一面トップです
WHO及びIASPによる「自殺予防メディア関係者のための手引き 2008年改訂版日本語版」 (WHOの手引き)のクイック・リファレンスを再掲します。
- 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う
- 自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない
- 自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
- 自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない
- 自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない
- 見出しのつけかたには慎重を期する
- 写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する
- 著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする
- 自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする
- どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する
- メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る
まずこの時点で
- 自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
- 見出しのつけかたには慎重を期する
- 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う
-
ここは見当らないと判断して良いでしょう。
- 自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない
-
ここは記事冒頭が条件を満たしている考えられます。
- 「私はお墓にひなんします ごめんなさい」
- 遺書には「老人は(避難の)あしでまといになる」ともあった。
「私はお墓にひなんします ごめんなさい」。福島県南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳の女性が6月下旬、こう書き残し、自宅で自ら命を絶った。東京電力福島第1原発事故のために一時は家族や故郷と離れて暮らすことになり、原発事故の収束を悲観したすえのことだった。遺書には「老人は(避難の)あしでまといになる」ともあった。
とくに
かなりセンセーショナルと感じられます。
- 「私はお墓にひなんします ごめんなさい」
- 自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない
-
ここについては、
女性が庭で首をつっているのを妻が見つけ、長男が助け起こしたが手遅れだった。
きっちりと報じています。
- 自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない
-
ここも
5月3日、南相馬の自宅に戻った。・・・(中略)・・・住み慣れた家で、一家そろっての生活に戻った約2週間後の22日。
もう少し言えば、
女性は同市原町区
かなり細かく報じているのが確認できます。
- 写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する
-
ここについてはあえて引用しませんが、遺書の映像が使われています。ついでに遺書全文も掲載しています。
- 著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする
-
ここは著名人で無いと判断されるので該当しません。
- 自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする
-
これを配慮と見なすのでしょうか。
取材の最後、長男夫婦が記者に言った。「おばあちゃんが自ら命を絶った意味を、しっかりと伝えてください」
私には判断がつきません。
- どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する
-
これについては該当する個所は見当らないと判断します。
- メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る
-
これについては判断できません。
クイックリファレンス | 違反 | 不明 | 適合 |
努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う | ○ | * | * |
自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない | ○ | * | * |
自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない | ○ | * | * |
自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない | ○ | * | * |
見出しのつけかたには慎重を期する | ○ | * | * |
写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する | ○ | * | * |
著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする | 該当せず | ||
自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする | * | ○ | * |
どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する | ○ | * | * |
メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る | * | ○ | * |
これは藤原百川様からのコメントですが、
前から気になっており、タブ紙を含めた何人かの役員クラスの方にWHOガイドラインのことを話してみたことがあります。
残念ながら反応は「?」でした。
メディアサイドの向く方向がスポンサー=視聴率稼ぎ、である限り彼らの目が醒めることは無いように思います。
さらに活字メディア以上にワイドショー的興味本位でタレ流し続けるTVメディアの責任がより重いとも言えます。
つう事で当然の様にタブは快調運転を続けられておられます。