リアル・ツーリング日和5 1000kmインプレッション

 なんだかんだで慣らし運転が1000kmになったのでインプレッション。とにかく20ヶ月も待たされたので、事前情報だけはテンコモリもって臨みましたが、一言にすれば、

    あれだけ評価が高いのは、こういうことか!
 慣れて来ると乗りやすいですし、扱いやすいバイクです。それに良く走ってくれます。走りについては期待以上のところさえあると考えています。ですが、良く走ると言ってもあくまでも原付二種にしたらは当然の前提です。

 エンジンスペック的には先代のアドV125Sとも、先々代のベスパ125ETと変わらないですから、目を剥くほどのものではありません。たとえば高速走行では付いて行くのが苦しくなります。高速と言っても、高速道路や自動車専用道は走れないのですが、そうでなくとも流れが速い道路はあります。

 そこでは走行車線の流れについて行くのが懸命状態になるのは同じです。違いはタイヤが大きくなっている分だけ安定感があるぐらいでしょうか。しょせんは原付二種の小型バイクであるのは言うまでもないぐらいです。


 ふと思ったのですが、最初に買ったバイクがモンキーなら、そのうち物足りなくなるだろうぐらいは想像しています。これは今でもそんなに変わっていないと思うのですが、若い時にバイクに期待するのはやはりスピードです。

 私だってカタログスペックを追い求めたものです。これは批判ではなく若さのパワーみたいなものです。少しでも加速力を求め、いかにコーナーを鮮やかにクリアできるかに多かれ少なかれ血道を挙げたものです。もちろんその能力が秀でたバイクが素直に欲しくなるぐらいとすれば良いでしょうか。

 そういう点でモンキーは平凡です。エンジンも10馬力足らずで、これもあちこちで指摘のあったニーグリップも十分に出来ません。つうか、根本的に走りを追及するバイクじゃないのです。気軽に乗り出して、トコトコ走って楽しむためのバイクです。

 そういう楽しみ方もバイクにはあるのですが、若者が免許を取って初めて乗るバイクにしては能力的に物足りない気がします。もし買ったとしても、時間が経てば食い足りなさを感じ、さらに高速や自動車専用道を走れない不便さから中型にステップアップしていくような気がしています。

 それはそれで良いと思っています。つうか、若いのにモンキーに満足しきってしまう若者が大多数ならかえって寂しい気がします。私だって若ければ、何年か先にもっと走れるバイクが欲しくなったはずです。

 モンキーを気に入る人は、あれこれバイクを乗り継いで自分のライディングスタイル、バイクに求める走りを悟った人じゃないかと思ったりしています。スピードよりバイクに乗る楽しさ、手軽さを求めたい人ぐらいのイメージです。

 手軽さもバイクに乗らない人にはわかりにくいかもしれませんが、クルマと違い車体の大きさは乗り手を確実に選びます。大きなバイクの方がパワーもあって速度も出ます。排気量マウントなる言葉さえありますが、

    大型は良いぞ♪

 この世界です。確かにそう言う部分は間違いなくありますが、大きさ故の取り回しの大変さもあちこちに語られてます。そうですね、

    乗り出すだけで一苦労で、やがて乗らなくなってしまう
 それぐらい大変なところがあるのが大型バイクです。車体の大きさと乗り手の相性はそれこそ千差万別で、それでも大きな方が良いと言う人はたくさんいます。たくさんいますが、ここで悲しいエッセンスも入って来ます。そう、年齢による体力の衰えです。

 この辺の個人差は大きいですが、中型ぐらいのバイクに人気が出るのはその辺もあるとは思っています。免許の関係ももちろんあります。

 私の様な黄昏のバイクライフを楽しもうとするタイプはモンキーぐらいがちょうど良いと思っています。人気はあってもとにかく手に入りにくいのでそれなりに注目を集めますし、原付二種にしては割高なので興味があっても手を出していない人も少なからずいるはずです。

 ベタですがそれなりの所有感の満足と、これもまたそれなりに楽しい走り心地がちょうど良いぐらいでしょうか。なんか、そう言う人に一番マッチしたバイクの様な気がします。

 グダグダ書き並べましたが、理屈なんかどうでも良いことで、1000kmインプレッションとしては気に入ったが結論です。残り少なくなったバイクライフをせいぜい楽しませて頂きます。