紹介文は、
ひょんな事からエッセンドルフの侯爵になってしまったユリですが、婚約者であるストリートピアニストのコウに誘われて東北ツーリングに出かけます。
コウは毛越寺でピアノを弾いていた飛鳥井と言う男に異常な関心を示します。この飛鳥井は事件を起こして忘れられていた歌手だったのです。
コウは旧知のユッキーやコトリに飛鳥井復活を頼み込むですが、この二人も難色を示しまくります。 飛鳥井とは何者、犯した罪は償える物なのか。コトリとユッキーが下した判断の是非は。
ツーリング日和シリーズの基本構成はツーリング先で誰かに出会う事です。そりゃ、誰かに出会わないと話が広がりようもありません。ですがこれを捻くり出すのに七転八倒状態になります。平凡な人物ではドラマが起きません。どうしたって定番の何かを背負った男なり女が必要になります。
今回も困り抜いた挙句にユリの再登場です。ユリの設定もその母も含めてあれこれ使いやすいのが本音です。ですが、どんな事件を起こさせるかが次の難題になります。
これについては、忘れられていた歌手の復活談にしてみました。モチーフにしたのは、読めば多くの人はわかると思います。手垢の付いた設定ではありますが、こういう話を書いて見たかったがありましたから、なんとか書きあがって満足はしています。