リアル・ツーリング日和9 カブに始まってカブに終わる

 バイクとの馴れ初めはたぶん半世紀前になるはずです。どうしてそうなったかは覚えていないのですが、叔母の婚約者の家に遊びに連れていったもらったのです。ちなみに叔母は亡くなりましたが、叔母の夫になった叔父は健在です。

 そこで乗せてもらったのがカブです。もちろん道路じゃなく空地です。とはいえ10歳ぐらいの小学生に無理はあったと思うのですが、アクセル操作や、シフト操作を一通り教えられて走りました。走ったのは空地もありましたが、隣接していた草むらにも突っ込んで走った記憶も残っています。

 そこからはまったかと言えばそうではなく、次にバイクに乗ったのは10年ぐらい間隔があります。大学生になり最初の夏休みに普通運転免許を取っています。当時ならよくあるパターンじゃないかと思っています。普通運転免許を取れば原付一種がオマケに付いて来ます。

 その時にお袋が何故か乗っていたロードパルに乗ったのが二度目のバイク体験です。これも1回乗ったぐらいで下宿に戻ったのですが、普通運転免許を取った目的はクルマに乗るためじゃなく、下宿から通学用のバイクに乗るためでした。

 これは前にも書いたのですが、悪友に唆されてAR50を買い、生まれて初めて乗るバイクのMT車に苦戦させられました。AR50も思い出深いバイクでしたが、やがて事故でお釈迦にしてしまい、途中からリードSSで卒業まで乗ってました。

 卒業後はバイクと縁が切れていたのですが、結婚を機にまたバイクとの接触が始まってしまいました。新婚時に住んでいたマンションが山の上にあり、奥様の普段の足にクルマが必要になったのです。クルマ二台体制は諸般の事情で無理があり、通勤用に買ったのがVツインマグナ。

 あの時はバリウスとの二択で悩んだのですが、足つきでマグナにしています。マグナもまた思い出深いバイクになります。それは買ってしばらくして大事件が起きたからです。どんな大事件かって、大地を震わす大震災、あの阪神大震災です。あの時は、そりゃ、大変でしたがマグナは活躍してくれました。

 被災地の道を走るのに活躍はしてくれたのですが、あれはあれで怖かった。大量の瓦礫をトラックが市街に運び出していたのですが、そのトラックから色んなものが転がり落ちていました。それこそソファとか、柱みたいなものまでです。

 クルマもよくパンクしていましたが、延べで20本ぐらい釘が刺さってましたからね。バイクでも被災地の道はハードだったぐらいです。

 で、マグナもやがて手放して、次に起こった人生の大転機が訪れます。開業をしたのですが、これに伴い引っ越し。またぞろ通勤用のバイクが必要になったのです。この時は実用性重視で最初にベスパET125(どこが実用性じゃ!)、これを事故でぶっ壊し次がアドV125Sです。

 20年ぐらいスクーターに乗ってモンキーです。このモンキーですが、御存じの通りカブ系のエンジンで燃費お化けと呼ばれる事もあります。今だってカブは余裕で健在ですが、私の気分として、

    カブに始まってカブに終わる
 だからどうしたってお話ですが、これが言いたかっただけです。