参考にしたのは、
ここからにさせて頂きます。この実験プラントは山梨県北杜市にあり、ここが実験地として選ばれた理由は日照時間が長い、つまり太陽光発電に有利と言うのがあるようです。具体的には、
年平均日照時間: 2,257時間(平均2,120時間)
年間で平均より137時間、6.5%ぐらい長いみたいです。施設の全景を示します。
さすがに公式実験なので最新の設備が導入されているようで、こんなのもあります。
太陽光発電の誰でもまず思いつく弱点は天候です。これもちゃんとデータとして示してくれています。
さてこのメガソーラーがどれぐらいの発電能力を持っているかです。次のグラフを見てください。
設備利用率=対象期間の発電電力量(kWh)/(定格容量(kW)×24時間×対象期間日数)×100%
雨天だけではなく夜間ももちろん稼動しませんから、絶対に100%にはならないのですが、結論として、
一般的に太陽光発電設備の設備利用率は12%程度と言われているが、北杜サイトは日照条件が良いため、一般に比べ3%以上高い設備利用率となることを確認した。
条件の良いところで15%、平均的には12%であると言う事です。ここも少しだけ注釈を加えておきますと、太陽光発電は日照時間が大きなカギを握りますが、もうひとつ気温も大きく影響します。これは太陽電池の特性で過熱すると発電効率が落ちるというのがあります。真夏の方が発電には適しているように素人は思うのですが、夏の暑さはモジュールの機能低下を招きます。
太陽電池の発電効率自体は寒い季節の方が有利であって、発電効率自体は冬場の方がむしろ有利と言うのもあります。もちろん冬場の日照時間の不利を覆すほどのものではありませんが、ある程度は補うため季節変動は案外少ないものになっています。
でもって月別の積算発電量ですが、目算で6万〜7万kWhとして良さそうです。ここのデータなんですがH.20年とH.21年のものですが、発電規模の方は、
- 2008年完成[第1期]:600kW
- 2009年完成[第2期]:1200kW
そうなると、発電モジュール100kWあたり1万kWの月間発電が可能と出来ます。実験プラントですから多種類のモジュールを使っているわけで、2008年以降の技術革新、また最適の組み合わせをしたとして、
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100kW太陽電池 = 1ヶ月に1.5万kWhの積算発電
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1MWメガソーラー = 月間15万kWhの積算発電
- 1ヶ月を30日とする
- 原発1基は100万kWhとする
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100万kWh × 24時間 × 30日 = 72000万kWh
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1億5000万平米
もし空港島利用ならもう少し利用効率が上がりそうな気もしますが、まさか関空を廃止してメガソーラーにするわけにも行かないでしょうから、5000ヶ所は分散して作られる必要があります。とは言え1ヵ所で3万平米(甲子園球場ぐらい)と言えば広大な面積です。私は趣味で里山に登ることがありますが、山頂からの眺めでいつも感心するのは平地が見事なぐらい開発され尽くされている事です。そんなにドカンと空き地があるわけではないと言う事です。
メガソーラーは実験プラントを見てもお判りのように、「日あたりの良い場所」が必要です。斜面地でも建設は不可能ではありませんが、無闇に作ると崖崩れの心配が出てきます。そうなれば、ある程度は平地である必要があります。とはいえそんな都合の良いところは、そうそうはありません。あえて作るのなら、新興工業団地方式です。山を切り開いて発電団地を作り設置するのが妥当と思いますが、原発1基を置換するのに5000ヶ所はかなり大変そうに思います。
ここも革命的な技術革新が起こり、私が仮定した発電量の2倍となっても2500ヶ所です。今夏のように2基動かせば5000ヶ所です。関電の原発は全部で11基あり、震災前並みの余裕をもった供給を行うために8基程度動かすとすれば2万ヵ所。これも現状で即となれば4万ヶ所です。日本全体は・・・試算が面倒なのでやめておきます。
メガソーラーを無用と言う気はサラサラありませんが、「これですべて置換できる」の主張は少々無理があると感じた次第です。