ナニカみたいな騒動:記者会見場

 まず、

  • (監査請求を申し立てた)一般人氏
  • (監査請求の対象になった崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表がおられる)団体
 こうしておいて話を進めて行きます。崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表に関しては伝聞ですが、これを否定する根拠を持ちませんのでこうさせて頂きます。こうさせて頂くのは決して魔除けとか、姑息な免罪符にする意図は微塵もございませんので誤解なきようにお願いします。

 団体の会計報告・活動報告の分析によりあれこれと疑問点を抱かれた一般人氏はそこからの推理をあれこれ展開されます。この一般人氏ですが理詰めは理詰めなのですが、ややエンタータイメント性の高いところがあります。

 そこが面白味ではあるのですが、見ようによっては揚げ足を取られる(取らせてるの意見もありますが・・・)こともありそうな気はします。あれが揚げ足かどうかはこれからの推移をみないとわかりませんが、団体側が一般人氏を誹謗中傷を行い、活動を妨げているとして訴訟を起こします。

 悪意ある誹謗中傷と感じ訴訟を起こされる自由は保障されていますし、訴訟を起こす際に記者会見を開かれるのもよくある事です。ですがここで物議となったのが記者会見を開かれた場所です。どこで記者会見を行っても良いのですが、使用されたのが衆議院議員第二会館の第一面接室です。ここはシンプルに国会議員会館の会議室として良いと思います。

 衆議院議員会館案内をちらちらと目を通した程度ですが、会議室の利用について、

  • 議員同士による会合及び議員とその議員が指定した会議出席者との会合に使用できますが、議員の名を借りた関係団体の申込みはできません..
  • 集会、請願、要請、陳情等には使用できません。
  • 出席者数は会議室の定員を厳守し、定員数以上の通行証を発行しません。

 他にもっと正式の規則もあるかもしれませんが、これだけ分かれば参考になります。まず団体が自分で借りることは出来ません。借りることが出来るのは衆議院議員だけです(参議院議員については確認していません)。

 これも変な規則ではなく衆議院議員会館ですから、誰にでもオープンに出来ないことは用途の特殊性からそんなものだろうぐらいの話だと思います。特殊性という点から言えば議員会館への出入りも厳重に管理されており、通行証を得ないと入館できないシステムになっています。

 ですから会議室で議員以外と会合をする場合でも、議員が指名し招待された者になります。その人数も決められており、会議室の定員数までと明記されています。ちなみに記者会見場となった会議室の定員数は40人となっています。

 つまりと言う程ではありませんが、記者会見に出席された方々はすべて会議室を借りた議員が指名した者になります。そうでないと議員会館への通行証が得られないからです。では実際にはどれぐらいの人数が集まったかですが、それについての情報を見つけられませんでした。

 せめてもと思いで出回っている動画で確認してみました。確実にわかるのはまず司会進行役の団体副代表の方、さらに団体側として机を並べられた9人の方です。9人の内訳は団体代表と7人の弁護士と・・・もう1人は誰かは遺憾ながらわかりません。

 動画は1時間半にもなるものですが、ひたすら9人の団体側の方々を撮られ、記者席へのショットがありませんでした。それでもプロジェクターの操作役は1人は必要のはずです。他にも団体側からのカメラ係とか、ビデオ係は最低限は1人はいると見るのが妥当でしょう。

 そうなると団体側の出席者は最小でも12人になります。これは最小の見積もりで、司会者を含む画像で確認できた10人以外の団体のスタッフが2人は少ないと考えています。だって会議室を記者会見場にセッティングするのが2人では厳しい気がします。

 そりゃ、弁護士の先生方も協力してくれれば良いですが、どうだったんでしょう。ですから団体の裏方スタッフは5人とし、団体側の出席者は15人と考えます。そうなると残りの参加枠は25人になります。ここも細かいことを言うと40人の中には会議室を予約した議員も含まれます。

 それでも指名招待された報道陣は25人ぐらいが上限のはずです。とにかく記者席側の映像資料がありませんから、記者で質問に立たれた人を数えてみます。これが大変だったのですが、探すと文字起こしまでされている方がおられたので助かりました。全部で8人の記者が質問に立たれており、

  1. 望月記者(東京新聞)
  2. 柏記者(神奈川新聞)
  3. 佐藤記者(東京新聞)
  4. 宇多川記者(毎日新聞)
  5. 安田記者(フリーランス)
  6. 尾崎記者(FP通信)
  7. 狩野記者(朝日新聞)
  8. 小林記者(NHK)
 漏れはないはずですが、私の確認する限りこの8人です。内訳としては報道機関が6社、フリーランスがお一人です。これ以外で確認できるのは私も見させてもらった動画の作成者です。IWJとなっていまして岩上安身氏が社長をされている報道機関で良さそうです。他で確認できたのは赤旗で、写真入りの記事を出していますから確実に出席しています。

