原チャリの明日

 コロナの影響でちょっとしたバイクブームだそうです。妙なつながりですが、蜜を避けれる点で注目されたとかです。この辺は、コロナ前からカムバック・ライダーの増加が言われていましたから、相乗効果の部分はあるのかもしれません。

 どれぐらいのブーム化と言えばオーダーしたバイクが5か月経っても手に入らないぐらいはわかります。他は・・・そうですね、時々行くことがあるバーのマスターが、

    休みの間に大型を取りに行こうと思いましたが、教習所がいっぱいで・・・
 あのマスターは同世代で、あの頃は大型免許は無くて、限定解除でした。当時も大型って言ってたと思いますが、試験場での一発試験のみで、合格率が3%ぐらいだったはずです。知り合いにも限定解除を取ったのもいましたが、たしか10回ぐらいで合格すれば優秀だとか、なんだとか。

 だからマスターも私も中免です。これは教習所に通えば普通に取れましたからね。マスターと話したのは去年の末ぐらいですから、1月末からのマンボー休みに大型を取れたかは、今度行った時に聞いてみます。


 中型や大型も売れているそうですが、バイクブームの中核は小型だとも聞きます。この辺はサイズと維持費の負担が軽いのもあるかもしれません。バイクは排気量が大きいほどパワーがあって、速いだけでなく、とくに長距離走行で強みを発揮します。

 ですが、バイクはクルマと違い、大きくなれば乗りこなすだけの体格と体力も必要になります。そう、クルマと違って自分で押したり、引いたり、方向転換をさせなければなりません。バイクでしばしば言われるのが、

    軽いは正義
 これは大型の取り回しの大変さへのアンチテーゼぐらいになります。ですから年齢を重ねるとサイズダウンがしばしば起こるぐらいです。


 軽くて小さいと言えば第1種原付が衰退しているそうです。そう、普通免許のオマケで乗れるサイズです。私も学生の頃は第1種原付、当時はゼロハンなんて呼んでいましたっけ。

 当時はスクーター・ブームもあって、猫も杓子も50ccに乗っていました。走りもノスタルジーの部分を差し引いても悪くなかったと思います。端的には2st時代でしたから、50ccでもかなりの速度が出せました。実感的には、今の125ccに匹敵するぐらいです。

 あれから40年。環境や騒音に対応するうちに50ccの能力は落ちたようです。この辺はバイクどころかクルマの免許も若者が取らなくなった(それ以前に若者人口が減ってますが・・・)のも相まって50ccのジャンルの維持さえ危ないとかです。

 意見としては50ccのジャンルが日本のガラパゴスだもありますが、だからと言って125ccに素直にシフトするかと言われると考えこんでしまいます。

 パッと思い浮かぶのが免許の壁です。小型の免許を取ろうと思えば学科が26時間、技能が12時間必要です(AT免許は省略)。教習料金も12万円ぐらいは必要みたいです。取得期間は・・・2週間ぐらいは必要そうに思います。

 費用負担も軽くないですが、教習所に通う時間をどうやって確保するかは大きすぎる問題と思います。ちなみに私は、当時の常識で先にクルマの普通免許を先に取得してから、中免を取っています。それでも10日ぐらいはかかったと記憶しています。

 学生でしたから時間に融通が利きましたが、社会人になるとハードルが高すぎる気がします。そうなんです。ひょいとバイクを乗ろうと思っても教習所の壁がまず待っています。


 今となって思うのは、この手の免許は若いうち、ぶっちゃけ学生時代に取得しておかないと取れるものではない気がします。私だって中免を今から取るとなれば、仕事との兼ね合いでハードルが高すぎます。ですが都市部の若者はクルマの免許さえ取得意欲が低下しています。

 うちの娘にも水を向けましたが、興味さえ示しませんでした。バイクの購入者は免許取得者とイコールですから、125ccがかつてのゼロハンみたいになるかと言われれば・・・難しい気がしています。そして原チャリが滅べばなんて嬉しくない想像が広がってしまいます。