冷静な意見

昨日のタミフル問題に頂いたTBのたまごや日記様のエントリーを読んで「ホッ」とした気分になりました。年の瀬で本業も忙しいので、こういうのを読ませて頂くと思わず和んでいます。

インフルエンザの異常行動はタミフルを服用しなくても起こります。ここでタミフルがそれを増強させるのか、しないのかは調査中ということであえて触れませんが、少なくともタミフルさえ服用しなければ、異常行動を撲滅できるものではないことはまず間違いありません。ここまではもう結論済としてよいかと思います。

インフルエンザ自体で異常行動が起こるのですから、たまごや日記様は非常に冷静に事態を分析されています。

飲まなくてもどうにかなるんだったら、張り付いてなきゃいけない。
だったら、飲んで張り付いていれば良いじゃないか。

現在のタミフル投与の制限は「10代投与禁止」です。10歳未満の子供であるなら

暴れだしても、まだ私でも十分抑えられる。

唸りたいぐらい素晴らしい意見です。世の中にはこれぐらい冷静に物事を分析理解できる方が、たくさんおられる事を改めて認識しました。自分の子供は自分で守るという単純な原則です。私はこういう考え方が好きです。

今回のインフルエンザの異常行動の調査で、医師の間では昔から言われていたインフルエンザだけでも異常行動が起こることが確認されました。こういう調査は大規模に行なわなければ立証できず、国家レベルで行なわないと到底検証できません。国の調査には私も「結論ありき」の側面が強いと考えていますが、調査自体は厳正に行われます。「結論ありき」は調査結果を統計的手法で捻じ曲げたり、故意に曲解する事で行なわれますが、元データ自体は信用が置けるものです。データが正しいが故に強引に結論付けるとアラが出てきます。アラを批判するのに私たちは元データを洗い直す作業を行なうのです。

タミフル調査は元データが公表されていないので、検証は出来ませんが、インフルエンザのみで異常行動が起こる事の検証は医師の実感に近いものがあります。ですから医師もこの結論に異議を感じていません。問題はどれほどタミフルが関与し、どれほどの影響を及ぼしているかです。影響が強すぎれば中止の選択もあるでしょうし、低ければ有益性投与の見解も出ると考えています。

つまりインフルエンザの異常行動の撲滅にはタミフル中止だけでは最終的な解決法にならないという事です。異常行動の被害防止のためには家族の協力が必須であると言う事です。この責任は誰に負わせることも出来ず、家族が負わなければならないことです。大層に書いていますが当たり前の事です。

今日は実のところくたびれ果てていまして、エントリーは休載にしようと思ったぐらいでしたが、素晴らしいTBを頂いて「これは書いておかなければならない」と奮い立たせてくれました。その点でも感謝のTBでした。