高校サッカーの中継は酷かったそうで

兵庫県勢としては63大会ぶりと言いますから、滝川二の決勝進出は快挙として良いと思っています。兵庫県のサッカーレベルは必ずしも低いわけではないのですが、昔からサッカーに力を入れる高校が少なくて、上位進出が遠かっただけに歴史に残る偉業として良いと思います。

準決勝も息詰まる好ゲームであったようで、相手にも絶対のチャンスがあったようですが、結局のところPK戦にもつれこむ展開になっています。このPK戦も激闘だったようで、なんと9人目で決着がついています。見れなかったのですが、このPK戦が9人もかかった事がある事件を起します。

私も聞いた話なのですが、最後の最後の9人目の時に中継が打ち切られたそうです。そりゃ、見ている方は怒ったと思います。この怒りを倍増させたのが、後の番組が高校サッカーの決勝戦の展望みたいな番組であったと言う事です。


こういう事はかつてのプロ野球中継でも散々起こりました。読売(日テレ)は巨人戦中継の老舗でしたが、老舗と言う割には本当に酷くて、尻切れ中継はもちろんの事、巨人の対戦相手の攻撃中でも平然とCMを割り込ませていました。阪神ファンがどれだけカリカリしたか御想像にお任せしますが、たとえばこんな感じです。

    1点を追う阪神の攻撃。ツーアウトながら次は4番の金本。金本は今日も2本の安打を放ち、最近非常に好調です。では、ここでCMです。
この尻切れ中継も酷いですが、尻切れ回避を行った某局はさらに酷くて、たぶんフィギュア・スケートだったと思いますが、なんと生中継を行わず、翌日に録画で編集して放送していました。スポーツの醍醐味と言うか魅力は、結果が分からないところなんですが、結果を知ってから見せられる画面の味気なさは格別でした。それも生中継できるのにです。

またさらに某局も酷くて、水泳だったと記憶しています。水泳なんてスケジュール通り時間が進行しそうなものですが、その局の行ったのは、スタジオで芸能人がバカ騒ぎをやっている間にレースを録画し、録画を編集して放映する手法です。何を見せたいのか意図不明の放送でした。


NHKと違って民法はCM料が収入のすべての面があります。つまりスポーツ中継と言っても、民法にすれば、単なる客寄せのタネであり、一番重要なのは集まった視聴者に見せるCMであると言う事です。それこそCMを流してナンボの世界です。そこは理解しないといけませんが、スポンサー優先の度が過ぎると今度はスポンサーに視聴者の怒りが向けられないかです。

スポンサーがCMを流す目的は、これもはっきりしていて、CMによりその商品の売り上げを増やして儲けようです。目的としては単純明快です。CM価値の単純な物指しとして、どれだけ多くの人に見てもらえるかで、視聴率が期待できる時間帯であれば料金も高くなるわけです。

今回の高校サッカー中継を例に取ると、CMを見た人が多い点ではCM効果を期待できるかもしれませんが、一方で見ている人間はサッカーの試合に注目しているわけですから、最後の山場を中断したCMには負の感情しか持たないと考えられます。こういう時の怒りはCMの商品だけではなく、その会社の製品全体に向けられる可能性さえあります。

つまり高い金を払って流したCMがマイナスの広告効果を多分に生んでいる事になります。本当にあの時間帯に無理やり中断して流して欲しかったかが非常に疑問です。


前から思っていたのですが、スポーツ中継は試合時間の長さにハプニングは起こります。もうちょっと言えば、ハプニングが起こって長引いたときの方が、往々にして注目度の高いシーンになっている事があります。そういう時の中断後すぐのCMは非常に印象が悪いものになります。

であるならば、予めそういう時の根回しを何故にやっておかないかです。かくかくしかじかの状況になった時に、中継を中断してもCMを流して欲しいのか、それとも状況に応じて柔軟に対応して欲しいかです。スポンサーサイドにしても、協議の余地は十分にあると思います。

まあ、素直にNHKが中継さえすれば話が済むと言う意見もあります。また、こんな醜態を続けてられるほどテレビ局も余裕は無くなっていると思うのですが、十年一日の如しとは、こういう事を指すように思います。