世に才人はいるもんだ!

今話題の動画です。元はニコ動だそうですが、YouTubeにupされたもの引用させて頂いています。感心するぐらい良く出来ています。動画で必要にして十分なんですが、今日はこれの文字起こしをしてみます。これもまた趣があって宜しいんじゃないと言うところです。

議長

鳩山由紀夫代表
    国民の皆さん、民主党鳩山由紀夫です。国民を代表して、この日本の危機において、迅速機敏に有効な手を打たない内閣総理大臣だ。その座に居座る事自体が、国民の利益に反すると申し上げます。この3ヶ月の迷走と混乱を見る時、力なき総理の偽りが、不況と失業を拡大させている事は明白です。日本の危機、国民の苦難を前に、総理の椅子に一日でも座っていたいと言う、あなたの欲望を認める余裕はありません。

    総理の朝令暮改、支離滅裂の極みは、公債の発行です。財源は赤字国債に依存しないと明記し、総理自らが何回も公約していたではありませんか。バラマキは行なう、借金は増やす、増税する。こんな滅茶苦茶な財政方針を提案した内閣はありません。もはや財政に対する責任は放置した、財政再建目標を反故にしたとハッキリ主張するべきです。

    総理の精一杯の弁解を聞きたいと思います。
議長鳩山由紀夫総理
    私どもが政権を取ったらすぐに、あたかも君子が豹変したように思ったように書かれていますが、仰いまいしたけれども、そのようなつもりは毛頭ありませんし、言うまでもありません、君子でもありません。

    マニュフェストは、国民の皆様方への民主党の誓約でございます。もし4年経って、国民の多くの皆様から、残念ながら民主党社民党国民新党連立政権、マニュフェストの政策がなかなか達成できなかったね。もし国民の皆様方からそう思われたら、当然、政治家としての責任は取ります。言うまでもありません。

    国債発行額についてのお尋ねがございました。○○(聞き取れず)がなかなか具体的に○○(聞き取れず)による、正確な数字が認める状況ではありません。しかしその中で、国債発行額を極力抑える政府である事をお伝えしたい。
鳩山由紀夫代表
    この現実をどう説明するんでしょうか。この生活の危機は、まさに人災、政治災害であります。不況と失業を放置し、失言と食言を繰り返し、総理は国民に対して、自ら総理の座に居座る以上、なんと説明されますか。明快にお答え下さい。

鳩山由紀夫総理
    景気対策について御質問がありました。この新しい内閣は、経済合理性や、経済成長率と言うものに偏重しないで、国民の暮らしの豊かさに力点を置いた、人間のための経済と言うものを目指したい。そう申し上げたところでございます。
鳩山由紀夫代表
    さて、国民の最も怒っているのが官僚の天下りです。内閣のやっている事は、天下りの奨励、渡り鳥の容認、官尊民卑、国民から見ればまさに背任といわざるを得ません。

鳩山由紀夫総理
    日本郵政株式会社の社長人事でございます。斎藤氏はご案内の通り、旧大蔵省の事務次官経験者ではござりますが、退官後、既に14年間、民間で勤務をした経験がございます。適材適所、仕事の出来る方を適材適所で再使用(ここは不明瞭)いたす、この事に関しては、仕事を見て頂くしかないと思っているところでもございます。
鳩山由紀夫代表
    メディアの報道に対して、不都合な事実から目をそむけ、躊躇(ここも不明瞭)する事も無く否定をし、後になって化けの皮が剥がれたとするなら、そこにあなたの朝令暮改の政治体制の姿勢の、本質が見え隠れしています。事実も、現実も認識できない総理では、誰も信用しません。とくに総理の良心にもう一度問いかけます。

    国民の求める政治資金の透明さを、さらに進めることです。膨大な献金を受け、また収支報告もままならない支部もあるとしています。この際、たとえば公正監査(ここはやや不明瞭)の範囲をすべての政党支部に広げてもいいんじゃないですか。まず国民への誤魔化しではなく、今自分たちが出来ることを実行し、政治改革であるなら、責任のある提案をするべきであります。

鳩山由紀夫総理
    献金問題の説明、政治資金法改正についての、御質問がございました。私の政治資金の問題で、政治への不信感を持たれ、国民の皆様に御迷惑をおかけました事は、率直にお詫びを申し上げなければなりません。全容が解明されることを、心から祈念しているところでございます。弁護士による調査、記者会見、さらに検察捜査への全面協力は、まさに政治倫理綱領と合致していると私は認識しております。

    政治資金法改正の問題に関しましては、各党、各会派につきまして、積極的に議論を頂いて、成案を得られるようにお互いに努力をすべきだと認識しております。
鳩山由紀夫代表
    話し合いの余地などありません。人としての最後の矜持を持って、直ちに総辞職をするか、衆議院を解散するか、決断をすべき時であり、その事を国民は固唾を呑んで待っていると申し上げ、私の質問を終わります。国民の皆様、御静聴ありがとうございました。

鳩山由紀夫総理
    先の総選挙の結果を踏まえて、国民の皆様との約束を着実に履行して、国民の皆様方の期待を裏切る事のないよう、政策を遂行していくことが、私の使命であると強く認識しております。

なかなかの力作なんですが、もう一つ秀作がありまして、コチラのほうが短くてストレートな感じがします。

議長

鳩山由紀夫代表
    民主党鳩山由紀夫です。総理の所信表明演説に対し質問をいたします。総理、あなた御自身が代表を務める、関係政治団体政治資金収支報告書、改竄されていると報じられています。これは明確な政治資金規正法違反、公職選挙法違反じゃありませんか。総理は、とくに自らを厳しく戒めると言われましたが、まず御自身の疑惑について国民にキチンと説明して、全容を明らかにしてください。

