑張って追いかけたのですが、18年も経てば二つの事件を知らない医師も増えてきているようで、歳月の流れは残酷だと感じている次第です。気が付けばわたしもすっかり爺医になりました。
当時と今はあれこれ変わっている部分は当然のようにありますが、両事件で巨大な影響力を及ぼした新聞業界も変わっています。新聞以外のメディアもありますが、昔のデータも残しているので新聞業界の変化を少し触れておきないと思います。新聞協会データより、
新聞協会のデータは2022年度から会計基準が変わったとなっているのでそれまでのデータの比較から2021年度にしますが、総売上高は1兆3000億円ぐらいでほぼ半減しています。
販売収入の長期低落も続いていますが、広告収入の減少は著しく2006年度には7000億円ぐらいだったのが2021年度には1/3の2600億円弱になっています。
その他収入は安定しているようですが、これってどこまでの収入が含まれているのでしょうね。最近では不動産業とかに熱心の噂も耳にしたこともありますが、その辺の収入がどこまで含まれているのはさっぱりわかりません。
販売収入とは新聞の売り上げのはずですが、ついでですからこちらも新聞協会のデータを出しておきます。
新聞業界が「どうも」重視している世帯ごとの部数も2006年は1.02ありましたが、2023年度は0.49と半減です。これって新聞業界的には深刻な気がしますが、どうなんでしょう。
今だって新聞を敵に回すと手強いなんてものじゃないですが、2006年当時はグラフを見ればわかるようにもっともっと強大でした。ここで特定社を挙げずに漠然と新聞としていますが、だから強大なのです。そりゃ、もう綺麗に足並みを揃えられえるのは昔も今も同じだからです。
言うまでもないですがクロスオーナーシップ体制ですからテレビも一心同体で同一歩調を取られます。福島大野も、奈良大淀も衝撃の報道の後は部外者でしたが大変でした。いつこちらに牙を剝いて来るか内心はヒヤヒヤでした。
あれから20年足らずですが、メディア報道とはどういう物かをわかる方が増えた気がします。そうですね、なんでもかんでも鵜吞みして盲信されない方がかなり増えた感じです。いわゆる情報に対するリテラシーの向上でしょうか。
そうなったのとどれぐらい関係あるかは「まったく」わかりませんが、新聞の占める位置はだいぶ変わりました。10~30代の新聞閲読率は1割足らず…主要メディアの利用状況(2023年公開版)に主要メディアの行為者率のグラフを引用します。
- リアルタイムテレビ 73.7%
- 録画テレビ 19.2%
- インターネット 90.4%
- 新聞 19.2%
- ラジオ 6.0%
- 10代が2.1%
- 20代が2.8%
- 30代が4.1%
- 40代が16.5%
- 50代が29.6%
- 60代以上が46.1%
あくまでも「なんとなく」ですが、遠くない将来に紙の新聞など見たことも無い若年層が出現しそうな気がします。古い映画とかテレビドラマで新聞を広げるシーンがあっても、あれは何かがわからなくなるとかです。
そうなったのが福島大野、奈良大淀だけがキッカケだったと言う気までありませんが、あの頃から紙新聞に対する世間の見方が変わる潮目の時期だったと考えています。
新聞協会データの流れを見る限り長期低落傾向に歯止めが出ている感じは見られません。後10年もすれば紙の新聞なるものがこの世にあり、それが大きな影響力を持っていたと知る良く言えば語り部、悪く言えば爺の繰り言をやってる気がします。もしまだ生きてたらですけどね。