競技カルタ:札押し

 ちはやふるでブームを起こした競技カルタのお話を。作品で取り上げたので、素人がやっと調べてわかったことを紹介します。

 競技カルタと言っても、とにかく札を吹っ飛ばすゲームぐらいしか知識がなかったので、例の如く泥縄式に調べています。わかって納得したのは、あの札を吹っ飛ばせるルールの背景です。ちょっと長くなるのですがお付き合いください。

 まず競技カルタには陣があります。要するに自分の持ち札を並べているところです。あれも規定がありまして、幅が87センチで、上中下の三段に札を並べ、札の間隔は1センチ、両陣の間隔は3センチと決まっています。妙に端数があるのですが、元々は幅は畳の幅で、間隔は畳の目で良いようです。

 持ち札は左右に分けて並べるのが基本で、その四隅を結ぶ線が競技線となり、競技線の中が陣です。解説するまでもありませんが、自陣と相手陣が正対して向かい合います。

 ここで競技カルタ独特のお手付きルールが絡んできます。競技カルタは詠まれた歌の下の句を探し当てるゲームですが、間違った札を触るといろはカルタ同様にお手付きになります。ただし条件が付きます。

 詠まれた歌の下の句の札を出札と言いますが、これがどちらの陣にあるかでお手付きルールが変わるのです。たとえば自陣に出札があれば、自陣の他の札を触ってもお手付きにならないのです。相手陣にあっても同様です。お手付きが発生するのは、出札が無い陣の札を触った時になります。

 それと札を取るルールも独特です。競技カルタでもどちらが早く出札に触るかになるのが原則ですが、それ以外に押し札でもOKの規則があります。押し札とは、出札に直接触らずも、他の札とまとめて競技線の外に押し出しても取りになります。つまりと言うほどではありませんが、

  1. 出札がある陣内ではお手付きが発生せず、どの札も触れる
  2. 取りは出札に触らずとも、他の札と一緒に競技線外に押し出せばOK
 札を並べる時に左右に分け、真ん中を空けるのが基本としましたが、たとえばある段に四枚の札があるとすれば、四枚ごと吹っ飛ばしても良いのが競技カルタです。

 これの応用編のようなもので、横に薙ぐのを払い手と言いますが、縦に突き出すのもあります。これを突き手と呼びます。札は競技線の左右だけではなく、相手陣の奥に押し出しても取れるのです。

 そうなると相手陣に突き手で取りに行った時に、相手が払い手で取りに来るシチュエーションも発生することになります。ちなみに払い手同士が激突した時には、

  1. より札に近い方を取りにする
  2. 位置が同じなら札が自陣の者の取りにする
 これが突き手と払い手が激突した時には、札への近さではなく、札が押し出された方向で取りを決めるとなっています。

 実際の試合を見ていると、出札に触ろうが触ろまいが、吹き飛ばす事が多いようです。これは出札をピンポイントで狙うとスピードが落ちるので、勢いが着いた手がそのまま札を押し出すからだと思っています。

 ここまで調べて、やっと競技カルタで札の吹っ飛ばし合戦になる理由が理解出来ました。囲い手の話も面白かったのですが、長くなりそうなので次回にします。