小説を本にする雑談

 小説は書くだけで大変なのですが、これを本の体裁にするのも一作業必要です。本当のプロ小説家なら、

    編集 → 執筆 → 校正・校閲 → 製本
 こんな感じで進むと想像しています。最初の編集はいわゆる担当が執筆依頼に来るぐらいのシーンです。出版社は本を売るのが商売ですから、その執筆者に売れそうな本を書いてもらいたいわけです。この辺は執筆者との力関係もあるでしょうが、あれこれ相談しながら誘導していくぐらいでしょうか。

 執筆はかつては原稿用紙と格闘しながらのものでした。生原稿が展示されているとところもありますが、それこそ削って、書き足して、欄外にもビッシリなんての見たことはあります。今ならワープロ・ソフトでしょうが、気に入らなければ何回も書き直しますからね。

 執筆者が書きあがると校正・校閲に入ります。校正とは文字や文章の誤りを正す事となっています。誤字や脱字、てにをは、句読点の使い方とかでしょうか。校閲とは使われている言葉や内容のチェックぐらいで良さそうです。校正と校閲の違いは長くなるのでこれぐらいにしておきます。

 そこから製本になりますが、本にする段階になるとページ区切りが気になります。本はページ当たりの行数、行当たりの文字数が決まっており、それこそ区切りによって「す。」だけで1ページになったりします。それでは体裁が悪いので伸ばしたり、短くしたりします。

 プロ作家なら執筆だけが仕事ですが、アマチュアの趣味となると、当たり前ですが全部自分でやる必要があります。処女作を書いた時が大変でして、生原稿にあたる部分を横書きで書いてしまい、さらに半角文字をふんだんに使っていたので、これを縦書きに変えるだけで地獄を見ました。

 そこで第2作以降は製本まで意識した状態で書くことにしています。私の原稿は40字の18行です。この設定をWordに組んでおけばページ区切りの体裁は書くときからわかります。

 今使っているテンプレは紙の本を作る時の余白や綴じのための余白、さらに表紙や目次、タイトルページも含むところまで作ってあります。これを作るのは・・・大変でした。

 校正・校閲は賽の河原の石積みみたいな作業で、ひたすら読み返しながら修正を繰り返す感じです。ほとんど校閲と執筆がゴッチャになっていますが、下手すれば1/3ぐらいゴッソリ書き直すこともしばしばあります。

 そこまでやってPDF化。これを刷れば紙の本になるところまで作って自己満足です。執筆から完成まで約40日。コロナ向きの趣味ですが、最近新ネタに困っているのが悩みです。