日本シリーズ雑感

 阪神には鬼のように強かった巨人が4タテの結果なのは周知のとおりです。とにかくチャンネル権がないもので見ていないのですが、論評としては歴然過ぎる力の差があったとか。

 それでも4タテは情けないとは思ったのは正直なところです。そりゃ、ペナント・レースでも3タテはそうそうは起こらないからです。戦力としてSBが上だったのは認めるとして、一つも勝てなかった要因をちょっと考えてみます。

 今回のシリーズで引き合いに出されたのは2005年の日本シリーズ。プロ野球ファンの間では、

    33 - 4
 こう揶揄されるシリーズです。このシリーズは見ていましたが、ロッテが圧倒的に強かったと言うより、阪神のシリーズへの調整失敗が出たと見ています。2005年の日程を表にしてみると、

Date ロッテ 阪神
9/28 公式戦 公式戦
9/29 * 公式戦(優勝日)
9/30 * 公式戦
10/1 * 公式戦
10/2 * 公式戦
10/3 * *
10/4 * 公式戦
10/5 * 公式戦
10/6 * *
10/7 * *
10/8 PO 1st *
10/9 PO 1st *
10/10 * *
10/11 * *
10/12 PO 2nd *
10/13 PO 2nd *
10/14 * *
10/15 PO 2nd *
10/16 PO 2nd *
10/17 PO 2nd *
10/18 * *
10/19 * *
10/20 * *
10/21 * *
10/22 日本シリーズ

 阪神は9/29に優勝を決め、10/5に公式戦の日程を終了しています。そこから日本シリーズが始まるまでに17日間の空白を強いられています。もちろん練習はしていたにせよ、真剣勝負の活きた球から遠ざかっていたと考えています。

 一方のロッテはプレイオフの1st及び2ndステージを戦っています。そりゃ阪神は休養こそ十分だったでしょうが、いわゆる試合勘が鈍りきってしまっていたと考えています。それを調節するのがプロだと言えばそれまでですが、プロだって難しい調整の気がします。

 今年の巨人もそういう部分はあると考えています。優勝が決まったのが10/30でシリーズ開幕が11/21。実に3週間の間隔があります。2005年の阪神よりマシなのは公式戦が11/14まであったことで、実戦の空白は1週間程度で済んでいます。

 もう一つの要因としてチームの好不調があります。巨人は独走でリーグ優勝を決めていますが、シーズン終盤に明らかに調子を落としていました。とくに10月後半の優勝目前の頃が酷く、5連敗を喫しています。どん底状態だったと見て良いと思います。

 そこから最終公式戦の11/14までに建て直しが結果として出来なかったとしか言いようがありません。その辺が調製になりますが、上手くいかなかったのが結果の気がします。

 それにしてもセ・リーグはなぜCSをやらなかったか不思議です。今年は変則日程でしたが、パ・リーグは行いセ・リーグは行っていません。公式戦とはいえ消化試合とCSでは真剣度が違うと思います。CSで勢いを付けたSBに蹴散らされたと見るのは可能です。

 CSをやっていれば巨人も復調のキッカケをつかみ、シリーズに勝てないまでも4タテはなかった可能性があります。

 もっともあの状態ではCSで敗れた可能性も出てくるのですが、代わりに阪神が出場していても・・・結果は4タテだったかもしれませんね。あのザル守備でSBに勝てると阪神ファンでも思いにくいところです。