漢文の話

 歴史ムックに熱中している時に日本書記とか、魏志倭人伝とか、吾妻鑑とか、玉葉とか、播磨風土記と格闘してました。漢文の素養と言っても高校までの授業レベルでして、無理があると言えば、無理があると痛感してました。

 あの頃に考えたのは、漢文だって当たり前ですが文法があって、読む順番があるはずだです。文法のすべてを覚えるとなると、どんな言語であっても大仕事過ぎますが、初歩的なルールを覚えるだけでも、ずっとずっと読みやすくなるんじゃないか、読みやすくなるはずだと考えてました。

 そう考えてググったのですが、読み下し分を掲載しているところはいくらでもありましたが、優しい漢文の読み下し方とか、漢文を読みたいならこれだけ覚えとけ的なサイトをついに見つける事ができなかったのです。あったのはせいぜいレ点の読み方ぐらいでしょうか。

 それでも並んでいる漢字と格闘していると、あれって不思議なもので、それなりに意味が取れるようになるものです。我流も良いところなのですが、趣味の歴史ムックに使えるぐらいは読めるようにはなりました。

 ですが、基本文法を学べば、もっとラクに、もっと正確な意味がわかるはずだの思いはずっと持っていました。実はコチコチの専門家にも相談したことがあるのですが、

    それだったら大学の聴講生になったら・・・
 そこまですれば良いのはわかります。ですが申し訳ありませんが、これでも本業がありますから、そこまで時間が取れません。つうか、そこまでしないと初歩の基本さえ覚えられないのかぐらいの感想です。


 この問題はかくして棚上げ状態だったのですが、YouTubeの中国人サイトを巡っているうちに、一つの答えを見つけた気がしました。

 見てもらうのが一番良いのですが、中国語が出来ても漢文は読めないとあっさり結論しています。理由も明解で、
    中国人に取っての漢文は、日本人にとって古文の様なもの
 ここも私に言わせれば、もっと難度が高いと見て良いはずです。これは個人差が大きいところがありますが、古文は活字になっていればかなり読めます。たとえば枕草子、

春はあけぼの。やうやう白くなり行く、山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 現代文のようにストレートに読めないとしても、それなりにわかるからです。ここも付け加えれば高校レベルの古文授業の知識でかなりわかるぐらいです。Youtubeでは2019年の漢文問題を例に出していましたが、読んでの中国人の感想は、

    まったくわからん

 漢文を中国人が読むのにも、日本語の古文を読むときのように古語を覚える必要があるようです。それは理解できるのですが、中国人に取っても古語を覚えるのは大難関のようで、

    みんな大嫌いやった
 日本人だって古文の古語を覚えるのが好きな人は多くないでしょうが、これまた感触ですが、中国人が漢文の古語を覚えるのはもっと難しいというか、忌避される感想をもちました。その理由を考えたのですが、現代語との距離がよりい遠いからかもしれません。

 古語と言っても現代語とルーツは同じのはずです。時代と共に変化したのが現代語になるのですが、あまりに変わり過ぎれば新しい単語を覚える作業と同じになるぐらいでしょうか。言い換えれば現代語から古語を類推するのが非常に困難になっているぐらいです。

 それとYoutubeの中で文法も変わっているの発言もありました。これは現代中国語の話し言葉と相当変わっている部分が多いのだと考えられます。

 日本語の変化も早いと言われていますし、現代使われている書き言葉も明治期以降に確立したもののはずです。もっとも中国は四千年ですし、中国の古文は三千年前のものらしいですから、その辺の差はあるのかもしれません。

 だからどうしたレベルの話ですが、お手軽に漢文の基本文法を覚えるのはあきらめたぐらいです。