物言えば唇寒し秋の風

 これは芭蕉の句で、

    人の短をいふ事なかれ 己が長をとく事なかれ
 この言葉に続けてのものです。これの解釈としてデジタル大辞泉より、

人の短所を言ったあとは、後味が悪く、寂しい気持ちがする。転じて、何事につけても余計なことを言うと、災いを招くということ

 そうなんですが、ちょっと違うニュアンスで使われることもあるように見ています。今風に言えば失言による炎上みたいな状態です。失言の質もトンデモ級から、TPOに合わなかった、物は言い様まであります。

 もうネット時代なんて言葉さえ陳腐になっていますから、ちょっとした失言が、発言者の立場、肩書でバッシングの嵐にさらされます。横目で見ていても、そりゃ、叩かれるだろうから、あれであそこまで叩かれるかまで様々です。

 これまたネットの特性にもなってしまいますが、叩かれて燃えだすと、それこそ雲霞のごとくに油が注がれてしまいます。個人的には、おっそろしと思って見ています。

 そういう風潮の是非についてあれこれ意見があり、根絶論から条件付き容認論までありますが、あれって標的にされるとシンドイものです。幸いなことに大炎上は経験ありませんが、プチ炎上ぐらいならあります。当時なりに気を付けたつもりでしたが、それでも起こり、かなり嫌な思いをしたものです。

 小説と小説の間に雑談を入れるのを慣例にしていますが、どうにも可燃性が高い話題に触れるのが怖くなっています。たとえばコロナとか、ウクライナです。時事問題として触れやすい一方で、切り口一つで何を言われるかわかったもんじゃないの恐怖です。

 そんなに心配しなくとも読んでる人なんてわずかなのですが、無理せず安全運転の意識が強くなってしまっています。だから人気が出ないのですが、それもまた良しぐらいに思っておきます。しょせんは個人ブログですから、どうしようが自由と言うことで。