 そうなると報道機関が8社とフリーランスが1人になりますが、各社が一人ずつとは限りません。記者質問だけでも東京新聞は2人おられます。ここも東京新聞は2人質問に立たれていますが、赤旗は質問に立っておられません。つまり東京新聞以外にも複数の記者が出席されている可能性はあります。

 それとこういう取材であれば記者以外にカメラマンも出席されるはずです。カメラマン以外にもビデオ係も出席されているところもあるはずです。たとえば東京新聞は独自に記者会見の動画を上げられていますし、NHKならビデオ係がいない方が不自然な気がします。

 言いだせばキリがないのですが、フリーランスも含めて報道機関を9社と見て、各社が2人ずつとして18人が最低線で、2人以上のところがそれなりにあるとして、20人ぐらいは出席されたと見れる気がします。上限は25人ぐらいですから、これだけですべてかもしれませんし、それ以外にいたとしても1社か2社程度と推測します。

 ここでもう一度念を押しておきますが、集まった報道陣は記者会見があるとの情報を聞きつけて集まった訳じゃありません。それが出来ないのが議員会館になります。すべて建前上は会議室を借りた議員が選んで指名されたところになります。

 どういう基準で選ばれたかについては・・・議員に聞いてください。私ではさっぱり見当すら付けようがありません。この記者会見場にはもう一つ側面があります。議員会館の会議室は

  • 議員同士による会合
  • 議員が指定した会議出席者との会合
 これに限定されています。議員会館の特殊性から理解できるところです。その延長線上で、
    集会、請願、要請、陳情等には使用できません
 こうとも明記されています。そこから考えると一般社団法人が一般人氏に対して訴訟を起こした記者会見場として使用しても良いのかの疑問が出てきます。たとえば禁じられている集会に該当する可能性はどうなんだろうかです。

 この点は7人も弁護士が臨席されて訳ですから、なんらかの理由によってクリアしていると見るべきかもしれませんが、外野からはクビをかしげざるを得ないところがあります。それでもクリアできた理由を少しだけ考えてみます。

 まず記者会見は建前として規則に照らし合わせると議員が指定した会議出席者との会合となっているはずです。まさか団体の記者会見のためとはしていないはずです。それでクリアしていますから、あるとしたら規則と実運用上の慣例としての実態が乖離している可能性が考えられます。

 そりゃ、使っているのが国会議員ですから、あれこれウルサ型が多いはずです。なんだかんだと運用上の拡大解釈の歴史が積み重ねられていても不思議とは言えません。そういう規則と実運用上の実態の乖離は議員会館でなくても起こるものです。

 ですが私的施設と公的施設では扱いが少々異なってくるところがあります。とくに議員会館となるとチト問題になりそうな気はします。議員会館は国民の負託を受けた国会議員が国政のために使われる施設になります。平たく言えば国税での直営施設です。

 先ほど考えた実態との乖離ですが、ウチウチならまだしも全国ニュースとして報道されてしまうと本来の規則との整合性が浮上すると言うか、問題視する人が出て来る懸念があります。実態とは使用者間での暗黙の了解みたいなものですが、そんなものは納税者は知る由もありません。わかるのは規則との整合性だけです。

 思うのですが、会議室の利用でもう少し体裁を整えても良かった気がします。たとえば会議室を借りた議員が司会進行役みたいな位置にいて、議員との会合である最低限のスタイルを取るとか。もっともそんなスタイルでもやっているのは一般社団法人の記者会見ですから。それでもどうかの問題も残りそうです。

 どうしても記者会見は集会じゃないのかの疑問に戻ってしまうのですが、慣例ではそうでないの先例でもあるのかもしれません。そうなると外野からはクエッションマークしか出て来ません。記者会見を議員との会合とするのに違和感がどうしたって残ります。

 そもそもみたいな話になりますが、わざわざこんなややこしいところを記者会見場にしなくとも良かったんじゃないかと思ってしまいます。弁護士を7人を一千万円程度の訴訟に雇うほどの資金力をお持ちですから、都内ならいくらでも記者会見場を他に選べたはずですもの。

 とは言うものの、既に議員が議員会館の会議室を借り、一般社団法人の記者会見を開いてしまっています。私のような外野からすれば、納税者からの素朴な疑問を説明して欲しいところです。それが国民の負託を受け国税で国政を委ねられた議員の仕事の一つじゃないでしょうか。

 その会議室を団体の記者会見場として借りた議員ですが、これは長くなったので明日にします。