今日もタブは快調運転

タブの7/9付記事魚拓)ですが見出しが、

こうなっています。この記事が紙面ではどこに掲載されたかですが、嫌われ君様からコメントを頂いています。

一面トップです

WHO及びIASPによる「自殺予防メディア関係者のための手引き 2008年改訂版日本語版」 (WHOの手引き)のクイック・リファレンスを再掲します。

  • 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う
  • 自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない
  • 自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
  • 自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない
  • 自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない
  • 見出しのつけかたには慎重を期する
  • 写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する
  • 著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする
  • 自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする
  • どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する
  • メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る

まずこの時点で

  • 自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
  • 見出しのつけかたには慎重を期する
確実にこの2項目に違反します。他の項目についてチェックしてみます。
  • 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う


      ここは見当らないと判断して良いでしょう。


  • 自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない


      ここは記事冒頭が条件を満たしている考えられます。

       「私はお墓にひなんします ごめんなさい」。福島県南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳の女性が6月下旬、こう書き残し、自宅で自ら命を絶った。東京電力福島第1原発事故のために一時は家族や故郷と離れて暮らすことになり、原発事故の収束を悲観したすえのことだった。遺書には「老人は(避難の)あしでまといになる」ともあった。

      とくに


      • 「私はお墓にひなんします ごめんなさい」
      • 遺書には「老人は(避難の)あしでまといになる」ともあった。


      かなりセンセーショナルと感じられます。


  • 自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない


      ここについては、

      女性が庭で首をつっているのを妻が見つけ、長男が助け起こしたが手遅れだった。

      きっちりと報じています。



  • 自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない


      ここも

      5月3日、南相馬の自宅に戻った。・・・(中略)・・・住み慣れた家で、一家そろっての生活に戻った約2週間後の22日。

      もう少し言えば、

      女性は同市原町区

      かなり細かく報じているのが確認できます。



  • 写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する


      ここについてはあえて引用しませんが、遺書の映像が使われています。ついでに遺書全文も掲載しています。


  • 著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする


      ここは著名人で無いと判断されるので該当しません。


  • 自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする


      これを配慮と見なすのでしょうか。

      取材の最後、長男夫婦が記者に言った。「おばあちゃんが自ら命を絶った意味を、しっかりと伝えてください」

      私には判断がつきません。



  • どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する


      これについては該当する個所は見当らないと判断します。


  • メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る


      これについては判断できません。
WHOの手引きのクイックリファレンスに全部11項目あるのですが、上記の分析をまとめると、

クイックリファレンス 違反 不明 適合
努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う
自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない
自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない
見出しのつけかたには慎重を期する
写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する
著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする 該当せず
自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする
どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する
メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る


これは藤原百川様からのコメントですが、

前から気になっており、タブ紙を含めた何人かの役員クラスの方にWHOガイドラインのことを話してみたことがあります。
残念ながら反応は「?」でした。
メディアサイドの向く方向がスポンサー=視聴率稼ぎ、である限り彼らの目が醒めることは無いように思います。
さらに活字メディア以上にワイドショー的興味本位でタレ流し続けるTVメディアの責任がより重いとも言えます。

つう事で当然の様にタブは快調運転を続けられておられます。