ツイッター的速度感覚

参加しているというよりROM専化していますが、執念深くツイッターを続けています。習うより慣れろの世界で過ごしていますが、気が付いたことを少し書いておきます。比較をとりあえずブログに置きながら書いてみますが、一番違うのは速度感覚です。

ROM専に近い私のタイムラインでも、1日に100件以上、多い日なら数百件のツィートが流れ込んできます。ブログと違って話題に主題はありませんから、それこそ種々雑多なツィートが現れます。ブログでもコメ欄の主題がエントリーと違う方向に流れる事はしばしばありますが、あれとは全く違う感覚です。ブログのコメ欄はエントリーの主題と異なっても、その前のコメントを基本的に受けますが、ツイッターではそうではありません。

ここもまた何となくしか判っていませんが、タイムラインに流れ込むツィートは、

  1. 自分のツィート
  2. 自分がフォローしているツィート
  3. 自分がフォローしている人のリツィート
自分がフォローしている人のリツィートとは、フォローしている人もフォローしている人を抱えているわけで、そのフォローしている人がリツィートすれば、他にフォローされている人に同時に流されるようです。ですから「はぁ?」てな有名人のツィートがしばしば紛れ込んできます。

タイムラインに流れ込むツィートの流入経路がかなりランダムなので、そこでのツィートは、その前のツィートと関係なく出現する事が当たり前のように起こります。そうでありながら、関心が持たれたツィートには、そこに関連ツィートが寄せられます。いわゆる議論的な部分も形成されるのですが、これが猛烈なスピードで進行して行きます。

私のタイムラインは、大したこと無いので、まだユックリしていると思っていますが、ある話題に関心が集まれば、それに関連する話題がしばらく多くなります。多くはなりますが、新たに興味がある話題が出てくると、ささっと次の話題に興味が移っていきます。そいでもって新たな話題の供給源は、ツイッターのシステム上の特性により、いつでもどこかから湧いてくるような感じです。

実に目まぐるしい展開でして、あるツィートにブログのコメ欄感覚でツィートを考えていたら、あっと言う間に取り残されてしまいそうになります。のんびりやっていると、時宜遅れのツィートになってしまうのです。言い方は悪いですが、ツイッターでタイムリーにツィートを残そうと思えば、即興漫才を紡ぎだすような速度感覚が必要な感じです。


そういう速度感覚にある程度慣れ親しんでしまうと、ブログの速度はかなり周回遅れのものになりそうです。ブログの速度も様々で、ツイッターの様に短い話題を列挙する形式のものなら速度感覚はまだ近いと思います。一方で、ある話題をそれなりに下調べして、チョットした意見の主張を行おうとするものは、かなり速度感覚として遅くなります。

私もどちらかと言うと、話題先行型と言うより、少し遅れても自分の意見を書こうとする方に入ると勝手に思っていますが、ある話題の切り口をどこに置こうか考えているうちに、ツイッター的速度感覚では話題が陳腐化する感じです。今年に出したエントリーも、数日以上かかってまとめたものもありますが、数日なんて単位はツイッター的速度感覚では完全に過去の話題みたいと言えばよいのでしょうか。1日おいてもかなり古い感覚です。


ツイッターに馴染めるか、馴染めないかは、この速度感覚に順応できるかどうかが一つの鍵になりそうです。ツイッターのタイムラインの話題はかなりランダムに流れ込んできます。話題に主題はありませんから、「○○なう」的なツィートや、「おはようございます」みたいなツィートもドカドカと流れ込みます。一方で、最新の話題や、かなり固い話題も流れ込みます。

S/N比と言う表現がありますが、これが相当小さい感じです。ここもS/N比が小さいと言っても、ノイズの方がある瞬間にシグナルに入れ替わる事も幾らでも起こりますから、チト表現に困るところです。ツイッター的感覚に慣れないと、「なんじゃ、これ?」みたいに感じて退散してしまうと思います。逆にツイッター的速度感覚に適応してしまうと、ブログ的な速度に飽き足りなくなるかどうかは、私の感覚では何とも言えません。やはり私はブログ速度の人間ですからね。

現在の大勢を考えると、確実にツイッターへの流れはあります。つう事は、あのツイッター的速度感覚は多くの人に受け入れられていると判断して良さそうです。そうでなければ、あれほどの隆盛は起こらないと思うからです。そうなると私の速度感は時代についていけていない、もしくは付いていくのがやっとの状態になります。良い悪いは別としてチト悲しいところです。人間は歳を取る証拠を見せ付けられているようなものです。


さてなんですが、既製メディアとネットの比較論は山ほどありますが、従来のネットとはホームページ、掲示板、ブログまででした。これらのツールの速度感覚は、既製メディアと較べてビックリするほど違いがあったとは思いにくいところがあります。本質的な違いは速度ではなく、双方向性の特長を活かした既製メディアを上回る情報集積力(量において)であったと考えています。

感覚的に新聞と週刊誌の関係みたいなもので、新聞は速報性重視で情報を発信し、週刊誌はその情報を深く掘り下げ、やや時間をかけてから情報発信するスタイルです。ツイッター前のネット情報は新聞並みの速度の週刊誌みたいなところと私は考えています。

ところがツイッターの速度はさらに凌駕します。さらに上記でランダムにたくさんのツィートが流れ込むとしましたが、ランダムであると言う事は、一方で情報拡散力、情報伝達力も非常に強力である事を示しています。この情報伝達力の強さも、従来のBBSやブログをかなり凌ぎます。

BBSやブログは、話題が絞られる関係で、そこで主題になっている以外の話題については、自分で捜しに行く必要がありました。ところがツイッターS/N比の小ささは、居ながらにして種々雑多の情報に触れることが可能になり、その話題をつかまえれば、その話題に即座に飛びつくことが可能になっています。これが高速で為されると言うのは、使いこなせば強力な情報収集ツールになりうる事になります。


メリットはたくさんありそうなのですが、とりあえず使いこなしが大変なのが、個人的に辛いところです。本当に速度が早いので、未だに違和感がバリバリ残っています。私の主戦場はまだまだブログですねぇ。もっとも即座でツイッターに馴染めなかった自分の速度感覚の遅さと言うか、歳には勝てない感じが、どこかで悔しい感じだけはしています。