バイクもAT免許とMT免許がありますが、どこまでAT免許で乗れるのかはボンヤリぐらいしか把握していませんでした。私のような爺が免許を取った頃には、そもそもAT免許が存在していませんでしたからね。
ATとはオートマチック・トランスミッションの略のはずですから、スクーターのように変速機が存在しないバイクを指すと漠然と思ってました。ところが変速機が付いているカブもAT免許でOKなのです。つまりAT免許とMT免許の区別は、
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クラッチの有無
ホンダと言うメーカーは昔からAT車には前向きだったと記憶しています。おそらく北米市場を常に念頭に置いていて、日本もいずれAT車の時代になると読んでいたぐらいに考えています。クルマに関しては、そうなったで良いともいます。
ホンダの初期のAT車も乗せてもらった事はあります。これも怪しすぎる記憶でホンダ1300だったはずです。当時はAT車の走りの時代でホンダマチックと呼んでいたと記憶しています。
クルマでAT化時代の先鞭を切ったホンダはバイクもまたそうなると考えていた節があります。バイクは現行でもMT車の人気は強く、中型車以上ではスクーターを除くとほぼMT車だったはずです。スポーツ系のバイクでATと言われても思い浮かばないぐらいです。
ところがホンダは1976年には自動遠心クラッチじゃないホンダマチックを搭載したCB750Aが北米で販売され1977年には日本でも発売されています。さらに1988年にはCB400ATが発売されています。
実はって言うほどではありませんが、ホンダマチック搭載のATバイクを見たことはあります。バイク屋の中古販売の一角にずっと置いてあって、バイクにもオートマがあるんだと妙に記憶に残っています。これは裏返せばずっと売れ残っていたとも言えます。
実際に走っているのも見たことがあります。これは悪友に誘い込まれて中型免許を取りに行ったときに、小型の教習車がAT車だったのです。私の歳から考えてもらえればわかるのですが、あの頃にも125ccの自動遠心クラッチじゃない小型バイクがあったことになります。
教習車ですから元モデルがあったはずですが、遺憾ながら探し出せませんでした。それぐらいホンダはバイクのAT化に熱心だった傍証になりますが、クルマと違いバイクのAT化は不発に終わったぐらいの評価になります。
そうなってしまった理由はあれこれあるでしょうが、強いて一つ上げれば、とくに中型以上のバイクは純趣味の乗り物だからと個人的に思っています。純は言い過ぎかもしれませんが、実用性に乏しすぎるからです。
クルマのように汎用性が強く求められなかったぐらいとでも言えば良いでしょうか。ついでに言えばバイクの女性人口が少なかったのもある気がします。
もちろんこの先の事はわかりません。バイクもEV化すればAT車の時代になりますが、そこまで見れるかどうかは既に寿命との競争になっています。