二つの因幡街道

 岡山県にモンキーの轍を刻めたので、目指せ次は鳥取県です。兵庫県から鳥取県を目指すには、

  1. 豊岡まで北上して但馬漁火ラインを西に向かう
  2. 和田山まで北上して国道9号を西に
  3. 大原宿から国道372号をさらに北上
  4. 山崎から国道29号を北上して戸倉峠を越える
 高速が走れませんからこの4ルートぐらいが思い浮かびますが、1.~3.は日帰りでは無理です。少なくとも私では無理です。そうなると消去法で戸倉峠越えになります。戸倉峠を越えればとにもかくにも鳥取です。

 戸倉峠を越えて若桜ぐらいまでなら日帰りでたぶん走れるはず。あくまでも机上の計画ですが、波賀までは2回行ったことがありますから、たぶん行けるはずです。

 鳥取と言うか因幡へのルートは冬の間にあれこれ考えてはいたのですが、地図的には隣の県ですが、ひたすら遠いのが実感です。そりゃ、瀬戸内海から日本海まで横断するようなものだからです。

 昔はどうだったかですが、3.のルートを鳥取藩が参勤交代ルートに使い因幡街道として名を遺しています。大原宿で見た本陣が当時の栄華を忍ばせてくれます。

 因幡街道の成立も古すぎて杳としてわからない部分が多々ありますが、どうも美作が令制国として備前から分離した時に、山陽道の飾西宿あたりから津山に向かう美作支道が官道として整備されたからのようです。

 美作道の佐用から北上して鳥取を目指すルートが因幡街道の始まりの様で、平安期の官人がこの道を使い国司に就任した記録が残されています。

 だったら古代から播磨と因幡を繋ぐ街道としてずっと重視されていたかと言うと疑問符が残ります。あくまでも私が調べた範囲ですが、佐用経由の因幡街道は鳥取藩が参勤交代のために再活用した感じがします。

 ならば因幡から播磨に向かうメインルートはどこだったかになりますが、鳥取から若桜に向かい戸倉峠を越えて山崎に向かう国道29号線ルートです。こちらも因幡街道と呼ばれるようです。明治以降の扱いも国道からしてわかりやすくて、

  • 山崎経由の因幡街道・・・国道29号
  • 佐用経由の因幡街道・・・国道372号
 国道29号は明治に最初に国道整備として必要として認められた路線なのです。今は鳥取道が出来たので国道29号も閑散としていますが、かつては鳥取県と兵庫県を結ぶ主要幹線道路として重視されていたはずです。

 山崎経由の因幡街道の成立はそれこそ神代の時代に遡ると考えています。ただ戸倉峠に挑戦するとなると雪が心配ですから、五月に入ってからかな。