マスコミのマナー

まず10/11付日テレNEWS24より、

東京地検 長崎北徳洲会病院に家宅捜索(長崎県

医療法人徳洲会グループによる公職選挙法違反事件を巡り、東京地検特捜部は11日、長崎市の長崎北徳洲会病院を家宅捜索しました。

家宅捜索が行われたのは長崎市の長崎北徳洲会病院です。病院によりますと、東京地検特捜部の捜査員9人は午前9時から捜索に入り、出勤簿や給与明細などの関係書類を押収したということです。この事件は去年12月の衆議院選挙で、鹿児島2区から出馬した徳田毅議員の陣営に徳洲会グループが全国から職員を動員し選挙運動の報酬を支払った公職選挙法違反の疑いがもたれているものです。病院からは去年12月4日の公示日前後、事務職員5、6人が業務を欠勤して鹿児島に派遣され、選挙運動を行い報酬が支払われたということです。捜索ではこの職員に対する事情聴取も行われました。

例の徳洲会選挙運動違反関連の捜査ニュースです。徳洲会もしばらく大変だろうなぐらいしか感想はありませんが、徳洲会の選挙運動は知っている人には余りにも有名で、手を付けられたら埃がタンマリ出るだろうぐらいは説明不要かと思います。ただ職員にとっては、選挙運動が「命」なんてのは一握りで、後は単なる業務命令です。報酬にしても業務命令の見返りぐらいしか意識はないわけです。それが公職選挙法違反と言われれば「そうなんですか?」ぐらいのところです。

話はこの病院で地検捜査及びマスコミ取材を実際に経験した医師の見聞談につながります。脳卒中対策少しずつ様の共同通信記者の強要~病院の受付でテーブルを叩いて凄む愚行より、

患者さんが居る前で昼間から徳洲会病院は発言する義務がある!とテーブルを叩く記者。地検も驚いて共同通信に連絡が入り記者も手ぶらで帰りました。日常診療に影響を与えるようなマスコミの非常識に呆れます。

どうも共同通信記者も現場に取材に訪れていたようです。そこでどうも病院側のコメントを求めたと見て良さそうです。求められても病院として正直困るところと見ます。徳洲会公職選挙法違反はいわゆる「組織ぐるみ」的なものであり、この病院は誰がどう見たって

    下っ端の末端組織
それこそ「上」からの業務命令に従って事務職員を選挙運動に動員し、いつもの通りに事務処理としての報酬支払を行っただけです。言い換えればこの病院が選挙運動の中核的な施設とか本部的なものではなく、要となるボス的な大物が鎮座しているとは考えられません。東京地検の捜査が入ったのも、中枢の大ボスの外堀を埋める捜査の一環と見るのが宜しいかと存じます。

それと徳洲会ぐらいの大組織になるとリスクマネージメントはしっかりしていると思いますから、初歩の初歩であるマスコミ対応の一元化は当然行なわれているとも考えられます。白昼堂々、一病院長が独自の見解を話すとは到底思えません。コメントが欲しいなら「本部で聞いてくれ」状態だと思われます。


それでも何か引き出すのがジャーナリストの仕事とは言えます。その点は理解します。ただ何か引き出すと言っても正面からは無駄なのは自明ですから、搦手から引き出そうとするのがプロの技法の気がします。もちろん正面からも一度ノックして「ダメだった」の事実を残しておくのも必要と思いますが、ノックの仕方が凄まじい気がします。どれぐらい凄まじかったかは、

    地検も驚いて共同通信に連絡が入り記者も手ぶらで帰りました
う〜ん、地検がわざわざそこまでするぐらいですから、さぞやの様子だったのでしょう。間違っても少し机も叩いたではなく、力一杯何回も「ぶっ叩き」、執拗に怒鳴り挙げながらコメントを要求された可能性がありそうに存じます。ほんの短時間の「やや強面」のやり取りだけで「地検」がそこまでするとはチョット思えないからです。何が何でも正面突破する気だったにしか読めません。つうか正面突破は「出来て当然」ぐらいの感覚に見えます。

正面を強くノックしても必ずしも悪いわけではありませんが、強い要請ではなく恐喝とか脅迫に近い振る舞いと容易に推測されます。今回の場合、地検は第三者の判断者の位置にいるものとも考えられますから、この地検が気になり動いたと言う点は十分な傍証になると考えます。この程度の話はマスコミ業界的には「武勇伝」ぐらいなのかもしれませんが、そういう業界を知らない人間から見ると文字通りの傍若無人です。まあ地検がいてさえこの傍若無人ですから、そうでなければ・・・大変特殊な社会マナー感覚をお持ちの業種の人々である事を改めて確認させて頂いた次第です。