な〜んだ、そんな話だったのか! 実在説推理遊戯編

ネタガレか! と言われれば「ハイ、そうです」とお答えして、野次馬根性で推理遊戯編をお届けします。目的はガセか本物かなんですが、スタンスは本物であるで「あえて」推理を展開してみます。さらに実在するとしての仮定は東京の小児科開業医です。

ブツの体裁

残っていたブツの画像です。ここから用紙サイズを考えます。開業医で手軽に入手できる用紙はB5かA4であり、ブツのようなチラシにするならどちらかを選びます。縮尺対象は左側に映っている指です。これは左手の親指で良いでしょう。映り方が小さいのですが、元の用紙の横幅はB5サイズと見ます。A4にしてはやや小さいです。

チラシのサイズがB5であれば映っている文章では用紙の半分程度しか文字がありません。それはレイアウト上で不恰好です。チラシがレイアウトに気を配っているのは、行間を広く取っている事でも確認できます。つまり画像である部分の下にさらに何か書いてあるです。最低限あるものとしては、日付、医療機関名は考えられ、さらに画像上の文末が、

甲状腺検査に関わる¥10490のうち¥4500を負担してください

これが尻切れトンボ感が強く、この後に「御迷惑をおかけします云々」みたいなものがある程度続いていると推理します。それとセンター寄せのレイアウトが医療機関のチラシとしては「変」の指摘もあるようですが、開業医レベルなら実在します。書いたのは院長であれば、「そういう趣味」であると言う事です。


内容

  • 本年5月診療分にさかのぼり、甲状腺検査の保険請求分が急に支払い拒否されました
  • 不払いの理由は「過剰診療」ということで、
  • すでに当院は「マークされている」ので
  • 今後 甲状腺検査は保険診療でなく 健康相談(自費診療)として行います

こことさらに、

ここですが、こんな内容を患者向けに書くのが「おかしい」の指摘はあります。常識的には「変」なのですが、チラシは配布する対象によって内容が変わります。特定の認識を共有している相手にのみ配布するのであれば「ありうる」と考えます。つまり配布されたのは放射能恐怖から子供に甲状腺検査を是非とも定期的に受けさせたい保護者であるです。医師もまた「そうするのが正義である」と信じている状態です。

配られたのがそういう対象のみに限定されているのであれば、ありえる内容と考えます。別に受診患者すべてに配布している訳では無いです。


細部の妙なリアリティ

これは昨日やりましたが、

私が試算したところでは再診料(690円)、超音波検査(3500円)、甲状腺機能検査6-7項目(6300円)でキッチリ同じになります。マグレ当たりにしては合いすぎている印象が強いところです。医療関係者でも診療報酬の詳細まで知っている人間は案外と少なく、医療関係者以外なら尚更だと思います。診療報酬も個々のデータならネット上で収集できますが、実際にどういう組み合わせになるかは結構難しいものです。

もう一つの

    ¥4500を負担してください
これはおそらく甲状腺検査の実費ではないかと見ています。検査屋に払う実額相当プラスαです。ここが妙にキリが良いのも開業医ならわかるところです。細かい端数は小銭が必要になり、それだけ会計が煩雑になり、さらに両替の手間が増えます。だから切り上げてキリの良い数字によくします。ですから幾ら計算しても「¥10490」みたいにキッチリ出て来ないと思います。

後は保険査定の内容の妙なリアリティです。これも想像だけでデマとして書くには正確すぎるです。


公開と削除

このチラシがツイッター内に拡散され、話題になり始めた頃に削除されています。どれぐらい早かったかは、Jacqueline@あに.com様より、

早い。元ツイは9/3の13:51:12。同日21:30ごろ元ツイと画像は削除。当該医院から削除の以来があったとして元ツイ主からanyさんへDMの申し入れがあったのが本日9/4の14:00前。この小児科は問題把握と処理の速度が光より早いww

わずか8時間弱しか元のツイートは存在しなかった事になります。ちなみに元のツイートをあげたとされるのは、

ちょっと面白そうな人ですが、個人の詮索はやめときます。ただこの人が作ったとは申し訳ありませんが到底思えません。またこの人物が問題の医療機関に子供を受診させていたかどうかも微妙です。私は知人経由で入手した線を考えています。思想認識の共有があり、「これは大問題♪」としてウェブ公開したです。

ところが思想認識の共有はあっても問題意識が直接受診しているグループと温度差があったんじゃないかです。チラシ内容は読んでお判りの通り、国家が放射能被害を陰謀によって隠蔽しようとしているです。この事実を公開することをメリットと考えるより、公開することによる更なる弾圧を懸念したです。小さくはチラシを配布した医療機関であり、引いては同様の事を行っている医療機関への悪影響です。この点を知人経由で指摘されて急遽引っ込めたです。

デマであれば目的は流布される事による反応を楽しむ点にありますから、叩かれまくって引っ込めるはあっても、引っ込めるタイミングがチト早すぎるです。デマ指摘と信じる指摘がそれなりに拮抗してある間は「デマ騒ぎ」を楽しめる時間ですから、まだ幕引きを図るには早すぎるです。


実在の傍証

放射能恐怖から甲状腺検査なりに走る層は関東を中心にかなりの人数で「いるようだ」の伝聞情報はあります。平たく言えば確実に潜在需要はあるです。また実際に自費なりで検査相談している診療所もあるようです。ですからそういう小児科医、診療所が実在しても不思議ありません。

またそれでも多数派の医師はそこまでは心配しすぎ、または保険診療では難しいの現実を知っていますが、医師の中にも放射能恐怖の影が濃い者も多くいます。何が言いたいかですが、潜在需要と少ない供給が一致すれば地下ネットワークが出来上がるです。たとえば用紙の映っていない下半分があるとすれば、そういう医療機関ないしネットーワーク名的なものが記載されている可能性です。


あくまでも推理遊戯です

もちろん巧妙な釣りの可能性も十二分に残ります。まあ、こうやってあれこれ推理推測するされるだけでも「釣り」と考えれば十分すぎるほどの収穫です。そう考えると私も哀れに釣られている小魚の1人かも知れません。