ガラスの天井

 前回で戦前の学制に少し触れましたが、女性は教育機会さえ構造的な鋼鉄の天井がありました。これは私も知る昭和の時代さえ色濃くあり、女性に学歴は不要とか、就職しても結婚して寿退職するから腰掛けだとも言われていました。

 その天井を破るために先人たちがどれだけの苦労をされたかは語るまでも無いと存じます。女性の上に設けられた天井を突き破り男女平等を目指す運動をフェミニズムと理解して良いはずです。

 現在でも女性にはガラスの天井があると言う人がいます。ガラスの天井とは制度的には到達できるはずなのに、どうしてもそこに行き着かない地位ぐらいの理解でも間違っていないはずです。

 ガラスの天井の類型はあれこれあるようですが、首相の座もその一つに入るかと存じます。そこに女性として初めて到達したのが高市氏になります。

 高市氏の首相就任で喜ばしいところは、単に女性が首相になったことではなく、高市氏の政治的手腕を期待されてなられたことです。総裁選から首相就任まであれこれと首相候補の名が上がっていましたが、他の男性候補より高市氏がより優れていると見られた結果だと感じています。

 これこそ真の男女平等の成果ではないでしょうか。女だから男だからのバイアスなどなく、能力で首相の座に就かれたからです。高市氏を女性だからとか、ましてや女性の代表である点が評価として大きかったと見えなかったからです。


 もちろん首相としての評価はこれからです。まだ何もやっていないに等しいからです。高市氏ですが、あえて女性だからのバイアスをかければ、パイオニアとしての責任の重さでしょうか。申し訳ないですが、失政を犯せば、

    女性だから・・・
 この批判が出て来るのは不可避です。これは女性だからではなくパイオニアだからです。パイオニアになるだけでも偉大ですが、パイオニアにはこれに続く道を開くこともどうしても課せられてしまいます。

 それ以前に首相ですから、国民の期待にどれだけ応えるかが一番の使命になります。首相としても責務を全うすることが、イコールでパイオニアとして後に続く者への道を切り開いていくとになります。

 高市氏が初の女性首相として歴史に名を刻むのは間違いありませんが、それだけでなく立派な業績を残した首相として記憶されるように願っておきます。女とか男とか関係なく、日本の首相としてです。