    疑惑を指摘された閣僚が、資料を整備し、説明責任を果たすのは、最低限の務めです。これが出来ない閣僚は、自ら職を辞すか、罷免すべき事も当然であります。総理がどのように任命責任を果たされるのか、お伺いをします。

    さらに、また党役員や支部の問題も次々と指摘されています。党総裁としてどう対応されるのか、国民にお示し下さい。そして、政治資金の公開を進めることです。民主党は、政治資金規正法を改正し、すべての政治団体が、一円から領収書を添付する事を訴えています。総理、もっと指導力を発揮してください。野党との協議、協議と言う前に、国民にどのような提案をされるのか、まずこの場で具体的に示してください。


議長鳩山由紀夫総理
    質問にお答えいたします。献金問題の説明についての御質問がございました。私は仰る通り、クリーンな政治を、政治家として、今日まで求めて参りました。それを原点として参ったことも事実であります。故人献金の問題に関して、国民の皆様方に、大変な御迷惑をおかけした事を、心からお詫びを申し上げたいと思います。

    私自身も、当事者の一人でございますので、調査を委託をして、解明された事を発表申し上げ、収支報告書を訂正申し上げ、さらに残された疑問点をすべて、調査の続行を依頼したところでございます。その後、ご案内の通り、地検が捜査に入ったわけでございまして、その後は捜査に全面的に協力するよう指示しているところであります。

    これは言うまでもありませんが、選挙の結果を踏まえて、一つ一つ政策を遂行していくことが、私に与えられた最大の責務と考えているところであります。残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。

もちろん紹介した二つの動画は合成されたものです。合成されていますし、発言自体は切り貼りがあるとは言え、実際に鳩山由紀夫氏が本会議場で発言されたものです。あえて喩えればマスコミが編集した報道ぐらいの信憑性はあるかと存じます。政治献金問題のところだけ、二つだけピックアップして対照表を作ってみます。

鳩山由紀夫代表 鳩山由紀夫総理
総理は、とくに自らを厳しく戒めると言われましたが、まず御自身の疑惑について国民にキチンと説明して、全容を明らかにしてください 全容が解明されることを、心から祈念しているところでございます。
総理、もっと指導力を発揮してください。野党との協議、協議と言う前に、国民にどのような提案をされるのか、まずこの場で具体的に示してください。 政治資金法改正の問題に関しましては、各党、各会派につきまして、積極的に議論を頂いて、成案を得られるようにお互いに努力をすべきだと認識しております。


野党党首と総理では立場が違いますから、発言内容に多少の違いが出てくるのはやむを得ないとは思っています。とくに政権奪取を目指す立場であるなら、甘い言葉をある程度、振りまかざるを得ないであろう事は理解します。しかし実際に政権を運営してみると、そうはバラ色の理想が展開できるわけではありません。

政権奪取前の姿勢と奪取後の姿勢に落差が生じるのは仕方が無いのですが、その差を小さくする、またはその差を巧妙に言いくるめるのも政治家の能力なんですが、鳩山由紀夫氏はその点の能力でユニークな資質の持ち主である事は察せられます。ただなんですが、他の政策と違い政治資金問題はどうなんでしょうか。これも政権奪取前と奪取後で大きく変わるものなのでしょうか。鳩山由紀夫氏の発言を見る限り、天と地ほど変わる問題であることらしいのが推察できます。

政治資金問題の性質は政治家にとって触れて欲しくないものであると思われます。徹底追及すると、波及効果が多大で、ベテランと呼ばれる政治家が最悪「そして誰もいなくなった」になりかねない問題です。追及する方も、される方もチキンレースみたいなもので、阿吽の呼吸で落としどころを裏で必死でさぐりあうと言えば良いのでしょうか。

それにお財布の問題に強く連動しますから、あんまり改革すると自分で自分の首を絞めて干上がります。だから毎年、毎年、派手に追及の姿勢はパフォーマンスとして行なわれますが、殆んどは線香花火のように消えていくか、トカゲの尻尾きり程度でお茶を濁して終わります。それ以上は政治家の本音として越えてはならないものとして、暗黙のセーフガードが作動すると考えています。

あえて鳩山由紀夫総理に期待するのは「宇宙人」として、トンでもなくクリーンな政治資金規正法強行採決してしまうことです。もっともそんな事をやりだしたら、「殿、ご乱心」とばかりに依って高って詰め腹を切らされるか、座敷労にでも押し込められるでしょうから、さすがに「ありえない」とは思いますが、如何なものでしょうか。



そうそう故人献金疑惑について、これは鳩山由紀夫総理のお言葉ですが、

    地検が捜査に入ったわけでございまして、その後は捜査に全面的に協力するよう指示しているところであります。
どこのサイト(中継動画付きでした)で見たか探し出せないのですが、これも今国会の委員会質疑(質問者は棚橋議員だったかな?)で、
    憲法75条に国務大臣は総理の同意が無い限り訴追されないと書いてあるのを知っているか?
答弁に立ったのは千葉法務大臣で、非常に簡潔に、かつキッパリと、
    そういう記載はありません!
こういうトンデモ答弁を行なっておられました。ちなみに憲法75条は、

第75条

 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

つまり地検の捜査に鳩山由紀夫総理が「全面的」に協力するという事は、地検が起訴の判断をした時に、鳩山由紀夫総理が鳩山由紀夫総理の訴追に全面的に協力して「同意」する必要があります。そんな事は「友愛」の精神からまず起こらないと言うか、起こさないように封じ込めてしまうでしょうが、「宇宙人」だそうですから、微々たる可能性で「ある」とぐらいにしておきます。


無理やり感想を付け加えましたが、まさに蛇足で動画の仕上がりには足許にも及びません。世に才人は本当にいるものだと本当に感心しました。