ツーリング日和17 あとがき

 ツーリング日和16の完全な続編です。もともと前編に含まれていたエピソードだったのですが、あまりにも長くなり過ぎて分割させてもらいました。話はシンプルでヒロインのアリスの恋物語です。

 そういう点でツーリング日和シリーズから若干外れる部分があるのですが、無理やりみたいに三回もツーリングに出かけさせています。数だけは三回ですが、どれも一泊二日の小じんまりしたものになっていますが、これは正直なところ行き先に尽きてしまっている部分があります。

 本編でも書きましたが、関西はどちらかと言うと温泉が少ないところです。ですから、ちょっとした小旅行で温泉を使おうにも難儀します。それにここにコトリとユッキーを行かせにくいのもあります。だからアリスを使わせて頂いています。

 個人的に本作で見つけて驚いたのは篠山への鉄道の話です。恥ずかしながら篠山には昔から鉄道はなかったと思いこんでいました。ところがまず大正時代に篠山鉄道が篠山市街まであったことに驚かされたのです。

 もっと驚いたのが篠山口から園部を結ぶ鉄道が戦時中に計画され、ある程度出来上がっていた事です。さらんさらに、国鉄の篠山線が出来たがために篠山鉄道が廃止になってしまってる事です。

 国鉄の篠山線は篠山市街から遠くを走り、さらに敗戦により福住までしか開通していない盲腸線です。そんな鉄道の利用者が増えるはずもなく大赤字で一九七二年に廃線になっています。

 私でも小学生の頃ですが、まったく記憶にありませんでした。ただその時の名残りが福知山線の篠山口駅の駅名に残っているそうです。ここはもともとは篠山駅だったのが、篠山線が出来た時に篠山駅が別に出来たので篠山口駅になり、篠山線が廃線になり篠山駅がなくなっても元の篠山駅に戻らなかったそうです。

 さして鉄オタじゃありませんから、そうなんだぐらいにしか思いませんでしたが、篠山線が園部まで計画通りに伸びていたらどうだったかとか、篠山鉄道が廃止にならなければどうだったかとかをあれこれ考えさせてもらいました。