koume様の主張

koume様は☆医療問題を注視しる!その4 加古川事件とJBM☆を書かれた気鋭のブロガーです。koume様は医師ではなく99.99%農業関係者で、証拠としては農家こうめのワインを読まれるとよくわかります。医療関係者ではありませんが、医療問題には深い関心を寄せられており、ある意味、医療関係者で無い分だけより鋭い観察をされます。一昨日取り上げた団藤保晴氏の医療崩壊と医師ブログ林立、勢いと隘路にも目が醒めるようなコメントをされています。

医療問題には強い関心を持っている非医療関係者です。

他の方も書かれていますが、医師たちは現在の医療システムが崩壊しても特に困りません。困るのは患者の方です。
数多くの医師ブログがあり、そこで様々な情報が発信されていますが、ほとんど医師の善意によるもので、私などはその善意にタダ乗りしていろんな問題を教えてもらっているに過ぎません。

そういう意味で、

> メディアの力も借りてでも動かして行かねばならないことに早く気付いて欲しいと思っています。

は間違いであって、正しくはマスコミ諸氏の方こそ

医師の力も借りてでも動かして行かねばならないことに早く気付いて欲しいと思っています。

と言われるべきではないでしょうか。であれば、見るべき意見はHNのまま取り上げればよいではないかと言う主張も聞き入れるべきではありませんか。
もっとも、マスコミ諸氏が医療問題など報道したくないと考えているのであれば話は別です。反対に医師たちは、マスコミを通した医療報道などにはそれほど必要性を感じていないので、歩み寄れと一方的に言っても無駄でしょう。

現在団藤氏のエントリーには50以上のコメントが寄せられていると思いますが、これが最高のコメントだと思います。極論すればこのコメント一つさえ団藤氏が理解してくれたら、それで必要にして十分といえるほどの内容です。個人的に唸りっぱなしで感心していますし、医師ではここまで到底言い切れる内容ではありません。団藤氏におかれましても、他のコメントの揚げ足を取って揶揄することに奮闘されるより、このコメントに真剣に向き合って頂きたいと願います。


これ以上、本当は書く必要はないのですが、読者の皆様と言うより団藤氏に理解しやすいように蛇足の解説をつけます。

医療崩壊と言う事象があることを団藤氏は理解しておられるのは分かります。厳しいコメントが溢れていますが、それでも団藤氏はまだ理解のあるマスコミ人であるとは思っています。そう思っていないコメンテーターもいますが、かなりの割合で団藤氏の医療崩壊への理解が不十分であることへの苛立ちが表現されていると思って頂きたいところです。

団藤氏の理解は医療崩壊で医師も患者も困るだろうから医師の応援をしようと言うスタンスに読めます。そうでないと言われるかもしれませんが、そうであるようにしか読めません。医師も患者も困るんだから、メディアが医師の応援をしてやろうとの呼びかけです。それが根本的に誤解されているところです。医療崩壊が起こっても医師にさしてデメリットはありません。むしろメリットの方が増えるだろうと誰しも考えています。メリットを享受するためには医療崩壊前に長年にわたり築き上げた「医師の精神」「医師の心」を相当捨て去らなければなりませんが、そこさえ耐えれば無問題です。

医療崩壊は医療自体が崩壊するのが本質ではなく、国民が長年享受してきた日本型医療制度が崩壊することです。日本型医療制度が崩壊しても日本の医療はしっかり残りますし、医師が消滅するわけでもありません。崩壊前も崩壊後も医師は医療活動を変わらずに行ないますし、崩壊後は現在のような極限の犠牲的労働とは無縁の世界に変わります。これはそうするように財界がきっちりレールを敷いていますし、その方向に動くように後ろから強力に押し続けています。

もちろん財界は医師にラクをさせるためにそんな行動を起してるのではなく、日本型医療制度を叩き潰した後の財界主導の医療制度で、天文学的な収益を確保する確実な算盤を弾いています。医師がラクになるのはほんのオマケです。ま、金の卵を産む鶏を殺すバカは財界にはいませんから、そうなります。この程度の認識は少なくともネット医師なら常識であり、それを前提にすべて話を展開しています。

つまり医療崩壊で困るのは患者だけなのです。医師は「医者バカ」ですから、患者が困るの一点で医療崩壊に抵抗しています。医療崩壊は医師以外の政府も財界も大賛成なのです。医師のみが反対して抵抗している構図です。なんと言っても相手が相手ですから、攻撃は猛烈にして執拗です。医療費を搾り上げる兵糧攻め、訴訟で責め立てるテロ戦術、本来なら一番困るはずの患者をプロパガンダで医師と対立させる広報戦略。日医だってとうの昔に政府に篭絡され、ガタガタにされています。

朝日新聞がどう考え、団藤氏がどう考えているかは知る由もありませんが、現在の日本型医療を享受し続けたいのであれば、患者のために立ち上がらなければなりません。医師のためではなく患者のためです。破壊勢力は強大ですから、これに本気で抵抗するには、

    医師の力も借りてでも動かして行かねばならないことに早く気付いて欲しいと思っています。
結果としての形は同じでも、メディアが医師のために力を貸してやろうではなく、メディアが真剣に患者の事を心配するなら、医師も手を貸してあげても良いです。医師も抵抗はしていますが、時期としては既に手遅れといってよく、誰も理解してくれないの絶望感から崩壊容認派は急速に増えています。医師が崩壊を容認してしまえば、医療崩壊を食い止めるものはいなくなります。孤立無援の抵抗に医師も疲労の色が濃くなっています。

医療のネット情報を本気で集めているのなら、それぐらいは分かるはずです。いや分かっていないからあんなエントリーが書けるのだと思っています。事故調問題ですら、医療崩壊の大きな流れの中では些事なのです。あんな問題は医師が政府と財界の意向に副いさえすれば速やかに解消します。そんな解決法では患者にとって望ましくないから他の方法で抵抗しているのです。

マスコミ人として医療問題に関心があり、医療ブロガーの意見を求めたいのなら、これぐらいの初心者レベルの理解に早く到達して頂きたいと思っています。