日本脳炎予防接種救済措置の拡大

良い事なんですが、いつもの事ながら寝耳に水の情報だったので御紹介しておきます。ソース元は厚労省HPの日本脳炎の予防接種についてのご案内です。まず冒頭にこう書いてあります。

平成7〜18年度に生まれた方は、日本脳炎の予防接種が不十分になっています。
特に、今年(平成23年度)小学3年生・小学4年生の方は、母子健康手帳を確認のうえ、不足分の接種を受けてください。

 日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種のご案内を行いませんでした(いわゆる「積極的勧奨の差し控え」)。
 その後新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。
 このため、平成7〜18年度に生まれた方は、平成17〜21年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがありますので、母子健康手帳などをご確認いただくとともに、今後、市町村からのご案内に沿って、接種を受けていただくようお願いします。

救済措置拡大のキモは、

平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれの方は、6カ月〜20歳未満の間、いつでも日本脳炎の定期予防接種を受けることができることになりました(平成23年5月20日から)。

わぉ、5月20日といえば、もう始まっているじゃないですか。ただし「ほいじゃ」と中学生(13歳以上)や高校生の方で接種を受けようと思われた方は、ここにくれぐれも御注意下さい。

    今後、市町村からのご案内に沿って、接種を受けていただくようお願いします。
たかが「案内」の有無がどうしたと言われそうですが、公費接種であって無料でも市町村負担はゼロではありません。たしか国が9割支出しますが、残りの1割は市町村負担になります。国と市町村の負担割合についての情報はあやふやな部分がありますが、とにかく市町村が拡大分の予防接種への予算措置を行なわれないと施行されません。

「案内」とは予算措置が終わったことを示すもので、私のブログなり、厚労省のHPに書いてあるから「すぐに接種せよ」と医療機関に言われても対応できないわけです。ちなみに現在の公費対象の接種年齢は、

  • 6ヶ月〜生後90ヶ月(7歳半)まで(通常は3歳〜7歳半まで)
  • 9歳〜13歳未満まで
中途半端に7歳半から9歳までの間に接種が出来ない期間がありますが、これは従来の1期、2期の接種期間に対応したもので、不自然ですがそうなっています。これが「平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれの方」に限って、「6ヶ月〜20歳」までいつでも接種が出来るようになるわけです。平成7年生まれの方で今年16歳になりますから、学校に行かれている方は「おそらく」案内が配布されるかと思われます。


どうでも良い事ですが「な〜るほど」の感じを持っています。つうのは日本脳炎ワクチンはこれまで微研のジェービックVだけでしたが、5月になって化血研のエンセバックが売り出されました。供給が2社になったので、救済措置を拡大したと判断しても良さそうです。

それといつもの事ですが、市町村(うちの場合は神戸市)の対応がいつになるのかをにらみながらの接種案内が必要になります。接種スケジュールも少々問題で、前にも話題になりましたが、空白期間が出来てしまった方へのエビデンスのあるスケジュールは示されていなかったと記憶しています。なんと言っても20歳まで接種期間が延びましたから、どうするかの情報も欲しいところです。

今回はさほどの混乱は無いと予想していますが、中学生(13歳以上は公費接種の対象では無い)には接種できないとかなり断っていますから、チイとばかりバツが悪いところはあります。もっともその程度は「いつもの事」ですから、小さな事かもしれません。